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形と模様を極める大腸腫瘍内視鏡診断学

高木 篤 (著)

株式会社 シービーアール

196 頁  (2018年1月)

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リリース日: 2018年12月07日

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「命を奪う形と模様」を極めることが大腸癌死を減らす!23年間に及ぶ著者単独の18,921症例の解析による渾身の診断学!

著者が“情熱と冷静のあいだ”で揺れ動きながら、大腸内視鏡で観察・撮影・治療してきた症例と思索の集大成。本書の主旨を一言で言うならば、「命を奪う形と模様を極めることが、大腸癌死を減らす」ということである。

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「命を奪う形と模様」を極めることが大腸癌死を減らす!

23年間に及ぶ著者単独の18,921症例の解析による渾身の診断学!


「本書では形と模様を敢えて分離し、別々に考察してから統合するという形式をとった。

まず肉眼型別の臨床病理を考察した上で、肉眼型と組織、ピットと組織、そして、肉眼型とピットの統合という構成にした。1例毎のマクロとミクロの対比だけでなく、同じ組織型のマクロとマクロ、ミクロとミクロの横断的な対比ができるように、マクロ画像集、ミクロ画像集も用意した。

また、全体の見え方としても、すっきりとしたできる限りシンプルなページ構成を心がけ、ビジーにならないように努めた。シェーマなどによる図解も取り入れ、読者の理解の一助とした。

そして、1章ではなぜ診断学が必要かということを解説し、what、how だけでなく、why にもこだわった。

その結果、本書の主旨を一言で言うならば、「命を奪う形と模様を極めることが、大腸癌死を減らす」ということである。」(本書「はじめに」より)


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1993 年、私は秋田赤十字病院の工藤進英先生(現・昭和大学横浜市北部病院消化器センター長)の元で大腸内視鏡の挿入法、診断学、治療技術を学ぶ機会に恵まれた。当時の工藤先生は幻の病変、秋田の風土病と言われた「大腸Ⅱc」を世界に認知させることに精力的に取り組まれ、内視鏡の挿入技術、撮影技術、EMR の技術、実体顕微鏡撮影、発育進展論など、すべてにおいて時代の最先端を走っておられた。「我々が世界の診断学を変えるんだ。」その高揚感の中で、全国から集ったハイテンションな同志たちと研修した日々は、私の人生においてかけがえのないギフトとなった。

1994 年に帰任し、9 月に秋田で開催されたⅡc 研究会で、Ⅱa+Ⅱc 病変を提示する機会があった。その際、今は亡き白壁彦夫先生から「この実体顕微鏡写真は陥凹の形態がよくわかる」「私のように老い先短い人間としては、先生のように"病的に"熱心な先生にこの陥凹の形態を是非3D画像にしてもらいたい」とお褒めの言葉をいただいた。

白壁先生は、X 線二重造影の国際的なパイオニアである。その形態診断学にかけるすざまじい情熱は柳田國男の「ガン回廊の朝」でも紹介されている。

その白壁先生から「病的に熱心」という最高級(?)の賛辞をいただき、天にも登る気持ちだった。その勢いでⅡc 研究会終了後に白壁先生に「先生が主催している東京で開催される大腸研究会(白壁フォーラム)に参加せて下さい」とお願いした。先生は快諾して下さったが、その3 ヵ月後にお亡くなりになった。その白壁先生が「老い先短い」と自分の死を自覚しておられたことを後で知り、死を賭してでも後進に伝えようとしたことを考えると今でも胸が熱くなる。先生のお言葉は「遺言」となった。

以後、私は「白壁先生の最後の弟子」を自認し、現在は久留米大学消化器病センター教授の鶴田修先生が司会をされている大腸研究会にほぼ毎月(現在は隔月)、24 年間、症例を出し続けてきた。1992 年から開始した実体顕微鏡撮影も今年で26 年目になった。

その鶴田修先生からは、内視鏡像、実体顕微鏡像、病理像の徹底的なマッピングについて多大な影響を受けた。久留米大学の症例提示には、病変を全割して再構築する手法で、毎回感心させられた。

また、鶴田先生のすばらしいのは、常に事実から出発する姿勢である。鶴田先生は見えるものから見えないものを論理的に推理していかれる。そして鶴田先生は、わからないことはわからないという科学的な態度を持っておられ、その潔さにも私は常に感心している。何よりも、秋田学説と反するデータに苦しんでいた私にとって、事実から出発すればいいという姿勢は本当にありがたかった。

本書は、幸運にもそうした巨人たちから私が学び、「情熱と冷静のあいだ」で揺れ動きながら、自分の大腸内視鏡で観察・撮影・治療してきた症例と思索の集大成である。

本書では、私が秋田赤十字病院の工藤進英先生に指導を受けた後に現在の協立総合病院に1994年に帰任してから2016 年までの23 年間に私が単独で診断し切除、または当院で外科切除した18,921 例のデータを解析した。内視鏡写真、実体顕微鏡はすべて私が撮影した物だけを使用した。

私は医師になって以来、専門研修に出向した2 年間以外は、ゆでガエルのように協立総合病院にずっと勤務してきた。医師のキャリアとしては極めて珍しいのではないだろうか。私は大学の医局に属していないので、学閥に縛られることもない。誰かに気兼ねして誰かの説を排除することもない。フェアな姿勢をとりうる位置にいる。

ガラパゴス的な感は否めないが、一人の内視鏡医が奇跡的に蓄積した症例と思索を世に出すことは、先達の仕事を引き継いできた私の使命であろう。

さらに本書を執筆するにあたり、「形と模様の診断学を整理して体系的に提案したい」と考えた。23 年間にわたる症例を中心に構成しようかとも考えたが、症例集以上の論理的構造を持つ診断学を提示したいと思った。

秋田から帰院した後も、私はマクロである肉眼所見とミクロであるピットパターン診断を統合させることにこだわり、ライフワークとしてきた。ピットパターン、NBI と模様の診断学全盛期であるからこそ、模様の診断学に行く前に、形態診断をしっかりすべきだという問題意識があった。

そこで、本書では形と模様を敢えて分離し、別々に考察してから統合するという形式をとった。まず肉眼型別の臨床病理を考察した上で、肉眼型と組織、ピットと組織、そして、肉眼型とピットの統合という構成にした。1 例毎のマクロとミクロの対比だけでなく、同じ組織型のマクロとマクロ、ミクロとミクロの横断的な対比ができるように、マクロ画像集、ミクロ画像集も用意した。

また、全体の見え方としても、すっきりとしたできる限りシンプルなページ構成を心がけ、ビジーにならないように努めた。シェーマなどによる図解も取り入れ、読者の理解の一助とした。

そして、1 章ではなぜ診断学が必要かということを解説し、what、how だけでなく、why にもこだわった。

その結果、本書の主旨を一言で言うならば、「命を奪う形と模様を極めることが、大腸癌死を減らす」ということである。そのための体系的な診断学を目指した。

本書が、読者の診断力の向上に貢献し、ひいては大腸癌死を減らすことにつながれば望外の僥倖である。



謝辞

本書の出版を支えてくれた職場の同僚である、名和晋輔先生、森 智子先生、長谷川綾平先生、原 春久先生、中澤幸久先生、加藤哲也先生、池田耕介先生、岩井周作先生、上司である堀井清一院長、江間幸雄先生、胃腸センターの看護師のみなさん、臨床工学技士のみなさん、病理検査室の検査技師のみなさん、元同僚の小西隆文先生、CBR 編集部の永井友理さんに心から御礼申し上げます。


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推薦の序 学閥を超えたお奨めの一冊

はじめに

第Ⅰ章 大腸癌の発育進展と臨床病理

第Ⅱ章 マクロ診断学―形を極める

第Ⅲ章 ミクロ診断学―模様を極める

第Ⅳ章 マクロとミクロの実践的統一

第Ⅴ章 症例集―「対比」の診断学


おわりに

索引

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