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救急·集中治療(25巻9・10号)今知りたい!集中治療の最新論点

  • ページ数 : 215頁
  • 書籍発行日 : 2013年10月
  • 電子版発売日 : 2014年2月14日
¥6,160(税込)
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商品情報

内容

Critical Careに携わる ICU、救急、麻酔、外科、内科の医師とコメディカルを対象に、解説と情報を満載した『救急・集中治療』が電子版となりました。

本書 25巻9・10号では、第40回日本集中治療医学会学術集会で行われた、意見が分かれる処置、治療、ケアの21項目についてのPro-Conディベートを「集中治療の最新論点」として発刊しました。

白熱する議論を身よ!

序文

集中治療専門医とは,急性臓器不全患者を,強力かつ集中的な集中治療とケアを行うことで臓器機能を回復させ重症患者を救命するプロフェッショナルです.集中治療専門医がいると人工呼吸とICU 滞在期間が短く,ICU 費用が少ないだけでなく,死亡率が下がることが米国のBrown らや英国のBlunt らによって明らかにされ(Brown JJ et al: Chest96:127-9, 1989 / Blunt MC et al: Lancet 356:735-6, 2000),米国では集中治療専門医なしではICU 運営ができない状況にあります.『Wall Street Journal』(2002/11/21 発行)によれば,"Patients and families insist on knowing whether an intensivist will becaring for them in the ICU." と書かれてあります.医療の安全,質,費用の改善を目的に,企業経営者によって2000 年に設立された団体である米国のLeapfrog group は,集中治療専門医がいないICU に入院している場合は,集中治療専門医がいるICU へ移ることを企業傘下の職員に勧めています(Am J Med 116:206‒7, 2004).

しかし,集中治療専門医が行う処置であっても,まだまだ,意見が分かれる処置,治療,ケアは少なくありません.第40 回日本集中治療医学会学術集会 では,これら意見が分かれる処置,治療,ケアの21 項目についてPro-Con ディベートを3 日間に渡って開催しました.座長,Pro-Con の演者の先生方にはこのPro-Con ディベートに積極的に参加頂きました.会場は,連日,溢れるような熱気でムンムンとしていました.そして,このPro-Con ディベートは学術集会参加者から高い評価を頂きました.

Pro-Con ディベートは勝ち負けが目的ではありません.まだまだ,意見が分かれる処置,治療,ケアには多様なものの考え方があること,多様なものの考え方を学ぶことで,集中治療の知識や技を更に深化させることができると考えています.この意味で,演者の中には,無理に〇〇の立場でお願いしますと発表を依頼した先生もいます.意図的にPro の立場でまたはCon 立場で議論を進めるとどうなるかを発表して頂きました.

ICU でまだまだ,意見が分かれる処置,治療,ケアに関する3 日間連続のPro-Con ディベートは本学会では初めての試みでした.そこで,参加頂いた先生方のご努力を「今知りたい! 集中治療の最新論点─Pro&Con ディベート─」として発刊し,多くの先生方にもう一度Pro の立場でまたはCon の立場で考え学んで戴くことにしました.

時代はプロの集中治療専門医を求めています.ラピッド・レスポンス・チーム(RRT)や心停止後症候群のケアもその一例です(Circulation 122:S768-S786, 2010).本企画は, 集中治療専門医だけでなく,重症患者管理を行っている多くの医師,これから集中治療を学ぶ研修医にも極めて役立つと確信しています.座右の書としてお薦めします.


特集編集 岡元 和文
信州大学 救急集中治療医学講座

目次

第I章 呼吸管理

1.ARDSにはPCVなどの他の換気モードでなく小一回換気量(6mL/kg)の ボリュームコントロール換気を行う?

【Pro】 ARDSには圧規定換気ではなく小一回換気量の量規定換気を行う

【Con】 ARDSの呼吸管理は従圧式換気での低一回換気を行う

2.人工呼吸器離脱には自発呼吸トライアル(SBT)を用いる?

【Pro】 SBTは集中治療現場の人手不足に対応するためにも必要である

【Con】 Spontaneous Breathing Trialの限界

3.ICUの人工呼吸管理において一日一回の鎮静中断は不可欠である

【Pro】 人工呼吸器管理中はリズムある鎮静を!

【Con】 リスクの温床~新たな迷信,鎮静中断を切る

4.重症ARDSにはAPRVを使用する?

【Pro】 APRVは,重症ARDSに最適の人工呼吸モードである

【Con】 重症ARDSの呼吸管理は本当にAPRVでいいの?


第II章 体外(補助)循環

5.重症呼吸不全には体外式肺補助(ECLA,ECMO)を用いる?

【Pro】 Yes,ECMO,Yes.それでもECMOを推す理由~FiO2 1.0の向こう側~

【Con】 成人重症呼吸不全に対してECMOを考慮すべきではない

6.PMX-DHPは害か利益か

【Pro】 敗血症性ショックにPMX-DHPは必要である.Yes

【Con】 エンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)の疑問:敗血症性ショック患者に

     PMX-DHPは必要か?

7.CRRTのnon-renal indicationは意味がある?

【Pro】 CRRTの免疫学的機序による多臓器不全治療への期待

【Con】 CRRTのnon-renal indicationは実験的治療であり,実験的治療は臨床では行わないのが常識である


第III章 手 技

8.中心静脈/肺動脈カテーテルは重症患者管理に有用である?

【Pro】 もちろん! 使用しなければ集中治療ではない

【Con】 中心静脈/肺動脈カテーテルにより得られるベネフィットは,そのリスクに見合わない時代となりつつある

9.外科的気管切開および経皮的気管切開は集中治療医が術者を行う?

【Pro】 気管切開を一緒にやりませんか?

【Con】 外科的気管切開または経皮的気管切開は集中治療医が術者を行う:Con


第IV章 治療/薬

10.心停止に対する低体温療法:Intra-Arrest cooling

【Pro】 心肺停止中よりの低体温療法,Intra-Arrest cooling

【Con】 低体温療法は自己心拍再開後に開始するべきである

11.手術前の抗生物質投与のガイドラインは有用である?

【Pro】 手術前の抗生物質投与のガイドラインは有用である

【Con】 術前抗生物質投与:エビデンスはどこまであるの?

12.DIC治療は基礎疾患の治療で十分である

【Pro】 DIC治療は基礎疾患の治療で十分であり,あえて薬剤治療は要しない

【Con】 DICの転帰改善には基礎疾患の治療に加えて抗凝固療法が必要である

13.急性呼吸不全患者の気管挿管には筋弛緩薬を使用する?

【Pro】 プロフェッショナルが行う気管挿管には筋弛緩薬を積極的に使おう

【Con】 その筋弛緩,ホントに使って大丈夫ですか???

14.プロカルシトニンは抗菌薬の使用決定に有用である?

【Pro】 プロカルシトニンは抗菌薬の使用決定に有用である

【Con】 頼りにならないプロカルシトニン,プロカルシトニン測定のピットフォール

15.重症肺炎にはステロイドを使用する?

【Pro】 重症肺炎にはステロイドを使用する

【Con】 ステロイドは,"捨てるど"

16.Intensive insulin therapyは有害である?

【Pro】 過ぎたるは猶及ばざるがごとし

【Con】 Intensive insulin therapy(IIT)に今後の展望はあるか?


第V章 栄 養

17.栄養管理に中心静脈栄養法は不要である?

【Pro】 消化管に問題がなく経腸栄養を増量できれば中心静脈栄養は必要ない

【Con】 不滅の中心静脈栄養

18.重症急性膵炎(SAP)には早期経腸栄養(EN)を行う?

【Pro】 重症急性膵炎に対する早期経腸栄養は予後改善に有効である~腸が機能しているなら腸を利用しよう~

【Con】 重症急性膵炎では早期経腸栄養が実施できない


第VI章 院内システム/教育

19.ICUは初期研修医が手技を行う格好の場である?

【Pro】 ICUだからこそ安全にできる初期研修医に対する手技の手解き

【Con】 ICUは初期研修医が手技を行う格好の場である:Con

20.Rapid Response Team(RRT)は院内急変対応に有用である?

【Pro】 大阪市立総合医療センターにおける急変対応チームの存在意義

【Con】 院内急変対応システムとしてのRapid Response System(RRS)導入はコードシステムの吟味から

21.Closed ICU はICU患者管理に有用である?

【Pro】 誰が診る,ICU?―20年のClosed ICUの運用経験から―

【Con】 Closed ICUよりも優れたICU患者管理システムの可能性を探る

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書籍情報

  • ISBN:9784883785254
  • ページ数:215頁
  • 書籍発行日:2013年10月
  • 電子版発売日:2014年2月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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