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- 頚動脈内膜剥離術プラクティス[動画付き]
商品情報
内容
頚動脈高度狭窄病変に対し、脳卒中発生予防のための治療として、頚動脈内膜剥離術(CEA)は今も有効な治療法として行われており、脳外科医が習得すべき手術である。本書ではCEAを行う術者のために、診断、手術適応からはじまり、術前準備、手術の工夫、合併症管理、CASとの比較など、頚動脈内膜剥離術のすべてを紹介する。
さらにエキスパートの手術動画がワンタッチで閲覧可能など、電子版ならではの便利な機能を搭載しました。
序文
刊行にあたって
このたび、永田泉先生との共同編集により、『頚動脈内膜剥離術プラクティス』を発刊させていただくこととなりました。頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)は、頚動脈の肥厚した内膜アテロームプラーク病変を切除する手術法です。病変の完全除去が可能で、十分な血行再開と塞栓予防が期待できる方法であり、頭蓋外頚動脈狭窄病変に対する根治的治療として位置づけられています。CEA は1953 年にDeBakeyが行った例が最初の成功例とされています。本疾患の多い欧米では、これまで膨大な数の手術が行われ、術式や適応をめぐるさまざまな検討も繰り返し行われ、現在はもっとも普遍的な外科治療の一つとして定着しています。
本邦においても、1990 年ごろより本疾患の増加が顕著となり、CEA の重要性が強く認識されるようになりました。『脳卒中治療ガイドライン2009』においてもその有効性が明記されています。一方、疾患の増加と時期を同じくして、血管内治療の開発・導入が進み、頚動脈狭窄病変に対する頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)も目覚ましい進歩、普及を遂げてきました。最近では、内科治療・CEA・CAS それぞれの利点・欠点をふまえた治療選択と総合的治療が定着してきました。
私は、頚動脈アテロームプラークは、徐々に進行する限局性の器質的変化、すなわち良性腫瘍に準ずる病変であり、CEA による摘出こそが論理的かつ実践的な最善の治療と確信しています。同時に、CEA に携わる術者およびスタッフは、つねに周術期合併症ゼロを目標とし、手術・治療成績の向上に努めることが責務と考えてきました。私が術者として第一例のCEA を行ったのは1978 年でした。小野博久先生(当時長崎大学)、上田伸先生(当時徳島大学)など、本邦のパイオニアと呼べる先生がCEA をなさっておられましたが、全国的にみても症例数は少なく、また病変形状や病態など、欧米とは異なる点が多いことも指摘されていました。その後現在に至るまで、日本人の頚動脈病変は疾患数の急激な増加に加え、病変形状も欧米人と差のないものとなり、短期間で驚くほどの変化を示してきました。
現在CEA は、脳血管障害外科治療領域の手術として、動脈瘤手術につぐ数が行われています。CEA は、病変部位の解剖、病理所見、病変に伴う脳および全身病態を理解し、基本的手技を習得して行えば、決して難しい手術ではありません。どんなに定型的な手術であっても、術者はよりよい結果を求め、それぞれの手術方法や器具に工夫、改善を加えながら成長します。手術に基本はあっても、絶対はありません。本書ではそのような考えに従い、現在活躍中の術者の皆さんに項目を分担し、それぞれが行っている手術の実際を中心に執筆していただきました。麻酔科、脳卒中内科、血管内治療など、外科以外の先生方にもそれぞれの立場より執筆していただくことができました。ご多忙のなか、ご執筆いただいた皆さんには心より感謝申し上げます。なお、本邦におけるCEA の大半は、現在脳神経外科医により行われていることから、手術に関する執筆は脳神経外科医が主体となったことをお断りいたします。
これまで本邦では、CEA の手技のみに焦点をあてた書籍はありませんでした。本書は、すでに十分な経験を積んできた方、CEA の熟練を目指している方、あるいはこれから始める方など、立場の異なる多くの方に利用していただける内容だと思っております。脳神経外科はもちろん、血管外科あるいは血管内治療など、頚動脈狭窄病変の治療に関わる皆さんに臨床現場でそばに置いてご利用いただければ幸甚であります。
最後になりますが、これまでご指導いただいてきた諸先輩各位、また本書の刊行にご尽力いただいたメディカ出版の皆さんに、心より感謝を申し上げます。
2013 年1 月
富山大学学長 遠藤俊郎
目次
・推薦のことば
・刊行にあたって
・執筆者一覧
・WEB 動画の視聴方法
1章 CEA の診断と検査
●1 CEA のための外科解剖
●2 頚動脈プラークの病理所見
●3 頚動脈プラークの画像診断
●4 頚動脈プラークのエコー診断
●5 術前に行う病態診断検査と評価
2章 CEA の手術適応とリスクマネジメント
●1 症候性狭窄
・無症候性狭窄の手術適応ガイドライン
●2 リスクグレーディングと合併症を有する患者の治療方針
●3 手術のタイミング
・A 虚血症状出現後の手術時期
・B 急性期手術
●4 心疾患合併例の治療指針
●5 プラークの性状よりみたCEA/CAS の選択
3章 CEA の術前管理と術中管理
●1 術前の患者管理と準備
●2 麻酔および術中の基本管理
・A 神経麻酔科医の観点から(1)
・B 神経麻酔科医の観点から(2)
●3 術中モニタリング
4章 CEA 手術の実際
●1 手術で用いる道具
●2 基本的手術手技
・A シャント非使用(選択的使用)
・B シャント使用
●3 手術の実際と工夫
・A 体位・アプローチ・血管剥離
・B 血管切開・プラーク切除
・C 壁縫合・止血
・D シャントの種類と特徴
・E パッチの使用:使用素材と手技
・F エバージョン法の使用
●4 病変形状に応じた対応と工夫
・A 高位病変
・B 高度石灰化病変
・C 旋回位頚動脈病変
・D carotid near-occlusion
5章 術後管理と合併症の予防
●1 術後管理(鎮静と血流管理)
●2 術後過灌流(hyperperfusion)の病態と対策
●3 術後のクリニカルパス
●4 長期成績と再狭窄
●5 術後認知機能変化
6章 CEA に関する評価
●1 最近のCEA / CAS の治療成績
●2 CEA に何を期待するか
・A 神経内科医より
・B 血管内治療医より
◆こだわりの手術道具
◆縫合糸の選択
◆頚動脈シャントチューブの選択
◆終わりにあたって
◆索 引
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ダウンロード時に必要なメモリ:4.4GB以上
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書籍情報
- ISBN:9784840444576
- ページ数:290頁
- 書籍発行日:2013年2月
- 電子版発売日:2013年7月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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