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臨牀消化器内科 2018 Vol.33 No.4 慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療

  • ページ数 : 108頁
  • 書籍発行日 : 2018年3月
  • 電子版発売日 : 2019年3月6日
¥3,025(税込)
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商品情報

内容

消化器の臨床現場になくてはならない最新情報をお届けすべく,1986年1月に創刊。

【特集】慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療
・定義・分類・診断基準
・疫学―有病率・家族内集積・性差・年齢・BMI・予後
・病態生理
 他

>『 臨牀消化器内科』最新号・バックナンバー

序文

巻頭言

慢性便秘診療 ― 新たな時代を迎えて

今回,特集として「慢性便秘―新たな分類と病態・診断・治療」をテーマとした.その理由は,昨年2017 年秋,わが国では初めての成人のための「慢性便秘症診療ガイドライン」が発刊されたこと,さらにこの数年の間に新たなメカニズムによる便秘治療薬が開発され臨床の場に加わったことによって,慢性便秘診療が新たな時代を迎えたことである.

便秘は日常的に見かける症状の一つである.わが国における有病率は,平成28年厚生労働省の国民生活基礎調査では男性で2.5%,女性4.6%だが,そのほかにも全体で2~27%など,幅広い報告がある.しかし,重症例以外では便秘そのものによって重大な症状をきたすことは少ないので,治療は医療機関以外で,多くは市販薬や民間療法,あるいは健康食品などを用いて行われており,実際の有病率についてはさらに高い可能性がある.最適な治療を受けるためには,自覚症状や身体所見に対する診察以外にX 線検査や内視鏡検査,場合によっては大腸通過時間検査やバルーン排出検査など特殊検査を受けて正確な診断のもと,その病態に応じて治療を選択する必要がある.しかし最適な治療に巡り合わず難治となり,不快感が解決しないなどの治療困難例も認められる.今回の特集はガイドライン発刊を受けて新たなスタートをきった慢性便秘症診療が,スムースに日常臨床の場に浸透し,より多くの患者さんに対して最適な治療が行われることをサポートするために企画・構成されたものである.

2016年,Rome Ⅳ委員会から機能性便秘に対する診断基準が発表され,翌年10月には冒頭で紹介した日本消化器病学会関連研究会である「慢性便秘の診断・治療研究会」の「慢性便秘症診療ガイドライン2017」(以下,ガイドラインと表記)の発刊が続いた.国際的には世界消化器病学会(WGO)や米国消化器病学会(AGA),米国臨床消化器病学会(ACG)などから便秘ガイドラインが発表され,わが国においては日本小児栄養消化器肝臓学会から小児向けのガイドラインは発表されていた.今回の成人に対するガイドラインが発表されたことによって,わが国の慢性便秘に対する診療基準が揃ったことになる.これらの診療基準が目標となり,便秘診療の質の向上が期待される.

便秘症はさまざまな原因や病態によって生じるもので,治療もその原因や病態に適するように行われるべきである.ガイドラインでは慢性便秘を,以前に用いられていた器質性と機能性に大別するも,症状分類を重視し排便回数減少型と排便困難型にも分類している.排便回数減少型はさらに大腸通過遅延型や大腸通過正常型に分けて病態を明確にし,より治療選択に連結させていると思われる.その意味から本特集でもまず新たな定義や分類,診断基準について論じてもらった.

慢性便秘の病態については基本的に器質性と機能性に分けて治療を考慮する必要がある.器質性の治療には外科治療や専門的治療の必要なことが多く,専門機関での診療または連携が必要と思われる.一方,日常的に医療機関でみられるのは機能性便秘のほうが多数を占めている.腸管の機能異常については多数の原因や異なる病態が認められており,これらの機能性便秘の治療にあたってはその病態を考慮して治療薬を選択する必要がある.その意味から病態についての理解と診断方法についての知識が必要と思われ,本特集においても取り上げた.また,疫学からは高齢化とともに便秘症が増えることが明らかにされており,高齢化対策としての便秘治療も重要である.さらに高齢になると複数の投薬治療が行われていることが多く,それらの治療薬による便秘発症,あるいはそのほかの合併している疾患から生じる便秘についても知識が必要である.

治療の基本は生活習慣の改善である.そのうえでおもに薬物治療が行われているが,薬物選択にあたってはその病態を考慮して決めるべきである.とくにわが国においても上皮機能変容薬という新たな治療薬が保険診療下で使用可能となったことは新たな便秘治療の幕開けを意味するものである.今後,胆汁酸トランスポーター阻害薬なども便秘治療に加わるものと思われ,これまで主流であった浸透圧性下剤と刺激性下剤以外にも,複数のなかからどの薬剤をどれくらい用いるか便秘薬のさじ加減が必要な時代になると思われる.この特集は新たな便秘診療時代の解説書になることを期待して構成されている.


屋嘉比康治

目次

巻頭言/慢性便秘診療―新たな時代を迎えて

1.定義・分類・診断基準

2.疫学 ― 有病率・家族内集積・性差・年齢・BMI・予後

3.病態生理

4.診断

5.治療

(1)生活習慣

(2)薬物治療全般

(3)上皮機能変容薬

(4)漢方治療

(5)プロバイオティクス

(6)浣腸,坐剤,摘便,逆行性洗腸法

(7)慢性便秘症の心理的異常,薬物療法,心理療法とバイオフィードバック

(8)外科的治療

6.二次性便秘の診断と治療

7.高齢者の便秘


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書籍情報

  • ISBN:9784888755030
  • ページ数:108頁
  • 書籍発行日:2018年3月
  • 電子版発売日:2019年3月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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