これだけは知っておきたい!産科麻酔Q&A

  • ページ数 : 240頁
  • 書籍発行日 : 2010年6月
  • 電子版発売日 : 2011年10月8日
¥7,040(税込)
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商品情報

内容

麻酔科学の知識と技術のスタンダードをわかりやすく解説した「麻酔科学レクチャー」2巻2号の電子書籍版です。産科麻酔について39個のQ&Aにて詳しく解説された内容が、他コンテンツとの串刺し検索・リンク表示、文献参照などにより、立体的に参照できます。

序文

皆さんは,産科麻酔に対してどのようなイメージをおもちでしょうか.「緊急が多い」「胎児のことがよくわからない」「基本的に若くてリスクの低い患者」など,急がされるととは多くて嫌だけれども,なんとなく出来てしまう,という印象をもつ麻酔科医も多いのではないかと思います.それでも,帝王切開や妊婦の麻酔を日々担当するなかで,「どうしてそこまで急がされるのか理解したい」「胎児にとっても母体にとっても安全な麻酔を自信をもって行いたい」「帝王切開中の患者の不快感を解消したい」といった思いは芽生えていることでしょう.しかし産科麻酔の教科書は英語の大部のものしかないし,日本語の麻酔教科書では産科麻酔はわすか一章を占めるだけだし,どちらにしても「妊娠中の生理学的変化」から読み始めると,実際に役立つ情報に到達する前に読み続ける気力が弱まってしまいがちです.


そこで本企画では,明日からの診療に役立つように,実際の麻酔診療の流れに沿って構成いたしました.術前評価では,独特の略語の多い産科カルテの読み方に始まり,胎児評価のポイン卜,妊婦の診察を解説します.その中で,妊娠中の生理学的・解剖学的変化についての知識も身につくようになっています.インフォームドコンセントは超緊急の帝王切開ではどのように行ったらよいのでしょうか.また,目の前の母児に対して,どのような麻酔法が適しているのでしょうか.緊急度や母体の病態に応じた麻酔法選択の基準に続いて,実際の各種麻酔法を具体的に解説します.そこでは術中によく遭遇する心電図変化や腸間膜牽引症候群.稀ではあっても命に関わる局所麻酔薬中毒の対策も触れていただきました.麻酔合併症として妊婦では頻度の高い挿管困難と,硬膜穿刺後頭痛の対策もそれぞれ項目を立てました.帝王切開の術後鎮痛は,薬物が母乳を介して新生児に影響を及ぼす可能性があり,独立して解説していただきました.

帝王切開の麻酔を安全に行うためには,帝王切開の適応となる産科病態についての理解が不可欠です.産科医と共通の理解があれば,帝王切開申込時に緊急性をくどくど確認しなくても直ちに動き出すことができます.妊娠高血圧症候群や多胎など,術中は状態が安定していても術後に肺水腫や腎不全などで産科医が苦労しているかもしれません.術後の状態を良好にできてこその麻酔管理です.そのためにも,帝王切開の麻酔の各論として,病態ごとの術前,術中,術後管理の実際とポイントを解説していただきました.

産科麻酔は帝王切開にとどまるものではなく,無痛分娩や,妊娠中の手術の麻酔,産後授乳期の患者の麻酔なども大切です.さらに新生児蘇生法ガイドラインや,麻酔が原因での母体死亡,妊婦の心肺蘇生法も解説します.麻酔と蘇生は不可分のものですし,いざというときに知識があれば,少なくとも何をしたらよいかがわかります.シミュレーションを繰返していれば,なお自信をもてるでしょう.序章は,最初に読んで全体像をつかむのも良いし,最後に読んで再構築するのも良いでしょう.


本シリーズは.読みやすいQ&A形式が特徴です.自分が質問したつもりで,解説を楽しみながら読み進めてみてください.執筆者は,産科麻酔の診療,教育,研究に第一線で携わっていらっしゃる日本各地のエキスパートです.内容は専門医試験受験者に必須のものからベテラン麻酔科医にとっても読みごたえのあるものまで含まれています.読み終えたらいろいろな臨床現場で自信をもって妊婦の診療ができるようになったと気づかれることと思います.

本書で学んだことを活かしつつ,麻酔科医がお産の場に直ちに駆けつけ,母体の急変や超緊急帝王切聞に迅速・的確に対応することで,母児に明るい未来がもたらされることでしょう.


編集:照井 克生(埼玉医科大学総合医療センター 産科麻酔科)

目次

序章

Q1.産科麻酔とは何か研修医は何を知るべきか
我が国の無痛分娩の特徴,無痛分娩の功罪

I.麻酔前評価

Q2.産科カルテの読み方と胎児の評価

Q3.妊婦の診断とインフォームドコンセント

II.帝王切開の麻酔:総論

Q4.麻酔が原因での母体死亡
(帝王切開における30分ルールについて,を含む)

Q5.麻酔法選択の基準

Q6.麻酔準備

Q7.全身麻酔の実際(利点,適応,やり方)

Q8.妊婦における困難気道(Diffcult Airway)の予測・予防と対処

Q9.脊髄くも膜下麻酔の実際

Q10.硬膜外麻酔の実際

Q11.Post Dural Puncture Headache (PDPH)の治療

Q12.局所浸潤麻酔

Q13.帝王切開術の術後鎮痛

III.帝王切開の麻酔:各論

Q14.胎児機能不全

Q15.妊娠高血圧症候群

Q16.常位胎盤早期剥離の麻酔と全身管理

Q17.前置胎盤,癒着胎盤

Q18.多胎

IV.硬膜外無痛分娩

Q19.分娩の痛み

Q20.硬膜外無痛分娩の実際

Q21.開業産科医における無痛分娩の実際

Q22.硬膜外無痛分娩による母体合併症対策

Q23.硬膜外無痛分娩が分娩経過に与える影響

Q24.硬膜外無痛分娩が児に及ぼす影響

V.妊娠中の手術

Q25.妊娠中の手術の麻酔

Q26.術前の放射線検査

Q27.虫垂切除および腹腔鏡下卵巣のう腫摘出術

Q28.妊娠中のペインコントロール

VI.産褥期の麻酔

Q29.産後の生理学的,薬理学的変化

Q30.麻酔薬の母乳への移行

VII.妊産婦救急

Q31.産褥出血の管理と麻酔

Q32.羊水塞栓症

Q33.肺血栓塞栓と抗凝固療法

Q34.産科DIC

Q35.アナフィラキシー

Q36.妊婦における心停止時の心肺蘇生法

Q37.病的肥満

Q38.心疾患合併妊婦

VIII.新生児の評価と蘇生

Q39.新生児蘇生法ガイドライン

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書籍情報

  • ISBN:9784883786053
  • ページ数:240頁
  • 書籍発行日:2010年6月
  • 電子版発売日:2011年10月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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