• ページ数 : 100頁
  • 書籍発行日 : 2014年3月
  • 電子版発売日 : 2018年10月26日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

服薬指導で注意すべきさまざまな状況を想定し、Q&A形式による見開きの見やすい解説を実現。

新しく3剤のアルツハイマー病治療薬が登場して薬物治療の選択肢が増えた一方で、その選択については明確な指針がない現状において、アルツハイマー病治療薬の服薬指導はどのようになされるべきか。薬剤師のみならず高齢者医療に携わる多職種の方々にも、アルツハイマー病治療薬の理解に役立つ1冊です。

序文

発刊にあたって

時代は大きく変わってきています。

地球温暖化,ネット社会,グローバライゼーション,市場資本主義,TPPなどが代表的で,医療関係でも総医療費の高騰,健康保険や年金の破綻リスク,消費税率アップ,医薬分業,ジェネリック推進など挙げればきりがありません。これらの変化が超高齢社会の到来とともにわが国に押し寄せてきているため,今後の展開は予想し難い状況にもあります。このようななかで,認知症対策は医療・看護・介護領域の最重要課題であることはいうまでもなく,社会保障制度など社会的にも喫緊の課題を含んでいます。

認知症医療でも2011年に大きな発展がありました。わざわざ記載するまでもなく,それまでアルツハイマー病治療薬はドネペジル(アリセプト®)のみだったのが,他の3 剤(ガランタミン:レミニール®,リバスチグミン:リバスタッチ®パッチ/イクセロン®パッチ,メマンチン:メマリー®)が加わりようやく国際標準化されたことです。欧米先進国ではすでに6,7年前からこのような4剤体制にあり,症例に合わせた薬物選択が行われています。患者さん・ご家族にとって,そして主治医にとって,薬剤の選択肢が増えたことは大きな福音です。また,同じ年の後半に,ドネペジルの特許権が切れて,約30社がドネペジルのジェネリック発売に至りました。

しかし,国際的にみてもこのアルツハイマー病治療薬の投与にはまだ解決すべき問題は多くあります。なかでも,この4剤の使い分けについての治療アルゴリズムが臨床的にはほとんど意味をなしていません。つまり,そこでは,最初は3剤あるコリンエステラーゼ阻害薬(ChE-I)のどれかを使う,効果不十分や副作用の場合には他のChE-Iに変更する,また認知症が進行してきたらChE-Iの増量やメマンチン(メマリー®)併用を行う,といったものでしかありません。これは,使い分けを示唆するほどのエビデンスがないからです。また,日本人での使用歴はまだ2年半ほどしかないので,有効性や副作用の臨床データも不足しています。さらに,高齢者ではさまざまな身体疾患や社会環境の問題を有していることから,個々のケースへの対応に十分な情報はありません。

このようななかで,入院・外来医療において薬剤師の役割・責務も重要性を増しています。外来では院外処方箋による薬剤投与が増え,薬剤の解説,副作用や併用薬のチェックなど,入院では服薬指導などがあります。しかし,このような薬剤師業務を実践するうえで,上記のような情報がまとめられた書籍はいまだ見当たらないことから,フジメディカル出版からご提案を受け,順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院のメンタルクリニック3 医師(日本老年精神医学会専門医)および薬剤科5 薬剤師と相談し編集するに至りました。

目次から一目瞭然でありますが,本書では,認知症の病態,チーム医療の重要性,薬理学的機序,臨床効果,副作用から始まって,その後は実務的に注意すべきさまざまな状況を想定して,それらの一つ一つを簡潔に見開きで記載しました。このような内容と実用性から,本書が認知症の薬剤師業務にかかわるすべての方々のみならず,高齢者の医療・看護・介護にかかわるすべての職種の方々にも,十分貢献できる一冊と確信しています。最後に,このような機会を与えて頂き,また出版に至るまでに多くのご支援を頂いた宮定社長を始めとするフジメディカル出版関係諸氏に深謝します。


2014年2月吉日

新井 平伊

目次

Ⅰ アルツハイマー病の病態生理

1.アルツハイマー病の病態と治療薬開発

2.アルツハイマー病の治療原則

Ⅱ 服薬指導の臨床的意義-チーム医療の観点から

1.医薬分業の意義

2.よく遭遇する臨床上の問題

3.認知症で特に重要な点

Ⅲ アルツハイマー病治療薬の薬理: 作用機序・臨床効果・副作用

1.ドネペジル

2.ガランタミン

3.リバスチグミン

4.メマンチン

Ⅳ.アルツハイマー病治療薬の服薬指導Q&A

【薬物選択】

Q1.BPSD(周辺症状)に効果がある薬剤について教えて下さい。

Q2.ADLの改善効果について教えて下さい。

Q3.効果が見られない場合は増量か、または他剤への切り替えかを教えて下さい。

【身体疾患の併存】

Q4.腎機能が低下している場合の注意点を教えて下さい。

Q5.肝機能が低下している場合の注意点を教えて下さい。

Q6.てんかんのある患者さんに投与する時の注意点を教えて下さい。

Q7.心疾患のある患者さんに投与する時の注意点を教えて下さい。

【併用薬】

Q8.下剤が処方された時の注意点を教えて下さい。

Q9.鎮痛剤が処方された時の注意点を教えて下さい。

Q10.睡眠薬を処方されている場合の注意点を教えて下さい。

Q11.抗認知症薬の併用について教えてください。

Q12.抗うつ薬と併用する場合の注意点を教えて下さい。

Q13.抗精神病薬と併用する場合の注意点を教えて下さい。

Q14.漢方薬を併用する時の注意点を教えて下さい。

Q15.風邪薬との併用は可能ですか。

【服薬・薬剤管理】

Q16.服薬管理が困難なケースの対応について教えて下さい。

Q17.薬を飲み忘れた場合の対応について教えて下さい。

Q18.薬を飲みすぎることがあるのですが治す方法はありますか?

Q19.独居老人の薬の管理方法について教えて下さい。

Q20.嚥下障害のある場合の服薬について教えて下さい。

Q21.自動車運転についての注意点を教えて下さい。

Q22.服用中の水分補給についての注意点を教えて下さい。

Q23.服用中の食事についての注意点を教えて下さい。

Q24.服用中の運動についての注意点を教えて下さい。

Q25.居住系施設における服薬指導はどのようにするのですか?

Q26.ヘルパーに服薬サポートを依頼する場合の注意点を教えて下さい。

【副作用】

Q27.めまいの症状が出た時の処置について教えて下さい。

Q28.便秘になった時の処置について教えて下さい。

Q29.痙攣が起こった時の対応について教えて下さい。

Q30.貼付剤による皮膚症状(かゆみ・湿疹)が出た時の対応について教えて下さい。

Q31.幻覚、錯乱、せん妄などの精神症状があらわれた時の対応について教えて下さい。

Q32.歩行障害や転倒が起きやすくなった時の対応について教えて下さい。


<参考資料>

・相互作用一覧表

・アルツハイマー病危険因子とライフスタイルの改善による予防効果

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書籍情報

  • ISBN:9784862700476
  • ページ数:100頁
  • 書籍発行日:2014年3月
  • 電子版発売日:2018年10月26日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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