病院前新生児蘇生法テキスト[動画付き]

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2020年3月
  • 電子版発売日 : 2020年2月21日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

新生児蘇生法講習会Pコース公認テキスト

救命救急士・救急隊・消防吏員などを対象とした新生児蘇生法(NCPR)講習会が2020年春にスタート。医療施設外での出生を想定し、バッグ・マスクや胸骨圧迫といった標準的な新生児蘇生処置の習得を目指す。本書はこの新たなコースの公認テキスト。出生時の呼吸・循環生理、救急搬送時の留意点などの必須知識も収載。

序文

日本周産期・新生児医学会は2007 年から新生児蘇生法(Neonatal Cardio-PulmonaryResuscitation;NCPR)普及事業を開始しました。これは、新生児の予後改善を目的に、すべての分娩に新生児の蘇生技術を持った新生児担当の人員を最低1名配置できる体制を整備することを目指したものです。本事業は、新生児蘇生のための知識・技術・態度を習得するための講習会カリキュラム作成と、自己学習用のテキスト作成および講習会を開催する人材の育成を主体としています。幸いなことに、周産期医療に従事する多くの職種の方々のご支援・ご支持のもと、2019年12月現在、5,033 名のインストラクターにより講習会が全国津々浦々で行われる体制が整い、73,657名が認定を受けています。

NCPRガイドラインは、5年ごとに国際蘇生連絡委員会が発表するConsensus on Scienceand Treatment Recommendation(CoSTR)を受けて日本蘇生協議会がわが国の実情に合わせて作成し、本講習会はこれに基づいて構築されます。CoSTRではクリニカルクエスチョンを立案し、文献検索を行い、エビデンスに基づいて提言が出されます。現在のガイドラインは基本的には院内出生児を対象としたものです。わが国では99.8%が施設内分娩であるため、今までは院内出生児に対応する医療者を講習会受講の柱として事業を展開してきました。

しかしながら、何らかの理由で病院前、すなわち自宅や車中での分娩も生じ、それらの児が新生児集中治療室に搬送されてくることもまれではありません。消防庁の2017年の新生児の搬送実績は13,417名で、全体の0.2%に過ぎません。また、新生児の搬送の多くは病院間搬送なので、周産期医療従事者がいない中、救急隊員・救急救命士による分娩介助および新生児蘇生が行われる機会は少ないことも事実です。しかし、少ない機会ながら新生児の蘇生・搬送を行った方々の新生児の蘇生を深く学びたいという希望から、本講習会を受講される救急隊員・救急救命士も年々増加しています。救急隊員・救急救命士で認定を受けた方は1,000人を超えています。

一方、本講習会を受講した救急隊員・救急救命士のアンケートには、本講習会で行われている基本実習およびシナリオ実習は蘇生環境が整った病院内での分娩を想定しており、救急隊員・救急救命士が病院前救護で行う分娩および新生児蘇生の現状とそぐわないため、限られた資機材と蘇生台のない環境下での実際的な基本手技の実習とシナリオ実習への要望が多く寄せられています。救急隊員または救急救命士の活動基準は各地域のメディカルコントロール協議会が定めていますが、平成31年度版救急救命士国家試験出題基準にもNCPRの記載があり、地域によっては救急救命研修の課程に新生児蘇生法「一次コース」を導入しているところも出てきていることから、日本蘇生協議会の了解のもと、新生児蘇生法委員会で検討を重ね、病院前新生児蘇生講習会プログラムを作成しました。

本書では周産期医療を専門にしない救急隊員および救急救命士の皆さまが、新生児蘇生法を理解して実践するために構築された病院前新生児蘇生法講習会の事前学習・事後学習用のテキストとして作成されました。2018年4月現在、34,122名が救急隊員として救急業務に従事しており、そのうち26,581名が救急救命士として運用されています。一人でも多くの救急隊員および救急救命士が本講習会を受講して、臨床の場で自信を持って新生児の救護にあたっていただけることを期待します。

本書の作成にあたり、ご助言・ご協力いただいた救急隊員・救急救命士の方々、新生児蘇生法事務局(栗田真貴女史、飯島和子女史、矢野裕子女史、篠塚千夏女史、木村優子女史)および短期間で本テキストの出版を実現してくださったメディカ出版に深謝いたします。


2020年1月16日

日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法委員会 委員長
国際蘇生連絡委員会Neonatal Life Support Task Force
日本蘇生協議会 理事
細野茂春

目次

・序

・監修・執筆者一覧

・受講者のみなさまへ

・動画の視聴方法

【第1章 病院前新生児蘇生法普及プロジェクト】

〔1〕病院前新生児蘇生の必要性

〔2〕新生児蘇生法普及事業における病院前新生児蘇生法講習会の位置付け

〔3〕病院前新生児蘇生法講習会(Pコース)の実際

【第2章 新生児蘇生に必要な基礎知識】

〔1〕よく使用される新生児に関する用語

〔2〕気道系の解剖

〔3〕出生時の呼吸循環生理

〔4〕臍帯結紮と児の循環血液量

〔5〕保温・加湿の重要性

〔6〕新生児の心肺停止

〔7〕新生児の評価

【第3章 アルゴリズム】

◆新生児蘇生法の対象

◆NCPRアルゴリズムの概要

〔STEP1〕出生直後の児の状態評価

〔STEP2〕ルーチンケア

〔STEP3〕蘇生の初期処置

〔STEP4〕蘇生の初期処置の効果の評価と次の処置

〔STEP5〕人工呼吸

〔STEP6〕人工呼吸と胸骨圧迫

〔STEP7〕呼吸障害の安定化

〔STEP8〕蘇生後のケア

◆早産児の蘇生

◆病院前新生児蘇生法アルゴリズムに則った蘇生の例

◆NCPRアルゴリズムと救急隊および救急救命士教育でのアルゴリズムとの違い

【第4章 新生児の救急搬送】

〔1〕出動前の状況評価とチーム、関連機関の事前打ち合わせ(119番通報から傷病者接触まで)

〔2〕現場到着時の状況評価とチーム、関連機関の打ち合わせ

〔3〕搬送中の保温・加湿

〔4〕搬送中の児の状態評価

〔5〕搬送中の処置

【第5章 新生児蘇生法をより活用するために】

〔1〕病院前新生児蘇生におけるチームワーク

〔2〕病院前新生児蘇生法における継続学習と実践トレーニングの必要性

【第6章 講習会講義資料】

【第7章 模擬問題】

【第8章 新生児蘇生法普及事業】

・索 引

・利益相反(COI)リスト

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書籍情報

  • ISBN:9784840471916
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2020年3月
  • 電子版発売日:2020年2月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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