CIRCULATION Up-to-Date Books05 「息切れ」を極める!

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2015年1月
  • 電子版発売日 : 2015年3月13日
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商品情報

内容

心不全の鑑別診断にCOPDの知識は必須!

高齢者が歩けない要因は動くと息があがるから。その「息切れ」は本当に歳のせい?拡張性心不全、COPDが隠れていないだろうか?高齢者の「息切れ」に対して、循環器医が呼吸器の側面からもアプローチして鑑別診断を行うための知識と方法を解説した、循環器内科医必読の一冊!

CIRCULATION Up-to-Date Booksシリーズ

序文

はじめに


高齢化社会となり,「息切れ」を主訴として来院する患者が増えています.

「息切れ」は歳のせいでしょうか? 三重大学医学部附属病院で心不全外来を担当していた際,病診連携でたくさんの「息切れ」患者を紹介していただきました.急性あるいは慢性心不全患者が中心でしたが,ある日,いつものように「息切れ」の高齢女性が来院されました.虚血性心疾患や心不全のスクリーニングを行って収縮能が保たれている慢性心不全と診断し,治療を行っていましたが,どうも「息切れ」が改善しません.基礎疾患は高血圧のみで,喫煙歴もないし,比較的下腿の骨格筋も保たれていました.運動耐容能測定のため,運動負荷心肺機能検査を行った際,患者の呼吸からはっと気づき,呼吸機能検査を施行しました.検査結果は,1 秒率が軽度に低下していました.そのため軽症COPD と診断し,吸入抗コリン薬を追加しました.患者の「息切れ」は改善傾向を認め,その後の歩行練習を中心としたリハビリで「息切れ」はほぼ消失しました.循環器内科医である前に,内科医であらねばならないと痛感しました.

 

クリニックを開院すると,今度は多様な患者が来院するようになりました.そこで気づいたのは,「息切れ」のために運動することをやめてしまった患者が多いという事実です.患者本人は「歳のせい」と思い,残念なことに家族にも,主治医にもそのように思われていました.本来,きちんと原疾患の治療をすれば歩けるようになるのに,見過ごされて放置されているうちに歩かなくなり,そして歩けなくなっている患者が多いのです.生活習慣病の運動療法は,歩けるからこそできるもので,歩かないと生命予後も低下します.歩ける状態に患者を維持することが重要です.

 

本書では,「息切れ」の患者を前にした時に考えるためのプロセスについて言及します.特に,その頻度が高い心不全,COPD およびその併存時の対処法について,研修医,一般開業医の先生,内科外来に携わるすべての先生を対象としてお話しします.呼吸器内科の先生にはぜひ心不全の項を,循環器内科の先生にはぜひCOPD の項をご覧いただきたいと切望します.少しでも先生方の外来診療のお役に立てれば幸いです.


平成26年11月

大西内科ハートクリニック院長
三重大学大学院医学系研究科循環器腎臓内科客員准教授
大西勝也

目次

【第1章 息切れをみる】

(1)なぜ「息切れ」が問題なのでしょう?

〔Step up〕「息切れ」のメカニズム

(2)「息切れ」患者の診察

【第2章 COPDをみる】

(1)一般外来にCOPD患者はいますか?

(2)COPDの定義は?

(3)COPDの臨床症状

(4)健常者の呼吸

(5)COPDの病態生理

(6)COPD患者はなぜ循環器内科に来るのか?

(7)COPDの身体所見

(8)COPDの診断

〔Step up〕 呼吸機能検査

(9)「息切れ」の原因としてのCOPD

(10)COPDの生活指導

(11)COPDの薬物療法

(12)COPDの合併症・併存症

〔Step up〕 喘息,COPD,オーバーラップ症候群のstepwise approach

(13)診断的治療

(14)COPDの予後

【第3章 心不全をみる】

(1)心不全患者の「息切れ」のメカニズム

(2)拡張性心不全とはそもそも何でしょう?

(3)左室拡張能とは何でしょう?

〔Step up〕 左室拡張能およびその検査法

(4)拡張性心不全の定義

(5)左室駆出率の意義

(6)拡張性心不全の患者背景

(7)拡張性心不全の臨床所見

(8)拡張性心不全の分類

(9)拡張性心不全の急性期の病態生理

(10)拡張性心不全の慢性期の病態生理

(11)拡張性心不全の検査所見

〔Step up〕 拡張性心不全におけるBNPの意義

(12)拡張性心不全の急性期治療

(13)拡張性心不全の慢性期治療

【第4章 心不全とCOPDの鑑別】

(1)COPDと拡張性心不全を鑑別するためのヒント

(2)COPDと拡張性心不全の鑑別法

(3)COPDと心不全の併存

(4)COPDと心不全併存例では何が問題になるのか?

(5)COPDと心不全を併存している時の治療指針

(6)COPD治療は心不全に悪影響を及ぼさないか?

(7)心不全治療はCOPDに悪影響を及ぼさないか?

(8)COPDと心不全が併存している時の治療のコツ


・おわりに

・索引

・著者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840453134
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2015年1月
  • 電子版発売日:2015年3月13日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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