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看護師・管理栄養士・患者さんのためのQ&Aでわかる 尿路結石患者の食事指導

  • ページ数 : 146頁
  • 書籍発行日 : 2005年1月
  • 電子版発売日 : 2014年9月26日
¥1,980(税込)
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商品情報

内容

電子版オリジナルの新章も追加収載!

水分摂取、栄養素別の指導、指導後のフォローなどを紹介しており、どう指導するべきか、質問にどう答えればよいかがわかる!
やさしい文章と豊富なイラストで説明しており、患者にもおすすめできる一冊。

序文

はしがき

飽食の時代の今日,尿路結石症(尿の通り道に石ができる病気をいいます)の発生率は急増し,日本人男性の約10人に1人が一生涯に一度は罹患するといわれています.この尿路結石症の多くが食生活や生活習慣に原因があることが明らかになりつつあり,糖尿病や高血圧と同じような生活習慣病に位置付けられようとしています.

著者は四半世紀にわたって尿路結石症と食生活の関係を研究してきました.その結果,尿路結石症に罹患する患者さんの多くが,食生活の改善で再発が予防できることが明らかになりました.今まで,学会や講演会などで「尿路結石症の再発予防のための食事指導」について幾度となくお話をしてきましたが,講演後に看護師さんや栄養士さんから質問される内容は,具体的な食事指導に関するものがほとんどでした.患者さんは尋ねやすい看護師さんや栄養士さんに「主治医は"予防のために水分をたくさん摂れ"というけれど,どんな水分をどのくらいの量摂ればよいのですか?」と質問します.しかし看護師さんや栄養士さんは,その質問に対して回答できる資料を持っていないのが現状です.

現在の医療現場では「根拠に基づいた医療( evidence based medicine;EBM)」が求められています.食事指導もできる限りEBMに則ったものでありたいと思います.2002年末に日本泌尿器科学会,日本EE学会,日本尿路結石症学会の3学会が協力して『尿路結石症診療ガイドライン』を発行しました.著者はガイドライン作成委員として尿路結石症の再発予防(とくに食事指導)を担当しましたが,その際収集した内外の文献を参考にして,具体的な食事指導,食生活指導について『ウロ・ナーシング』で連載し,それをまとめたのが本書です.

本書は日常臨床で直接患者さんと話す機会の多い看護師さんや栄養士さんを対象としました.内容について詳細を知りたい方のために文献も豊富に挿入しました.しかしQ & Aの内容は決して難解なものではなく,尿路結石症に苦しむ患者さんに読んでいただいても十分に理解できると思います.またこれから臨床の現場で働く若き研修医諸氏に,「この程度の再発予防法は理解しておいて欲しい」という願いも込めて作成しました.

この本が上梓されるころには,新しいEBMが次々と出現していることと思いますが,本書が尿路結石症の再発予防のお役に立ち,さらには新たな結石発生の予防につながることができれば,著者として望外の喜びです.

2004年初冬

市立貝塚病院副院長

井口 正典

目次

■第Ⅰ部 食事指導 Q&A

●第1章 尿路結石症の再発を防ぐには食事指導が必要なの?

Q1 なぜ尿路結石の再発を予防しなければならないのですか?

Q2 尿路結石の予防になぜ食事指導が重要なのですか?

Q3 食事指導の効果はどのくらいあるのですか?

Q4 食事指導の効果はいつまで持続するのですか?

Q5 どのような患者さんが食事指導の適応になるのですか?

●第2章 食事指導でもっとも重要な水分摂取

Q6 なぜ水分の多量摂取が必要なのですか?

Q7 水分摂取の重要さを理解してもらうためにはどのように説明したらよいでしょうか?

Q8 どんな水分をどのくらい摂取すればよいのですか?

Q9 井戸水は大丈夫ですか?

Q10 アルコールの飲みすぎはよくないのですか?

Q11 発泡酒はビールと比べてどうですか?

Q12 清涼飲料水の飲みすぎはよくないのですか?

Q13 ミネラルウォーターの飲みすぎはよくないのですか?

Q14 コーヒーの飲みすぎはよくないのですか?

Q15 紅茶の飲みすぎはよくないのですか?

Q16 ワインの飲みすぎはよくないのですか?

Q17 ウーロン茶の飲みすぎはよくないのですか?

Q18 フルーツジュースの飲みすぎはよくないのですか?

●第3章 栄養素別にみた食事指導

1 カルシウム

Q19 食事指導をする際のカルシウム摂取量の目安はどれぐらいですか?

Q20 結石患者さんのカルシウム摂取量は多いのですか? 少ないのですか?

Q21結石患者さんで尿中カルシウム排泄量が増える理由は何ですか?

Q22 結石患者さんにはカルシウム摂取量を減らす指導をしたほうがよいと聞きましたが本当ですか?

Q23 最近,再発予防のためにカルシウムを多量に食べるよう指導するのがよいと聞きましたが本当ですか?

Q24 カルシウム摂取というと骨粗鬆症を思い浮かべますが,結石患者さんと関係ありますか?

2 タンパク質,脂肪

Q25 結石患者さんのタンパク質摂取量は多いのですか? 少ないのですか?

Q26 なぜタンパク質を食べすぎるとよくないのですか?

Q27 動物性タンパク質を食べすぎないほうがよいことはわかりましたが,魚はどうですか?

Q28 「結石患者さんは菜食主義者になるべき」という論文があると聞きましたが?

Q29 お金持ちに結石患者さんが多いと聞きましたが本当ですか?

Q30 タンパク質摂取量の目安を教えてください.

Q31 結石患者さんの脂肪摂取量は多いのですか? 少ないのですか?

Q32 脂肪の摂りすぎはよくないのですか?

Q33 脂肪摂取量の目安を教えてください.

3 シュウ酸,塩分

Q34 尿中シュウ酸排泄量は食事の影響をあまり受けないと聞きましたが?

Q35 シュウ酸を多く含む食品にはどんなものがありますか?

Q36 ホウレンソウの"おひたし"にチリメンジャコをふりかけて食べることは,結石の発生にとってもっとも危険だと思うのですが?

Q37 サラダ・ホウレンソウなら問題ないですか?

Q38 シュウ酸を多く含む食品を食べる際の注意点を教えてください.

Q39 シュウ酸は腸のなかでどのようになるのですか?

Q40 腸のなかにはシュウ酸を分解する菌がいると聞きましたが本当ですか?

Q41 なぜ塩分の摂りすぎが結石形成のリスクファクターになるのですか?

Q42 塩分はどのくらい制限するのがよいのですか?

4 穀物,野菜,リン

Q43 炭水化物の食べすぎはリスクファクターになるのですか?

Q44 食物繊維の効果について教えてください.

Q45 なぜ砂糖の摂りすぎが結石形成のリスクファクターになるのですか?

Q46 野菜や果物に多く含まれるクエン酸について教えてください.

Q47 Subclinical metabolic acidosisって何ですか?

Q48 野菜はたくさん摂取したほうがよいのですか?

Q49 リンについて教えてください.

Q50 ファーストフードの食べすぎはよくないのですか?

Q51 「オカアサンヤスメ ハハキトク」って何ですか?

●第4章 食生活のバランスと尿酸結石

Q52 なぜ朝食・昼食・夕食のバランスが大切なのですか?

Q53 「結石は夜作られる」ってどういう意味ですか?

Q54 遅い夕食はなぜいけないのですか?

Q55 尿酸結石について教えてください.

Q56 尿酸結石と痛風の関係について教えてください.

Q57 血清尿酸値が正常の患者さんには尿酸結石はできないと考えていいのでしょうか?

Q58 プリン体って何ですか?

Q59 尿酸結石の食事指導のポイントは何ですか?

●第5章 食事指導の実際

Q60 尿路結石症と生活習慣病の予防には共通点が多いのですか?

Q61 食事指導に必要な摂取量などの目安を教えてください.

Q62 バランスのとれた食事をさせるために,どのように指導すればよいですか?

Q63 食事指導の対象となる患者さんはどのような人たちですか?

Q64 食事指導を行う時期はいつごろですか?

Q65 尿化学(24時間蓄尿)検査で異常がみられないときにはどのように指導するのですか?

Q66 先生は具体的にどのように食事指導をされているのですか?

Q67 食生活調査はどのように行うのですか?

Q68 結石検査食って何ですか?

Q69 結石検査食はどのように注文すればよいのですか?

Q70 結石検査食を行うメリットは何ですか?

●第6章 食事指導後のフォロー

Q71 食事指導後の通院期間はどれぐらいの間隔がよいですか?

Q72 Stone clinic effectって何ですか?

Q73 来院時に食事指導が守られているかをどのように調べるのですか?

Q74 食事指導後の尿化学(24時間蓄尿)検査はいつぐらいに行えばよいのですか?

Q75 食事指導は何回も行うのですか?

Q76 文献的な食事指導の再発予防効果について教えてください.

Q77 食事指導をすれば二度と結石はできなくなるのですか?

Q78 食事指導が効果のない結石患者さんというのはどんな人ですか?

●第7章 食事指導と薬物療法

Q79 再発予防薬について教えてください.

Q80 サイアザイド系薬剤は,どうして尿路結石の再発予防に効果があるのですか?

Q81 どのような患者さんに再発予防のための薬物療法が必要なのですか?

Q82 どのくらいの期間,再発予防薬の服用を続ければよいのですか?

Q83 薬物療法で結石を溶かすことができるのですか?

Q84 薬物療法を行っていても食事療法は必要ですか?

■第Ⅱ部 尿路結石症の基礎知識

●第8章 尿路結石症をもっと理解するために

1 上部尿路結石と下部尿路結石

2 性差と好発年齢

3 上部尿路結石の発生原因

4 日本人の栄養素摂取量と尿路結石有病率の変遷

5 戦後,なぜ日本人に尿路結石が急増したのか

6 尿路結石患者さんの栄養素摂取量

7 食事指導の前に行う問診

8 カルシウム含有結石

9 結石分析はなぜ必要か?

10 結石成分がわからないときには?

11 結石を採取するのによい方法は?

12 原発性上皮小体(副甲状腺)機能亢進症

13 腎尿細管性酸血症(renal tubular acidosis;RTA)

14 高カルシウム尿症の定義

15 尿中シュウ酸排泄量測定の意義

16 高シュウ酸尿症の病態

17 食事指導の際に参考にする検査データ

18 尿化学(24時間蓄尿)検査を行う対象患者さんは?

19 尿化学(24時間蓄尿)検査を行う時期

20 蓄尿方法と蓄尿時の注意点

●第9章 2005年全国疫学調査からわかったこと

1 尿路結石症全国疫学調査とは

2 年間罹患率,生涯罹患率

3 年齢別年間罹患率

4 個人調査からわかった結石患者の特徴

5 まとめ

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書籍情報

  • ISBN:9784840411998
  • ページ数:146頁
  • 書籍発行日:2005年1月
  • 電子版発売日:2014年9月26日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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