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解剖・動作・エコーで導く Fasciaリリースの基本と臨床

木村 裕明 (編集主幹) / 高木 恒太朗, 並木 宏文, 小林 只 (編集)

株式会社 文光堂

182 頁  (2017年3月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

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リリース日: 2019年10月11日

運動器の痛み治療の革命!イラストと動画でわかるFasciaリリース!

近年,様々な疼痛性疾患の治療法として,エコーガイド下生理食塩水注射によるFasciaリリースが注目されている.Fasciaとは筋膜,靱帯,支帯,腱膜,関節包,傍神経鞘などの線維性結合組織を包括する概念である.本書では,Fasciaの解剖学・生理学の知識,異常なFasciaを適切に評価するための動作分析・触診・エコー技術の基礎,エコーガイド下生理食塩水注射を中心としたFasciaリリースの手技を,豊富な図とWEB動画を用いて解説する.

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近年,様々な疼痛性疾患の治療法として,エコーガイド下生理食塩水注射によるFasciaリリースが注目されている.Fasciaとは筋膜,靱帯,支帯,腱膜,関節包,傍神経鞘などの線維性結合組織を包括する概念である.本書では,Fasciaの解剖学・生理学の知識,異常なFasciaを適切に評価するための動作分析・触診・エコー技術の基礎,エコーガイド下生理食塩水注射を中心としたFasciaリリースの手技を,豊富な図とWEB動画を用いて解説する.


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生理食塩水注射による「エコーガイド下fasciaリリース」という治療手技は,近年加速度的に普及しつつあります.この要因は,MPS研究会会員による普及活動をはじめ,『超音波でわかる運動器疾患(メジカルビュー社,2010年)』の著者である皆川洋至先生(城東整形外科)や,『THE 整形内科(南山堂,2016年)』の代表編者である白石吉彦先生(隠岐島前病院)らが全国各地での学会や講習会で本手技を紹介したことによります.また,TV番組『ためしてガッテン(NHK,2015年9月)』や『総合診療医ドクターG(NHK,2016年1月)』でも紹介され,大きな反響がありました.さらに,雑誌『臨床スポーツ医学(文光堂,2016年)』で本手技を紹介したところ大変な好評を博し,全国の医師から詳しく学びたいという要望が数多く寄せられました.そこで,「fasciaリリースの入門書」にあたる書を刊行する運びになりました.本書は,「Fasciaの評価と治療」シリーズの第一弾として,具体的な手技の詳細を学習できるように豊富な動画とオリジナルのイラストを多数掲載しました.シリーズの続巻として,要望の多い肩関節周囲炎の治療についての書籍の執筆も進めております.

fasciaは,これまで西洋医学ではほとんど注目されていませんでした.しかし,運動器の痛みにとどまらず内科・婦人科・耳鼻咽喉科・眼科などあらゆる分野で原因不明とされてきた病態が,このfasciaの異常によって引き起こされている可能性が示唆されており,国内外で注目を集めています.

fasciaリリースは,従来のトリガーポイント注射のように単に圧痛のある部位に注射を行う手技ではありません.本手技を正確に行うためには,fasciaの基本的な理解,超音波診断装置による痛みの発生源(発痛源:source of pain)の詳細な解剖学的評価と,その部位への正確な治療技術が必要となります.近年の技術進化によって,エコーはMRIやCTよりも空間分解能と時間分解能に優れ,ドプラ法によって血流反応も可視化できるようになりました.その結果,"その場"での軟部組織の触診・動作・病変の評価および安全かつ正確なエコーガイド下interventionを可能にし,運動器診療の必需品となりました.

本書の執筆・編集は文字通り日夜行われましたが,MPS研究会のメンバーを中心とした編者らの「fasciaリリースという新しい治療法を世に問う」という熱い意気込みがなくては,出版を成し遂げることはできませんでした.羽生総合病院の高木恒太朗先生は,多くのオリジナルの図やカバーのデザイン作成,治療手技の解説執筆を手がけました.与那国町診療所の並木宏文先生は,総合診療医として治療にfasciaリリースを活用しながらも,地域の現場への適応と限界を冷静に考察し,執筆・編集の進捗管理をサポートしました.弘前大学医学部附属病院総合診療部の小林 只先生は,本書の理論的な大黒柱です.fasciaの機能解剖と従来の運動器学の適切な融合を目指した慎重な表現構築に注力しました.また,小林先生は私のクリニックで実施したfasciaリリースの基礎となる重要な研究を発表されました(Kobayashi T, et al:J Juzen Med Soc, 2016).また,NPO法人名古屋整形外科地域医療連携支援センターの銭田良博先生は,動作分析・可動域評価の動画撮影と鍼灸師・理学療法士のダブルライセンスの視点からの執筆・助言を頂きました.一般社団法人超音波鍼灸協会の吉村亮次先生は,多職種連携を目指し標準的かつ安全な鍼治療を目指したエコー活用に関する最新知見を執筆頂きました.しおがま鍼灸治療室の鳥居 諭先生は,見逃しがちな姿勢評価からの発痛源と悪化因子の検索に関する多くの助言を頂きました.

最後に,勤務時間外に写真撮影などを手伝ってくださった当院看護師長の大谷桂子様,私の執筆の補佐をして頂いたトリガーポイント治療院の黒沢理人先生,本書の発刊までいろいろ助言をくださった文光堂の増谷亮太様をはじめ,すべての関係者の方々に心より御礼申し上げます.

この治療法の劇的な効果を目の当たりにすることは,医療者にとっても喜びです.痛み治療の世界に新しい一筋の光が差してきたように思います.これまで西洋医学ではほとんど注目されてこなかったfasciaに起因する病態の解明とその治療法の進歩は,従来の西洋医学と東洋医学との架け橋となるでしょう.そして,解剖・動作分析・エコーという共通の知識・技術に基づいて行われる多職種による治療が,fasciaへの理解がなかったがゆえに困っていた多くの患者への福音となることを希望します.


2017年2月

編者を代表して
木村ペインクリニック
木村裕明


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1 エコーガイド下fasciaリリースとは

① エコーガイド下fasciaリリースの技術開発の経緯

② 慢性疼痛とエコーガイド下fasciaリリース

Column fascia異常による神経障害様症状の整理

Column 冷え感覚

2 fasciaリリース治療概論

① さまざまなfasciaリリースの方法とその組み合わせ方

Column 針・鍼の先端の形状と組織侵襲性

Column 鍼は本当に神経や血管を避けるのか?

② 注射手技と効果判定の全体像

③ 注射の治療効果判定

3 治療部位検索

① fasciaリリースのための診察の流れ

Column fascia治療に関する適切な用語は?

② 触診─触診方法のコツ

Column 医師が鍼を使う意義

③ 触診─触診の学習方法

Column エコーガイド下触診による考察

④ 動作分析と可動域評価

Column pROMの全身評価の方法:real anatomy train

⑤ fascia治療におけるエコーの活用法

Column エコー技術の発展とfasciaの病態解明

4 fasciaリリースの方法(注射)

① 穿刺に用いる注射針とシリンジ,薬液

Column fasciaリリースとステロイドの適応

② 安全で確実に注射するために

5 fasciaリリースの実践(注射)

① fasciaリリースの学習法

② fasciaリリースの治療例から学ぶ

1.症例1 整形外科医の腰痛

2.症例2 若年女性の上肢痛の原因は「顎関節」

③fasciaリリースの種類

Column 血管周囲のリリース

④fasciaリリースに伴う合併症

⑤安全確実なfasciaリリースのために─気胸を克服する

⑥fasciaリリース注射の難易度

A 頸部

①頭半棘筋/大後頭神経/下頭斜筋(ランクA)

②中斜角筋/後斜角筋/第1 肋骨(ランクC)

③胸鎖乳突筋裏(C2〜3レベル)(ランクB)

④C8神経根周囲のfascia(ランクC)

B 肩関節

① 肩峰下滑液包と三角筋下滑液包(ランクA)

② 烏口上腕靱帯(ランクA)

C 上肢帯

① 僧帽筋/棘上筋(ランクA)

② 棘下筋(横走線維/斜走線維)(ランクA)

③ 腋窩動脈周囲のfascia(腋窩鞘)(ランクC)

D 上肢

①橈骨神経周囲のfascia(上腕遠位部)(ランクB)

②尺骨神経周囲のfascia(Struthers 腱弓)(ランクB)

③オズボーンバンド(ランクB)

④長短橈側手根伸筋・総指伸筋/回外筋(ランクA)

⑤手関節部の伸筋支帯(ランクB)

⑥手関節部の屈筋支帯(ランクB)

E 体幹

① 胸腰筋膜(ランクA)

② 腰部多裂筋(ランクA)

③ 腰椎横突起腹側(腰方形筋付着部)(ランクA)

④ 腰椎椎間関節包(ランクB)

F 下肢帯

① 中殿筋/小殿筋/腸骨(ランクA)および中殿筋/小殿筋/股関節包(ランクA)

1.中殿筋/小殿筋/腸骨

2.中殿筋/小殿筋/股関節包

② 梨状筋(ランクB)

③ S1後仙骨孔(ランクC)

G 下肢

① 鵞足/内側側副靱帯(ランクA)

② 伏在神経周囲のfascia(膝関節周囲)(ランクB)

③ 半腱様筋/半膜様筋(ランクA)

④ 膝窩動脈周囲のfascia(ランクC)

⑤ 総腓骨神経周囲のfascia(ランクB)

⑥ 足関節部の上伸筋支帯(ランクB)

初学者のためのQ&A集

索引

特記事項

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