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腫瘍病理鑑別診断アトラス 頭頸部腫瘍I

森永 正二郎, 高田 隆, 長尾 俊孝 (編)

株式会社 文光堂

258 頁  (2015年4月)

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リリース日: 2019年02月06日

唾液腺腫瘍の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス!

頭頸部の腫瘍は,臨床的には,呼吸や食物摂取といった生命維持に欠かせない領域で,周辺に多数の重要な感覚器や神経が張り巡らされており,また人目に付く部位でもあるため,患者のQOLをも考慮した治療が求められる.病理学的には,まれであること,多彩な組織像や生物学的態度を示すことで,診断に戸惑うことが少なくない.本書は本邦初の頭頸部腫瘍の病理をまとめた教科書で2分冊の1冊目として唾液腺腫瘍を扱う.


>『腫瘍病理鑑別診断アトラス』シリーズ

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頭頸部の腫瘍は,臨床的には,呼吸や食物摂取といった生命維持に欠かせない領域で,周辺に多数の重要な感覚器や神経が張り巡らされており,また人目に付く部位でもあるため,患者のQOLをも考慮した治療が求められる.病理学的には,まれであること,多彩な組織像や生物学的態度を示すことで,診断に戸惑うことが少なくない.本書は本邦初の頭頸部腫瘍の病理をまとめた教科書で2分冊の1冊目として唾液腺腫瘍を扱う.


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頭頸部とは顔面から頸部にかけての領域を指し,外科病理学的には上気道(鼻腔,副鼻腔,喉頭),上部消化器(口唇,口腔,歯,咽頭,唾液腺),耳などの諸臓器と,同部の骨軟部組織を取扱い,一般的に脳・脊髄,眼窩・眼球,皮膚,甲状腺などは含めない.頭頸部の腫瘍は,ヒトの腫瘍全体からみれば発生頻度は低いが,臨床的には,呼吸や食物摂取といった生命維持に欠かせない領域であること,周辺に多数の重要な感覚器や神経が張り巡らされており,また人目に付く部位でもあることから,これらの機能温存や美容上の問題といった患者のQOLをも考慮した治療が求められる.一方,病理学的には,まれであることに加え,発生母組織の多様性から多彩な組織像や生物学的態度を示すため,病理診断に際しては戸惑うことが少なくないものとなっている.さらに上記の臨床的な観点からも,より正確な病理診断が要求される.

欧米には"Head and Neck Pathology"と題する教科書が数種類発刊されており,AFIPのアトラスにも"Tumors of the Upper Aerodigestive Tract and Ear"などが存在するが,本邦には,口腔病理学の教科書,あるいは唾液腺腫瘍,歯原性腫瘍に関する教科書や雑誌の特集号は存在するものの,頭頸部腫瘍の病理をまとめた教科書,特に,上気道の腫瘍を含めて詳述した教科書は見当たらない.頭頸部癌取扱い規約(第5版,2012)では,扁平上皮系の癌のみが取り上げられており,その他の組織型については割愛されている.そこで,今回,WHO分類(Pathology and Genetics of Head and Neck Tumours, 2005)に準拠した頭頸部腫瘍の病理鑑別診断アトラスの作成を企画した.

WHO分類では,頭頸部腫瘍は,①鼻腔・副鼻腔,②鼻咽頭,③下咽頭・喉頭・気管,④口腔・口腔咽頭,⑤唾液腺,⑥歯原性組織,⑦耳,⑧傍神経節系の8つの領域に発生する腫瘍に分けられており,それぞれに独立した組織分類が記載されている.しかし,①~④に関しては病理組織学的共通点が多いことから,ここではこれらを一括し,上皮性腫瘍,軟部腫瘍,骨・軟骨腫瘍,血液リンパ系腫瘍,神経外胚葉腫瘍,および胚細胞腫瘍について記載することにした.そして,上皮性腫瘍の中では,部位による特殊性を配慮し,扁平上皮系腫瘍とその前癌病変,腺癌や唾液腺型腫瘍なども取り上げた.上記の⑦と⑧はここでは割愛した.それでも1冊にまとめるには分量が多いため,頭頸部腫瘍I.唾液腺腫瘍と,頭頸部腫瘍II.上気道・咽頭・口腔腫瘍と歯原性腫瘍の2分冊とすることにした.本編は「Ⅰ.唾液腺腫瘍」を取り扱ったものである.

編集にあたっては,頻度の高いものに重点を置きつつも,まれではあっても特徴的な疾患,鑑別上重要と考えられる疾患についてもできるだけ多く取り上げることにした.この教科書が診断に携わる病理医・口腔病理医にとって頼り甲斐のある道標となること,また難しい治療を迫られている耳鼻科,歯科,口腔外科,頭頸部外科などの臨床医にとっても参考となることを期待している.


平成27年4月

森永 正二郎
高田 隆
長尾 俊孝


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第1部検鏡前の確認事項

I.唾液腺の解剖学・組織学・発生学

1.唾液腺の解剖学

2.唾液腺の組織学

3.唾液腺の発生学

II.唾液腺腫瘍の病理組織分類

1.唾液腺腫瘍の組織分類の現状

2.唾液腺腫瘍の組織分類の今後

3.臨床的および病理組織学的側面からみた唾液腺腫瘍の組織分類

III.病理標本の取扱い方

1.検体の取扱い

第2部組織型と診断の実際

1.悪性腫瘍

(1)腺房細胞癌

(2)粘表皮癌

(3)腺様囊胞癌

(4)多型低悪性度腺癌

(5)上皮筋上皮癌

(6)明細胞癌NOS

(7)基底細胞腺癌

(8)脂腺癌・脂腺リンパ腺癌

(9)囊胞腺癌

(10)低悪性度篩状囊胞腺癌

(11)粘液腺癌

(12)オンコサイト癌

(13)唾液腺導管癌

(14)乳腺相似分泌癌

(15)腺癌NOS

(16)筋上皮癌

(17)多形腺腫由来癌

(18)癌肉腫

(19)転移性多形腺腫

(20)扁平上皮癌

(21)小細胞癌

(22)大細胞癌

(23)リンパ上皮癌

(24)唾液腺芽腫

2.良性腫瘍

(1)多形腺腫

(2)筋上皮腫

(3)基底細胞腺腫

(4)ワルチン腫瘍

(5)オンコサイトーマ

(6)細管状腺腫

(7)脂腺腺腫

(8)リンパ腺腫(脂腺型,非脂腺型)

(9)導管乳頭腫

(10)囊胞腺腫

3.腫瘍類似病変

1.IgG4関連唾液腺炎

2.硬化性多囊胞性腺症

3.腺腫様導管過形成増殖

4.腺腫様過形成

5.唾液腺腺症

6.壊死性唾液腺化生

7.囊胞

8.粘液瘤

第3部鑑別ポイント

I.囊胞形成を伴う唾液腺腫瘍の鑑別

1.相互の類似性と鑑別点

II.篩状構造を示す唾液腺腫瘍の鑑別

1.腺様囊胞癌

2.基底細胞腺腫

3.多形腺腫

4.上皮筋上皮癌

5.多型低悪性度腺癌

6.唾液腺導管癌

III.明細胞からなる唾液腺腫瘍の鑑別

1.唾液腺原発性腫瘍

2.唾液腺非原発性腫瘍

IV.唾液腺癌の病理学的悪性度評価

1.粘表皮癌

2.腺様囊胞癌

3.腺癌NOS

4.多形腺腫由来癌

5.高悪性度転化("脱分化")癌と混成癌

V.遺伝子検索による唾液腺腫瘍の鑑別

1.融合遺伝子とは

2.融合遺伝子の特徴

3.融合遺伝子の検出法とその診断応用における問題点

4.組織型ごとの遺伝子異常

第4部臨床との連携

Ⅰ.唾液腺腫瘍の画像診断

1.唾液腺画像診断の概略

2.良性腫瘍

3.悪性腫瘍

4.腫瘍類似疾患

II.唾液腺腫瘍の臨床病期と予後

1.病期分類

2.治療方針の決定および概要

3.予後

III.唾液腺腫瘍の治療

1.良性腫瘍

2.悪性腫瘍

IV.穿刺吸引細胞診の意義

1.有用性

2.精度

3.検体採取,標本作製,染色法

4.診断法(基本的診断アルゴリズム)

5.唾液腺穿刺吸引細胞診の報告様式

6.代表的な唾液腺腫瘍の細胞像と解説

V.術中迅速診断の意義

1.術中迅速診断とは

2.術中迅速診断の施行

3.唾液腺における術中迅速診断

4.穿刺吸引細胞診による診断との比較

5.穿刺吸引細胞診後の術中迅速診断

6.術中細胞診との併用

VI.病理診断報告書の記載

1.臓器名と手術術式

2.肉眼所見

3.組織型の診断

4.TNM分類に関連した項目の記載

5.癌の悪性度分類

6.その他の顕微鏡所見

7.組織型ごとの特殊な予後因子・治療関連因子


索引

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