腫瘍病理鑑別診断アトラス 食道癌

田久保 海誉, 大橋 健一 (編集)

株式会社 文光堂

222 頁  (2012年4月)

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リリース日: 2019年02月08日

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食道癌の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス!

食道癌治療は病理診断に基づいて組み立てられており,正確な進達度,脈管侵襲,浸潤様式,断端等の評価が必要である.本書は,食道腫瘍の病理診断に役立つ情報,現場の疑問に答える解説を豊富な図表とともに提供する.扁平上皮癌,腺癌は勿論,早期扁平上皮癌の生検診断やEMR,ESD法による内視鏡切除材料,手術材料の病理診断についても解説を施すほか,逆流性食道炎の変化,再生異型との鑑別,他臓器癌浸潤との鑑別にも言及する.

>『腫瘍病理鑑別診断アトラス』シリーズ

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食道癌治療は病理診断に基づいて組み立てられており,正確な進達度,脈管侵襲,浸潤様式,断端等の評価が必要である.本書は,食道腫瘍の病理診断に役立つ情報,現場の疑問に答える解説を豊富な図表とともに提供する.扁平上皮癌,腺癌は勿論,早期扁平上皮癌の生検診断やEMR,ESD法による内視鏡切除材料,手術材料の病理診断についても解説を施すほか,逆流性食道炎の変化,再生異型との鑑別,他臓器癌浸潤との鑑別にも言及する.


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日本人に発生する食道腫瘍の組織型頻度としては扁平上皮癌の割合が圧倒的に高いため,他臓器に発生する腫瘍と比べ組織型としては多彩性に欠ける印象がもたれます.一般の病理組織アトラスの食道腫瘍の項目でも,扁平上皮癌,腺癌の解説と稀な若干の組織型の解説にとどまることが多いようです.しかし,日常の病理診断業務においては早期扁平上皮癌の生検診断に難渋することは多く,EMR,ESD法などによる内視鏡切除材料,手術材料の病理診断においてどのように検索を進め,病理所見をどのように評価していけばよいのか困る場合もあると思います.近年の内視鏡技術の進歩,診断精度の向上は著しく,病理医もそれらをよく理解し,臨床医の要求に応えていく必要があります.食道癌治療は病理診断に基づいて組み立てられており,正確な深達度,脈管侵襲,浸潤様式,断端等の評価が必要です.化学療法の進歩も著しく,病理医に対しては正確な治療効果の評価が期待されています.生検診断では新しい概念であるintraepithelial neoplasiaの概念を理解し,再生異型と鑑別する必要があります.また,今後日本人に増加する可能性がある食道胃接合部腺癌の検索・診断の手順,評価の方法を知り,前癌状態と関係するBarrett食道,異型上皮を正しく評価する必要があります.

今回企画された,『腫瘍病理鑑別診断アトラス食道癌』では,食道腫瘍に関して日常の病理診断業務に役立つ情報,現場の疑問に答える解説を豊富な図表とともに提供します.第1部では「検鏡前の確認事項」として,取扱い規約のコンセプト,病理標本の取扱い方,手術標本の取扱い方,食道の解剖学について解説します.第2部は本書のメインですが,「組織型と診断の実際」として,各組織型の病理所見の解説,特に主体を占める扁平上皮癌診断では各評価項目の問題点を解説します.第3部は「鑑別ポイント」として,生検診断での誤診を避けるため,逆流性食道炎の変化,再生異型との鑑別,他臓器癌浸潤との鑑別,鑑別診断における免疫染色の役割について解説します.第4部では「臨床との連携」として,内視鏡診断の進歩,食道癌の治療戦略と病理診断の役割,治療効果の組織学的判定基準,病理報告書の記載について解説します.

本書が日常病理診断業務を行う病理医,実地医療を学ぶ研修医,学生にとって真に役立つことを切に願っています.


平成24年4月

田久保 海誉
大橋 健一


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第1部 検鏡前の確認事項

Ⅰ.取扱い規約組織学的分類とWHO 組織分類

1.取扱い規約分類の変遷

2.WHO Classification of Tumours

3.取扱い規約とWHO 分類との相違

II.病理標本の取扱い方

1.内視鏡的切除標本の取扱い

III.手術標本の取扱い方

1.ヨード(またはルゴール)染色

2.新鮮標本の取扱い

3.固定標本の取扱い

4.写真の保存と管理

IV.食道の解剖学

1.一般的構造,食道胃接合部の構造

2.食道の血管構築─ IPCL を中心に─

第2部 組織型と診断の実際

Ⅰ.良性上皮性腫瘍,腫瘍様病変

1.良性上皮性腫瘍

2.良性上皮性腫瘍様病変

II.異形成病変(上皮内腫瘍性病変)

1.扁平上皮病変

2.Barrett 食道の診断,Barrett 食道にみられる異型上皮

III.扁平上皮癌

1.表在型扁平上皮癌

(1)肉眼分類のポイントと各肉眼型における組織学的特徴

(2)表在癌の深達度評価について

(3)食道表在癌の上皮内進展,側方断端評価について

(4)多発食道癌,"まだら(多発ヨード不染域を有する)食道"について

(5)扁平上皮癌浸潤様式の評価について

2.進行型扁平上皮癌

(1)各肉眼型における組織学的特徴について

(2)進行癌の深達度評価

(3)壁内転移について

(4)脈管侵襲の評価について

(5)扁平上皮癌の悪性度評価

IV.腺癌

1.Barrett 腺癌および食道胃接合部腺癌

2.異所性胃粘膜島,食道腺由来の腺癌

Ⅴ.特殊型

1.類基底細胞癌と腺様囊胞癌

2.癌肉腫

3.腺扁平上皮癌と粘表皮癌

4.内分泌細胞腫瘍(カルチノイド腫瘍・内分泌細胞癌)

VI.非上皮性腫瘍,腫瘍様病変

1.平滑筋腫瘍,GIST,神経性腫瘍,血管腫瘍

2.食道悪性黒色腫と食道メラノサイトーシス

3.その他良性食道腫瘍ないし腫瘍様病変

VII.他臓器癌の食道への浸潤

1.固形癌の転移

2.悪性リンパ腫および白血病

第3部 鑑別ポイント

Ⅰ.逆流性食道炎の病理学的変化

II.炎症に伴う再生異型と上皮内腫瘍の鑑別診断

1.腫瘍・非腫瘍の判定

2.判定の実際

III.治療後の生検標本の鑑別点

1.放射線化学療法による癌細胞の変化

2.放射線化学療法による非腫瘍食道に対する影響

3.術前補助化学療法後の残存癌の分布

第4部 臨床との連携

Ⅰ.内視鏡診断の進歩

1.通常観察,ヨード染色,画像強調法,拡大観察

2.新しい技術について─Endocytoscopy system(in vivo 内視鏡病理診断)の可能性─

II.食道癌の治療戦略と病理診断の役割

1.食道癌治療における病理診断の意義

2.食道癌の生物学的特徴と食道癌手術の特殊性

3.食道癌治療戦略のフローチャートと病理診断の役割

4.食道癌におけるリンパ節転移個数の意義

III.治療効果の組織学的判定基準

1.化学放射線療法効果判定基準の変遷

2.効果判定の実際

3.化学放射線療法効果判定の見直し

IV.病理診断報告書の記載

1.手術検体の病理所見の記載

2.内視鏡的切除検体の病理所見の記載

3.切り出し図

4.生検検体の病理所見の記載


索引

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