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どうする!? 高齢者の内視鏡診療

山本 頼正, 西村 誠 (編)

株式会社 文光堂

172 頁  (2019年5月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

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リリース日: 2019年07月17日

高齢者への内視鏡診療におけるポイントと注意点をコンパクトに!

超高齢社会のわが国では,高齢者に内視鏡を行う機会が増加している.しかし,高齢者は偶発症のリスクが高く,併存疾患を持っていることも多いため,適応判断には十分な検討が必要となる.前処置時・内視鏡手技時にも,より安全に行えるような工夫が求められる.本書は高齢者への内視鏡診療におけるポイントと注意点をコンパクトにまとめた.各論では各部位ごとにQ&A形式で解説されており,実践的な内容が詰まった一冊.

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超高齢社会のわが国では,高齢者に内視鏡を行う機会が増加している.しかし,高齢者は偶発症のリスクが高く,併存疾患を持っていることも多いため,適応判断には十分な検討が必要となる.前処置時・内視鏡手技時にも,より安全に行えるような工夫が求められる.本書は高齢者への内視鏡診療におけるポイントと注意点をコンパクトにまとめた.総説では高齢者内視鏡診療における全体の注意点,各論は各部位ごとにQ&形式で解説されており,実践的な内容が詰まった1冊となっている.


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本書の編集作業を進めているときに,元号が「平成」から「令和」になることが発表された.そのため本書の出版は令和元年となる.改めて思い返すと私は医学生のときに元号が「昭和」から「平成」に変わったため,医師として平成の時代のみ過ごしてきたことになる.

私が卒後2年目のときに,明治25年生まれで105歳の女性患者さんを担当した.当時はまだ明治生まれの患者さんも多く,「明治の女性は我慢強い」などとよくいわれていた.

その患者さんは,自分の父親が立派な武士であったことを私に教えてくれた.歴史でしか知らなかった武士という身分を,現実のものとして認識できたことをその当時とてもうれしく思った.私が担当した患者さんの最高齢者はいまだその方であり,記録は破られていない.しかしながら,その当時100歳以上はもちろんのこと,80歳以上の患者さんも今よりは少なく,ましてその年齢で内視鏡を受ける人は少なかったと思うが,最近では,80歳以上の患者さんが,あたりまえのように内視鏡検査,治療を受けている.

厚生労働省の統計で平成2年と平成29年の平均寿命を比較すると,男性が76.04歳から81.09歳に,女性が82.07歳から87.26歳に,それぞれ約5年延びており,平成29年度は過去最高を更新している.

私が勤務している昭和大学藤が丘病院がある横浜市青葉区は,厚生労働省の平成27年度市区町村別平均寿命において男性は全国1位(83.3歳),女性は9位(88.5歳)であり,日頃の内視鏡検査,治療において高齢患者さんが多いという実感は正しいことを知った.

ちょうどこのようなときに文光堂の担当者から,高齢者に焦点を当てた消化器内視鏡の本の出版について話をいただいた.私は二つ返事でお引き受けし,すぐに共同編集者を東京都健康長寿医療センターの西村誠先生にお願いすることを決めた.西村先生は数ヵ月後からニューヨークのメモリアルスローンケタリングがんセンターに勤務されることが決まっており,その準備で大変多忙であったが,共同編集者を御快諾していただき,本書の企画がスタートした.

西村先生がニューヨークに出発する前に,急いで打ち合わせを行い,高齢者の内視鏡診療において実臨床で直面する課題を中心に項目を挙げ,消化管領域だけでなく,胆膵領域も含めることで,クリニックの先生方だけでなく地域の基幹病院の先生方にも役立つ内容とした.I章は総論であり,内視鏡医として知っておくべき高齢者の基礎知識を学び,II章は各論としてQ&A方式で実臨床においてすぐに役立つ内容を学ぶ構成とした.特にII章は,臨床現場を担う若手医師を中心に執筆をお願いし,実臨床に則した内容になっている.

本書の編集作業において,消化器内視鏡関連の用語には英語の略語が多数使用されているため,本文とは別に略語一覧として記載する方針となった.どの略語を一覧に載せるかについて,西村先生から,日本では一般的に使用されている略語であっても米国ではほとんど通じないものも多くあるとの御意見をいただいた.この点は今後の課題であるが,本書においては消化器内視鏡用語集第4版(日本消化器内視鏡学会用語委員会)に準拠した.

また西村先生の米国における臨床の所感では,日本よりは高齢者は少ない印象とのことで,これは勤務されている施設や医療制度の違いの影響も考えられる.しかし内視鏡診療の発展がめざましい中国における私の経験でも,日本ほど高齢者が内視鏡診療の対象になっていない印象がある.そう考えると,わが国の高齢者に対する消化器内視鏡診療は,海外よりも先んじているのかもしれない.

一方,医療費の観点からは,高齢者における内視鏡診療の費用対効果は考慮されるべきであり,やみくもに内視鏡を行うことも問題である.しかしながら,高齢者において低侵襲で安全に実施できる内視鏡診療の発達は,いかなる年齢の患者に対しても利益になることは間違いないであろう.

令和元年は,団塊世代(昭和22〜24年生まれ)全員が70歳を超える年であり,今後わが国において高齢者に対する内視鏡診療の需要増加が予想される.

本書がそのような令和時代の消化器内視鏡診療を担う医師にとって役立つものとなることを期待している.


令和元年5月

昭和大学藤が丘病院消化器内科
山本 頼正


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I章 内視鏡医が知っておくべき高齢者の基礎知識

1. 高齢者の定義と身体的特徴

2. 高齢者の身体的機能,認知機能の評価法

3. 高齢者の内視鏡診療における消化器疾患の特徴

1)上部

2)下部

3)胆膵

4. 内視鏡診療で使用する薬剤の高齢者における注意点(鎮痙薬,鎮静薬など)

5. 抗血栓薬を服用する高齢者における内視鏡診療の注意点

6. 高齢者に安全な内視鏡検査・治療の工夫(スコープの選択,体位,モニタリングなど,薬剤以外について)

1)上部

2)下部

3)胆膵

7. 内視鏡医が知っておくべき高齢者の予後予測(癌診療を中心に)

II章 高齢者の内視鏡診療Q&

1. 食道

1)症候論

嚥下障害を訴える高齢者ではどんな疾患を考える?

食道の潰瘍性病変を指摘された高齢者では何を考える?

PPIでもすっきりしない逆流症状にはどう対処する?

2)検査

高齢者の食道癌を見逃さないためにはどうするか?

内視鏡所見でアカラシアが疑われた高齢者への次の一手は?

3)治療

内視鏡検診で食道粘膜下腫瘍を指摘された高齢者には治療が必要か?

軽症逆流性食道炎の高齢者の薬物治療の注意点は?

高齢者の重症GERDの治療はどうするか?

広範な表在性食道癌が診断された高齢者の内視鏡治療はどうする?

高齢者では食道癌内視鏡治療後の狭窄予防には何を行う?

高齢者での食道癌性狭窄のステントの適応は?

2. 胃

1)症候論

胃痛を訴える高齢者では,内視鏡はいつ行う?

高齢者のピロリ菌除菌後の逆流性食道炎にはどう対応する?

2)検査

高齢者に胃内視鏡検診はいつまで必要か?

高齢者に多い消化管異物は?

3)治療

ピロリ菌現感染の高齢者には除菌を勧めるか?

高齢者のNSAIDs潰瘍はどう治療する?

高齢者の非ピロリ菌・非NSAIDs潰瘍の特徴は?

早期胃癌が見つかった高齢者で内視鏡切除は行う?

高齢者でESD非治癒切除の場合,追加手術はどうする?

高齢者の癌性幽門狭窄に対するステントの適応は?

高齢者への胃瘻の適応は?

3. 小腸・大腸

1)症候論

高齢者の便秘に対して,どんなときに内視鏡検査を行う?

高齢者の下痢に対して,どんなときに内視鏡検査を行う?

高齢者の血便は,どんなときにすぐに内視鏡検査を行う?

腹部膨満で腸閉塞が疑われる高齢者では,どんなときにすぐに内視鏡検査を行う?

高齢者において狭窄をきたす小腸疾患は?(虚血性小腸炎,小腸潰瘍,腸結核など)

2)検査

高齢者の便潜血陽性での内視鏡検査はどこまで勧めるか?

高齢者での大腸内視鏡前処置の注意点は?

大腸ポリープ切除後のサーベイランスはいつまで行うか?

原因不明の消化管出血への次の一手は?

高齢者の炎症性腸疾患の特徴は?

3)治療

高齢者の大腸ポリープはどのような場合に切除すべきか?

高齢者の大腸ポリープの切除でコールドポリペクトミー/EMRはどのように使い分けるか?

高齢者の大腸腺腫,早期大腸癌の治療でEMR/ESDはどのように使い分けるか?

高齢者の大腸癌性狭窄にステントは必要か?

4. 胆膵

1)症候論

高齢者の胆管炎では,まず何を考えて検査する?

閉塞性黄疸では,まず何を考えて検査する?

高齢者の膵炎の原因として,まず何を考えるか?

2)検査

膵腫瘍を指摘された高齢者への次の一手は?

膵嚢胞を指摘された高齢者への次の一手は?

高齢者の胆管炎では,いつERCPを行うか?

高齢者に対する消化管術後ERCPの注意点は?

3)治療

総胆管結石の治療でEST/EPBDはどのように使い分けるか?

無症候性の総胆管結石には治療が必要か?

胆管癌,膵癌に対するステントの適応は?

高齢者での胆道系ステントの長期フォローはどうするか?

高齢者でEUS下ドレナージが必要なのはどんなときか?

高齢者の膵炎,膵石の内視鏡治療の際の注意点は?


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