CKD患者の薬物治療―最初の一手と次の一手

  • ページ数 : 292頁
  • 書籍発行日 : 2018年1月
  • 電子版発売日 : 2018年12月28日
¥5,280(税込)
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商品情報

内容

CKD患者の薬物治療,一体どこに注意する?処方の悩みは本書で解決!

CKD患者には,病態に応じて用法・用量を調節すべき薬剤が多く,臨床医の悩みのタネとなる.本書では感染症,心血管病,膠原病,骨粗鬆症,認知機能低下など,腎機能低下時に問題となるケースを症例形式で紹介.症例ごとに,①病態と臨床的な特徴,②最初の処方,③効かなかった場合の“次の一手”を解説することで,診断から治癒に至る流れを明示.薬の選び方,腎機能低下時の投与量,投与間隔・期間の調整,副作用まで理解できる.

序文

腎機能の低下した患者に対する薬の使い方については,これまでも多くの書籍が出版されてきました.そしてそのほとんどは薬の用量・用法の調節を中心に記載されており,いわゆる「薬の辞書」といった使われ方が一般的だったと思われます.

しかし日常診療では,薬の用法・用量を調節する前に,まずは患者さんの病態に合わせた初期治療薬を選び,効かなかった場合には次の一手となる薬を選ぶ,あるいは必要に応じて専門医へ紹介する,といった診断から治療,そして治癒に導く一連の流れを理解することが重要となります.

本書では,感染症,心血管病,膠原病,骨粗鬆症,認知機能低下,腎機能低下に伴う合併症など,腎機能低下時に問題となりやすい代表的なcommon disease47項目を取り上げました.それぞれの項目において,はじめに典型的な症例を提示し,そのあとに疾患の病態,臨床的な特徴,初期治療薬,第二治療薬などについて,Q&A形式を用いてわかりやすく解説してあります.本書を読んでいただければ,common diseaseに対する薬の選び方,腎機能低下時における投与量や投与間隔,投与期間の調節法,注意すべき副作用などについて,十分にご理解いただけると思います.さらに,記述内容をわかりやすくするため,冒頭に「エッセンス」を提示するとともに,最後には「上級医や専門医に相談する前に知っておくと評価されるポイント」をあげています.

本書の最大の特徴は,腎機能低下時に薬剤を処方する際にどのような点に気をつけるべきか,症例ベースで解説したガイド本となっていることで,従来の書籍とは異なった形式でまとめられています.研修医や腎臓を専門としない一般内科医だけでなく,開業医の先生方,看護師,薬剤師,管理栄養士,理学療法士などコメディカルの皆様にもわかりやすい内容に仕上がっています.是非とも本書を活用いただき,明日からの診療にお役立ていただければ幸甚です.

最後に,日頃の診療・研究・教育で大変にお忙しい中,快く執筆にご協力いただいた皆様に,この場を借りて深く御礼申し上げます.本当にありがとうございました.


2018年1月

浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部
加藤 明彦

目次

I 感染症の薬物治療

1.胸部CTで急性肺炎と判明.抗菌薬の選択と投与法は?

2.MRSA感染症と判明.薬物療法の適応,抗菌薬の選択,投与法は?

3.肺結核の再燃あり.抗結核薬の適応と薬剤選択,投与法は?

4.非結核性抗酸菌症と診断.薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

5.真菌感染症あり.抗真菌薬の適応と薬剤選択,投与法は?

6.HIV感染症が判明.抗HIV薬の適応,薬剤選択および投与法は?

7.インフルエンザと迅速診断.抗ウイルス薬の適応と薬剤選択,投与法は?

8.帯状疱疹を発症.抗ウイルス薬の選択,投与法およびその後の神経痛に対する対応は?

9.顕微鏡的多発血管炎で治療中.日和見感染(サイトメガロウイルス,ニューモシスチス・イロベチイ)の予防法と発症した際の治療法は?

10.ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性.薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

11.B型慢性肝炎あり.抗ウイルス薬の適応と選択,投与法は?

12.C型慢性肝炎あり.抗ウイルス薬の適応と選択,投与法は?

13.偽膜性腸炎と判明.初期対応と抗菌薬の選択,投与法は?

II 心血管病の薬物治療

1.急性脳梗塞を発症.薬剤選択と投与法は?

2.脳卒中後にリハビリ病院へ転院.転院先に依頼する再発予防薬の選択と投与法,施設間の連携は?

3.CAGで虚血性心疾患あり.薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

4.心電図で不整脈あり.抗不整脈薬の適応,薬剤選択と投与法は?

5.慢性心不全あり.薬物療法の適応,薬剤選択と投与法は?

6.PCIを施行.再発予防のための薬剤と投与法は?

7.末梢動脈疾患と診断.薬物療法の適応と薬剤選択,治療法は?

III その他の疾患の薬物治療

1.関節リウマチで治療中.今後の薬剤選択と投与法は?

2.SLEの再燃あり.ステロイド投与法および免疫抑制薬の選択と投与法は?

3.消炎鎮痛薬を使いたいとの訴えあり.薬剤選択と投与法は?

4.骨塩量の低下あり.薬物療法の適応,薬剤選択および投与法は?

5.逆流性食道炎と診断.薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

6.便秘のコントロールが難しい.原因は?薬剤選択と投与法は?

7.もしかして抑うつ症状?診断法と初期対応,薬物療法の適応,薬剤の選択,投与法は?

8.認知機能低下の原因はAlzheimer病?診断法,薬物療法の適応と薬剤選択,投与法,臨床効果は?

9.なかなか眠れない.薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

10.Lewy小体型認知症とは?診断法と薬剤選択および投与法,臨床効果は?

11.全身が痒い.薬物療法の適応と薬剤選択,治療法は?

12.むずむず脚症候群?診断法と薬物療法の適応,薬剤選択および投与法は?

IV 合併症に対する薬物治療

1.なかなか高血糖が改善しない.次の糖尿病治療薬はどうする?

2.最近,低血糖症状が増えてきた.対策はどうする?

3.ネフローゼによって浮腫が出現.利尿薬の使い方は?透析を考えるタイミングは?

4.高尿酸血症が持続.薬物療法の適応,薬剤選択,投与法,薬物療法のエビデンスは?

5.脂質異常症が改善しない.薬物療法の適応,薬剤選択,投与法,薬物療法のエビデンスは?

6.多発性囊胞腎で他院から紹介.初期対応,トルバプタンの適応および投与法,期待される臨床効果は?

7.代謝性アシドーシスによる高カリウム血症とは?判明した場合の対応は?

8.貧血を認める.腎性貧血と診断するには?薬物療法の適応と薬剤選択,投与法は?

9.高リン血症を認める.保存期および透析期における薬物療法の適応,薬剤選択,使い方は?

10.二次性副甲状腺機能亢進症を認める.保存期および透析期における薬物療法の適応,薬剤選択,使い方は?

11.妊娠と判明.降圧薬,脂質異常症治療薬の選択,使い方は?

12.CKD患者がフレイル状態のとき,高血圧症および糖尿病に対する薬物治療は?

V 腎機能低下の予防

1.CKD患者に造影剤を投与.造影剤の使い方,腎症の発症予防および腎症に有用な薬剤は?

2.がん患者にシスプラチンを投与.腎症の発症予防,発症後の薬物療法は?

3.高齢者にARB,ACE阻害薬を投与.適応となるCKD症例は?副作用およびその予防法は?エビデンスはどこまである?


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書籍情報

  • ISBN:9784830620430
  • ページ数:292頁
  • 書籍発行日:2018年1月
  • 電子版発売日:2018年12月28日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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