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麻酔への知的アプローチ 第10版

稲田 英一 (著)

株式会社 日本医事新報社

744 頁  (2018年5月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

eBook Price(ダウンロード販売): ¥6,820 (税込) 

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リリース日: 2018年07月20日

麻酔科の魅力をあますところなく伝える一冊

1990年の初版以来読み継がれ、第10版出来!実践的であること、安全を最優先したものであること、できるだけevidenceに基づくこと、そして情熱をもって麻酔を考えること─。初版刊行以来、この著者の姿勢にブレはありません。第10版ではあまり使用されなくなった薬物・機器や器具に関する記載は削除し、新しい薬物や概念について詳細に記述しました。

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●読み継がれて28年、ついに第10版。日本の麻酔科学をリードし続ける著者の、麻酔への情熱が詰まった1冊。

●実践的であること、安全を最優先したものであること、できるだけevidenceに基づくこと、そして情熱をもって麻酔を考えること─。初版刊行以来、この著者の姿勢にブレはありません。

●あまり使用されなくなった薬物、機器や器具に関する記載は削除し、新しい薬物や概念について詳細に記述しました。

●PC、スマホなど機種を選ばず読める便利な電子版付きでますます便利になりました!


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第10版 序文

第9版を上梓してから、あっという間に3年間が過ぎた。その間に、麻酔科学や周術期管理は大きく変化してきた。今回も、かなりの大改訂となった。初期の頃に記載していた薬物や機器も使用されなくなったものが多くある。聴診器の役割などを含め、割愛するに忍びないものも多く割愛した。本書は、麻酔管理や周術期管理について、知識の羅列ではなく、どのように考えるかの道筋を示し、応用が利く知恵にしたいと思い、熱い思いをもって書き始めたものである。もちろん最新の知識やテクノロジーの記載について述べるようにしてきた。

長く信じられてきた古典的な概念も変わってきた。例えば、迅速導入時の輪状軟骨圧迫の意義や、静脈麻酔投与後に換気を確認してから筋弛緩薬を投与することなどがそれにあたる。硬膜外麻酔も、周術期の抗血栓療法の広がりにより使用頻度は低下してきた。一方、超音波ガイド下神経ブロックは、一般的な技術となってきた。古典的な知識だけでなく、数年前に持てはやされたearly goal-directed therapyといった概念も、見直しがされている。これは、学問や医療の進歩として健全なものであると考える。私たち麻酔科医が、考え、常に検証しながら医療をすることの重要性も示している。

比較的最近策定されたガイドラインや、それに類似するものをできるだけ取り入れるようにした。「血液製剤の使用指針」(2017 年)や、「産科危機的出血への対応指針2017」、「Surviving Sepsis Campaign:International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock:2016」や、米国麻酔科学会の「Practice Advisory for the Prevention of Perioperative Peripheral Neuropathies 2018」などがそれにあたる。新しい知識については、参照すべきURLや掲載雑誌などを記載し、読者がより詳細に学べるようにした。

いくつかの新しい事項を挙げておく。患者の安全を守るための感染対策は重要である。注意すべき医療関連感染症についての記載を追加した。また、周術期における気道・呼吸器系の問題についての記載を整理し、酸素投与の功罪についても記載を追加した。術後に起こる問題として、術後遷延性疼痛や高次脳機能障害などについての記載を充実させた。全章にわたって見直しを行い、記述内容を最新のものとするように努め、図表の追加なども行った。

本書も、これまでと同様に、自分自身を発展させるために活用されることを願っている。

最後に、私を含め多くの日本人麻酔科医の育成に深い愛情をもって尽力されたHarvard Medical School Henry Isaiah Dorr Professor RichardJ. Kitz に哀悼の意を捧げる。

2018(平成30)年4月22日


稲田 英一


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1.麻酔科学の発展性

1 麻酔科学のカバーする範囲

2.麻酔は知的ゲーム

1 麻酔は知的ゲーム

2 麻酔の大原則

3 麻酔戦略

3.麻酔計画法

1 目標追求的麻酔管理法

2 麻酔計画法

3 麻酔の基本的要素

4 麻酔管理は全身管理

5 攻めの麻酔と守りの麻酔

4.麻酔科医に必要な資質

1 知識、知恵

2 判断力

3 血圧の調節

4 技 術

5 気 力

6 体 力

5.麻酔科領域特有の疾患対処法

1 糖尿病

2 高血圧

3 まとめ

6.麻酔の安全対策

1 麻酔の危険性

2 麻酔事故の原因

3 より安全な麻酔を行うために

7.周術期における感染対策

1 針刺し事故

2 飛沫感染と飛沫核感染

3 予防的抗菌薬投与

4 侵襲的手技における感染予防

5 感染予防のための一般的注意

6 注意すべき医療関連感染症

7 最後に

8.術前診察と術前投与薬、術前経口摂取

1 麻酔法の選択

2 術前回診の基本方針

3 インタビューの心がけ

4 一般的事柄のチェック

5 現病歴

6 既往歴

7 服薬歴

8 家族歴

9 身体所見

10 一般検査

11 特殊検査

12 患者リスクの層別化

13 前投薬

9.麻酔導入

1 麻酔導入法

2 静脈麻酔薬による急速導入

10.気道確保の基本的ストラテジー

1 気道確保の意義と重要性

2 麻酔導入の第一歩は気道確保

3 人工気道による気道確保

4 気管挿管法

11.気道のトラブル

1 気道確保法の正しい選択

12.筋弛緩薬とその拮抗

1 筋弛緩薬投与の目的

2 筋弛緩薬投与の危険性

3 術野の不動を保つために

4 揮発性麻酔薬

5 区域麻酔

6 筋弛緩薬の作用

7 脱分極性筋弛緩薬

8 非脱分極性筋弛緩薬

9 筋弛緩作用のモニタリング

10 筋弛緩作用からの回復と筋弛緩薬の拮抗

11 非脱分極性筋弛緩薬の投与時に注意すべき疾患や病態

12 最後に

13.全身麻酔の維持と覚醒

1 麻酔維持とは

2 麻酔維持において考えるべきポイント

3 全身麻酔の三要素とバランス麻酔

4 揮発性麻酔薬による麻酔

5 全静脈麻酔の考え方

6 全身麻酔と硬膜外麻酔の併用

7 術後鎮痛に向けての術中管理

8 非脱分極性筋弛緩薬の拮抗

9 抜 管

14.気管挿管と陽圧呼吸の持つ本質的問題

1 上部気道の機能

2 気管チューブの役割

3 気管挿管の合併症

4 陽圧呼吸の循環系への影響

5 人工呼吸器関連肺損傷(VILI)

6 人工呼吸器関連肺炎(VAP)

7 人工呼吸誘発横隔膜機能不全(VIDD)

8 肺保護換気

15.循環モニタリング

1 モニタリングの目的

2 循環モニタリング

3 循環モニタリングの実際

4 低血圧と循環モニタリング

5 一般的循環モニタリング

6 組織酸素化の指標としての循環モニタリング

7 最後に

16.輸液と電解質管理

1 輸液の目的

2 輸液を始める前に

3 維持輸液

4 「サードスペース」は細胞間質ゲル構造の変化

5 輸液剤の分布

6 輸液におけるcontext-sensitivity

7 アミノ酸輸液と体温上昇

8 糖尿病患者の周術期輸液と血糖値管理

9 血糖値に関する問題

10 術後回復能力強化プログラム(ERAS)

17.輸血療法と凝固管理

1 酸素運搬

2 輸血の基本

3 赤血球製剤と赤血球輸血

4 血小板輸血

5 凝固因子の補充

6 輸血の禁忌

7 危機的出血への対応ガイドライン

8 大量輸血に伴う問題

9 自己血輸血のススメと将来

10 抗凝固薬や抗血小板薬の管理

11 抗線溶薬

18.脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔・神経ブロック

1 生理学・薬理学

2 交感神経系ブロック

3 脊髄くも膜下麻酔の適応

4 脊髄くも膜下麻酔の禁忌

5 脊髄くも膜下麻酔の合併症

6 硬膜外麻酔

7 硬膜外腔へのオピオイド投与

8 脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔

9 脊髄幹麻酔の効用

10 脊髄幹麻酔における感染性合併症の予防

11 超音波ガイド下神経ブロック

19.術後鎮痛と鎮静

1 鎮痛療法のもたらすもの

2 術後鎮痛の現状

3 より良い術後鎮痛のために

4 鎮痛療法の基本的考え方

5 硬膜外鎮痛療法

6 患者管理鎮痛法(PCA)

7 安全で効率的な痛みの管理

8 周術期鎮痛のあり方

9 術後鎮静

20.体温管理と悪性高熱症

1 体温調節機構と体温調節反応

2 麻酔中の体温低下の機序

3 麻酔中の体温上昇の機序

4 術中の体温管理

5 低体温の害

6 低体温の効用

7 悪性高熱症(MH)

21.術後早期合併症と術後回復室

1 循環系合併症

2 呼吸器系合併症

3 消化器系合併症

4 ふるえ(シバリング)

5 術後せん妄と術後認知障害

6 病棟帰室の条件

7 まとめ

22.脳神経外科手術の麻酔

1 頭蓋内圧の生理学

2 脳血流量(CBF)

3 頭蓋内圧のコントロールと脳保護

4 頭蓋内圧、脳血流の薬理学

5 脳動脈瘤手術

6 頭部外傷

7 脳腫瘍摘出術

8 経蝶骨洞腫瘍摘出術

9 脳動静脈奇形(AVM)

10 覚醒下開頭手術

23.心臓麻酔と循環管理

1 心臓麻酔のおもしろさ

2 術前評価

3 各疾患の重症度の評価

4 前投薬

5 モニタリング

6 麻酔導入と気管挿管

7 人工心肺前の管理

8 人工心肺中の管理

9 人工心肺からの離脱

10 人工心肺後の管理

11 心臓手術と脳合併症

12 心臓血管手術と腎合併症

13 心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)

14 最小限侵襲直接冠動脈バイパス術(MIDCAB)

15 経カテーテル的大動脈弁植込み術(TAVI)

16 まとめ

24.胸部外科手術の麻酔

1 換気血流比

2 低酸素性肺血管収縮

3 肺手術

4 気管支鏡検査

25.産婦人科麻酔

1 妊娠中の生理的変化

2 子宮胎盤循環

3 薬物の胎盤移行性

4 病的な変化

5 帝王切開の麻酔

6 妊娠高血圧症候群とHELLP症候群

7 分娩時の大出血

8 無痛分娩

9 妊娠中の非産科的手術

10 腹腔鏡下手術

26.小児麻酔

1 呼吸器系の特徴

2 循環系の特徴

3 体液分布の特徴

4 体温調節と体温管理

5 薬理学的特徴

6 術前回診

7 術前指示

8 前投薬

9 麻酔導入

10 気道確保

11 麻酔維持

12 区域麻酔

13 術後鎮痛療法

14 麻酔薬の幼若脳における神経毒性

27.整形外科手術の麻酔

1 整形外科手術の特徴

2 人工股関節全置換術(THA)

3 膝関節全置換術(TKA)

4 脊椎手術

5 肩の手術

6 肺血栓塞栓症(PTE)の予防

28.泌尿器科手術の麻酔

1 前立腺肥大症に対する外科的治療

2 前立腺癌に対する外科的治療

3 膀胱腫瘍に対する外科的治療

4 腎摘除術および腎切除術

5 副腎摘除術

29.耳鼻咽喉科・眼科手術の麻酔

1 鼓室形成術

2 扁桃摘出術およびアデノイド切除術(T&A)

3 ラリンゴマイクロ手術

4 甲状腺切除術

5 気管切開患者の麻酔

6 眼科手術の特徴

30.緊急手術の麻酔

1 緊急手術の特徴

2 術前評価と管理

3 麻酔法の選択

4 患者の搬送

5 主な緊急手術における麻酔のポイント

6 患者を救うのはチームワーク

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