もつれない患者との会話術 第2版

  • ページ数 : 328頁
  • 書籍発行日 : 2018年1月
  • 電子版発売日 : 2018年5月25日
¥3,520(税込)
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商品情報

内容

医療機関のクレーム対応に今日から使えるお役立ちの1冊

させない!つくらない!モンスターペイシェント!診療場面や窓口等々、病院経営においてどこででも起こりうるクレーム……そんなときの患者対応を解説!業務に必要な法的知識を持つことで、気持ちにゆとりが生じ、冷静な対応が可能になります◎

序文

2013年に「もつれない患者との会話術」が,2014年に「Part2」が掲載され,2015年に単行本として発刊されましたが,医療機関に従事する者として,如何に各医療機関がクレーム対応に苦慮しているか改めて窺い知らされました。

昔の古き良き時代を経験した方なら「昔は先輩の経験や知識を教え請うことで,十分に患者対応ができた」と懐かしく思うことでしょう。それが現在では「教え請われた知識だけでは,まったく患者に納得してもらえない」状況となってきています。患者が保険制度や医学に関する知識を容易に入手できる環境となったことで,情報量が以前に比べて飛躍的に増してきたこともあり,診療費についても納得できなければ支払いに応じない方も増えてきています。このような患者に対応するには,職員が業務に関わる必要な知識を身に付けるしかありません。

私自身,窓口で患者に対して法律で対抗せよと論じているわけではありません。不満を申し出る患者と対応する際に,気持ちの余裕の有無によって対応も違ってくるのではないかと思うのです。その余裕も,裏付けのある法的知識を持ち合わせているかどうかによって違ってくるのではないでしょうか。

「拳銃や暴力がものを言ったのは昔のこと,現代では法律を知っていることこそ自分の身を守る強力な武器だということを忘れてはならない」と言ったのは,作家であり弁護士でもある和久俊三氏でありますが,だからと言って法律を振りかざせというのではありません。むしろ,生半可な知識はかえってトラブルの元となりますし,法的知識を駆使すればすべて解決するかというと,そういうことでもありません。要は,法的知識を持ち合わせることで気持ちにゆとりが生じ,冷静な対応が可能となるということです。

本書に収載した事例は,いずれも窓口で生じたトラブル事例であり,今更ながら多様なトラブルが起こるものだと感じる次第です。今後,団塊世代や中年を迎えるゆとり世代の受診増加により,クレームもますます増加が予想されます。トラブルをなんとか解消したいと本書を手に取られた方もいらっしゃることでしょう。本書が少しでも患者対応の参考になれば幸いと存じますし,読者の皆さんのご意見等も仰ぎたいと考える次第です。

最後に,単行本発刊にご尽力いただきました日本医事新報社ならびに編集企画担当の上平和秀氏に感謝する次第です。


平成30年1月

東京女子医科大学附属成人医学センター 元事務長 大江和郎

目次

総論 ① 他院の対処法を知り,経験を積むことが肝要

総論 ② 診療行為は医師と患者の契約である

1章 窓口・待合室での会話術

CASE 01 キレル患者

CASE 02 携帯電話の使用ルール

CASE 03 待ち時間に対するクレーム

CASE 04 それは寄託契約です

CASE 05 寄託契約ではないもの

CASE 06 無診察処方

CASE 07 診断書の再交付

CASE 08 診断書の有効期間

CASE 09 委任状の有効期限

CASE 10 保険証提示を嫌がる患者

CASE 11 ホームページの掲載内容

CASE 12 どこまで求める情報開示

CASE 13 「さん」と「様」

CASE 14 割れ窓理論

CASE 15 身体障害者用駐車場の確保

CASE 16 予約なしの当日診療

CASE 17 印鑑

CASE 18 申し込みの誘引

CASE 19 保険証の返却

CASE 20 開示対象に含まれる医師記載の診断内容

CASE 21 職員の身だしなみ

CASE 22 保険証のコピーの違法性

2章 支払いにまつわる会話術

CASE 23 異なる初診料の算定基準

CASE 24 指導管理料の説明

CASE 25 診断書料の説明

CASE 26 文書料=文書作成手数料

CASE 27 有償・無償交付の文書

CASE 28 交通事故の負傷者

CASE 29 労災隠し

CASE 30 ケンカによる負傷が後日,判明

CASE 31 未払いを繰り返す患者

CASE 32 時間外診療の預かり金

CASE 33 同日同室の入退院

CASE 34 保証金の返還

CASE 35 検査値が正常だった患者が支払い拒否

CASE 36 意識不明で処置された患者が支払い拒否

CASE 37 不要となった診断書の返金

CASE 38 残った薬の返金

CASE 39 保険外併用療養費の請求

CASE 40 通用する法貨

CASE 41 時効

CASE 42 一部負担金の徴収

CASE 43 領収書の再発行

CASE 44 副作用

3章 診察室での会話術

CASE 45 療養指導の責任

CASE 46 検査を拒否する患者の自己決定権

CASE 47 処方の変更

CASE 48 初診患者の診断書

CASE 49 詐病の疑いのある患者

CASE 50 外泊の理由

CASE 51 強制退院

CASE 52 期待権の侵害

CASE 53 全責任を負う医師の作成した診断書

CASE 54 診断書の訂正

CASE 55 医師の一言でPTSD

CASE 56 あいまい語

CASE 57 (医師を守る)インフォームドコンセント

CASE 58 医師への謝礼

CASE 59 金を無心する患者

CASE 60 健診での見落としの責任

CASE 61 再説明料金の請求可否

CASE 62 依頼された文書の作成

CASE 63 診療ガイドライン

CASE 64 ムンテラ

CASE 65 難解な医療用語

CASE 66 同義語,法令用語,類義語

CASE 67 医の心

4章 看護師・医療スタッフの会話術

CASE 68 無断の転ベッド

CASE 69 医療被曝を過剰に心配する患者

CASE 70 「見る」「看る」「診る」

CASE 71 患者からのセクハラ

CASE 72 患者の衣服を汚した

CASE 73 手袋の使いまわし

5章 問い合わせでの会話術

CASE 74 執拗なクレーム

CASE 75 カルテ不開示の理由説明

CASE 76 苦情電話の録音

CASE 77 SNSの怖さ

CASE 78 防犯カメラの設置

CASE 79 意識不明患者の情報を第三者に提供

CASE 80 紹介状を開封した患者

CASE 81 保険証の貸し借り

CASE 82 未成年者の診療

CASE 83 診療拒否

CASE 84 カルテの最長保存期間

CASE 85 有効期限切れの処方せん

CASE 86 患者の残置物の処分

CASE 87 外部からの問い合わせ

CASE 88 学校事故時の対応

CASE 89 文書送付嘱託


補論 補論1〜5

資料 大学病院の4割が院内暴力を経験

解説 保険医療機関及び保険医療養担当規則(抜粋)


索引

関係法令など索引

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書籍情報

  • ISBN:9784784954582
  • ページ数:328頁
  • 書籍発行日:2018年1月
  • 電子版発売日:2018年5月25日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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