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週刊日本医事新報 6月特集号 診療所職員のメンタルヘルス対策

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2014年6月
  • 電子版発売日 : 2014年8月15日
¥1,320(税込)
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商品情報

内容

医療従事者必読の「週刊日本医事新報」の月末特集号。 2014年6月特集号のテーマは職場のメンタルヘルス対策です。

産業医として様々な現場で活躍する奥田弘美先生が、職員がメンタルを病む原因から自分自身にも使えるメンタルヘルスケア予防対策までばっちり解説。 「健康経営」をするための即戦力の職場メンタルヘルス対策として、ぜひ本特集をご活用下さい。

序文

小規模組織の医院ほど,メンタルヘルス対策が急務です!


「医院は広義の中小企業であり,その院長は使用者として全職員の心身の健康と安全に配慮して労働させなければならない」

皆様はこのことをしっかり認識して医院の運営にあたっていらっしゃるでしょうか?院長には組織の最高責任者として,すべての職員の労働に対する「安全配慮義務」が労働契約法で課せられていることを認識なさっているでしょうか?

日本人のうつ病の生涯有病率は約3~7%。約15人に1人が一生のうちにうつ病を体験するとされている通り,今日の職場では心の病が多発しています。

筆者は嘱託産業医として都内約20箇所の中小企業を毎月訪問していますが,ほぼすべての会社がメンタルヘルス関連疾患の社員を抱えています。そのため産業医として求められる業務も,メンタルヘルス関連の面接や相談が大きな比重を占めています。もはや名義貸しが主だった「名ばかり産業医」は過去の遺物と化し,会社側も真剣にメンタルヘルス対策に取り組みはじめているのです。

さて本特集をお読みの皆様の医院はいかがでしょうか?職員のメンタルヘルス対策は万全ですか?職員の心にも体にも安全で健康な労働環境づくりを実施していますか?万が一,職員の誰かがメンタルを病んだ場合,そのフォローアップ体制は整っているでしょうか?

冒頭にも書きましたが,医院は広義では中小企業です。しかも職員数は多くて30~50名,少ない施設では10名以下という小規模組織です。

もし職員の誰かがメンタルを病んでしまうと,大企業と違って小規模組織ではすぐに代替要員が確保できません。職場の中枢にいる職員が病んでしまった場合は,組織運営自体が成り立たなくなってしまうリスクも抱えています。たとえ他の職員が辛うじてフォローしたとしても,今度はその人に多大な負荷がかかり第2,第3のメンタル不調が誘発されかねません。それゆえに小規模な組織であればあるほど,実はメンタルヘルス対策が非常に重要な課題であるのです。

ところが悲しいかな,現代社会において小規模な会社ほどメンタルヘルス対策に手が回っていないというのが現状です。特に産業医を雇う義務のない50名未満の会社では,メンタルヘルス対策がほぼ手つかずの放置状態というところが少なくありません。この点においては医院などの医療機関も例外ではないでしょう。

そもそも医療機関では従業員数が300名を超えるような大病院であっても,一般企業で実施されている平均的なメンタルヘルス対策のシステムすら整っていないという現状があります。病院所属の勤務医が産業医を兼務していて,職員健診のデータをチェックして押印しているだけ。もしメンタル疾患の職員が出たら,休職や復職の対応は事務方が四苦八苦して場当たり的に対処している......という現実もよく耳にします。ある程度の規模の一般企業では標準的に実施されている安全衛生委員会も,多くの医療機関ではおざなり状態。安全衛生委員会を毎月きちんと開催し,職員の心身の健康ケアに真剣に取り組んでいるという医療機関は恐らく数えるほどでしょう。現在はストレス過多時代です。どんなに健康で元気そうな人でも心を病む危険性を抱えています。「医療者たるもの,自分の心身の健康ケアぐらい自分でやるべきだ」という考え方は,もはや通用しません。本特集のメイン読者である医院院長におかれましては,ぜひ今このときから「中小企業の管理監督者かつその最高責任者」という自覚を持ち,貴院のメンタルヘルス対策に乗り出して頂きたいと思います。

本特集では筆者が日々従事している産業医業務から,医院の院長にもぜひ実施して頂きたいメンタルヘルス対策を具体的にまとめました。また筆者が産業医として主に所属する株式会社エリクシア代表取締役・上村紀夫先生に一部ご協力頂き,医院レベルの中小企業に必要な労働安全衛生関連制度の基礎知識もご紹介しています。第5章には特別寄稿として,中小企業向け健康経営コンサルタント・宮川浩一氏と少人数組織活性化コンサルタント・平間正彦氏に執筆頂きました。一般ビジネス社会で活用されている組織運営のコツもぜひ参考にして頂けたらと思います。

本特集の基本的スタンスとしては「産業保健や精神医学には専門外の院長」に対応して執筆しています。現在,産業医や精神科医としてご活躍の先生方には当たり前の基礎的内容も含んでいることをご了承下さい。また本特集は即戦力のある職場メンタルヘルス対策を提案することを主旨としているため,精神医学を精密に解説した書ではないことをあらかじめお断りしておきます。

本特集が貴院の「健康経営」にささやかながら貢献できましたならば幸いです。


2014年 6月

奥田 弘美


追記

本文に掲載している法令・制度については,社会保険労務士の近藤英明氏に監修協力および校正を受けていますが,2013年12月末日執筆完了時の内容です。それ以降の変更・改正には対応しておりませんのでご了承下さい。

目次

■プラタナス■

●基礎医学はどこへ行くのか

■News■

●振り返り1week(2014.6.19-25)

●[有床診・中小病院のスプリンクラー設置基準] 産科、小児科など13科は設置免除

●[「CASE-J 試験」調査結果で武田薬品が会見] 企画段階から「一貫して関与」認める

●news topics

・骨太方針・新成長戦略が閣議決定、薬価改定は「頻度含め検討」

・水痘の入院症例、全数報告対象に - 感染症部会

・医師国試の評価・改善に向け議論開始 - 医道審検討部会

・がん患者・経験者の就労支援のあり方で報告書 - 厚労省検討会

・田村厚労相がCASE-J 試験を問題視、「調査したい」

■お茶の水だより■

治療と就労両立へかかりつけ医の役割は

●感染症発生動向調査 2014年第23週 6月2日~8日)

<2014年 6月特集> 診療所職員のメンタルヘルス対策

[第1章] スタッフがメンタルを病むリスクを押さえておこう

(1) 過重労働によるリスクとその対策

(2) パワーハラスメント,イジメにおけるリスクとその対応

(3) セクシュアルハラスメントによるリスク

(4) ライフイベント,変化によるリスク

(5) パーソナリティーによるリスク

[第2章] あれ?おかしいな。メンタルを病む兆候とその対策─うつ病を中心に─

(1) 職場のメンタルヘルス対策の基本指針

(2) うつが悪化していく段階と症状を知っておこう

(3) 「おかしいな?」と思ったら,メンタルヘルス面談を

(4) 休職から復職の流れ

[第3章] 小規模組織経営者が知っておくべきメンタルヘルス関連制度と事例

(1) 院長は安全配慮義務を負う

(2) 就業規則を整備していますか?

(3) 労働契約をきちんと文書で交わしていますか?

(4) 解雇権を濫用していませんか?

(5) 休職制度をしっかり定めていますか?

(6) 就業規則や法的根拠などの考慮が必要となったメンタルヘルス関連ケース

[第4章] 院長も職員も元気に働くためのメンタルヘルスケア予防対策

(1) 院長から実践!セルフケア

(2) 医院でもやろう!安全衛生委員会

(3) 職員のメンタルヘルスIQ を高めよう!

(4) EAP(従業員支援プログラム)など外部資源を上手に活用しよう!

[第5章] 特別寄稿 / 日本の中小企業活性化を志すパイオニアたちからの提案

(1) 中小企業におけるメンタルヘルス問題の実情とその対策

(2) 少数精鋭組織にするためのチームワークの作り方

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対応機種

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    iOS 10.0 以降

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    ダウンロード時に必要なメモリ:90.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784784947050
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2014年6月
  • 電子版発売日:2014年8月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


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※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。