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画像診断 2016年7月号(Vol.36 No.8) 膠原病と類縁疾患の肺病変

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2016年6月
  • 電子版発売日 : 2017年6月16日
¥2,640(税込)
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商品情報

内容

膠原病の肺病変は,急性疾患もあれば慢性に経過する病変もあり,非常に多彩である.最近注目を浴びている点として,特発性間質性肺炎の一部に,肺病変先行型の膠原病と考えられる例や,あるいは特定の膠原病の診断基準を満たさないが膠原病が疑われる例が存在することが挙げられる.本特集では膠原病とその類縁疾患の画像所見のポイントを整理し,臨床的問題点と画像診断の重要なポイントをわかりやすく解説する.

序文

序説

膠原病の肺病変は,現在いくつかの観点から注目を浴びている.第一には,特発性間質性肺炎の一部に,肺病変先行型の膠原病と考えられる例や,あるいは特定の膠原病の診断基準を満たさないが膠原病が疑われる例が存在することが注目されるようになってきている点である.

非特異性間質性肺炎(nonspecific interstitialpneumonia;NSIP)パターンの間質性肺炎は膠原病との関連が深いとされ,膠原病のうちでも肺病変が先行する例があることが知られていた.Kinderらは,NSIPはundifferentiated connective tissuedisease(UCTD)の肺病変ではないのかという考えを提唱し,その後これに類似する疾患概念としてlung dominant connective tissue dis ease(lungdominant CTD)やautoimmune fea tured interstitiallung disease(AFILD)の概念が提唱ないし報告された.近年,これらを包括する概念としてinterstitial pneumonia with autoimmunefeatures(IPAF)の概念が提唱されたが,語呂のいい言葉であり,今後しばらくはこの用語が定着するものと思われる.

さらに,NSIPパターンを示す間質性肺炎の中に筋炎関連の自己抗体が陽性であり,筋炎症状のないあるいは筋炎症状の軽い多発筋炎/皮膚筋炎と考えられる1群があることが知られ,抗aminoacyl tRNAsynthetase(ARS)抗体症候群と命名されている.最近の経験では,NSIPにかなりの部分にARSが陽性となることがわかってきている.この1群の疾患は,筋炎の診断基準を満たさないがゆえに現時点では特発性間質性肺炎に分類されることになり,IPAFの診断基準も満たすことなる.

さらに,この1群は,器質化病変を含む亜急性ないし急性の経過をとるNSIP(日本と韓国のみから報告され,Asian NSIPと欧米から揶揄され無視されていたパターン)と重なり合うことが多く,subacuteinterstitial pneumonia,fibrosing OPとか,OPwith intervening fibrosis,rapidly progressiveinterstitial pneumoniaなど様々な名称で呼ばれてきた疾患に相当する.この病態は,2013年のATS/ERSの特発性間質性肺炎の分類の改訂で,NSIPが慢性経過の疾患に限定されたために,今後は分類不能型間質性肺炎に分類されることになるであろう.

このように,膠原病は,特発性間質性肺炎に分類されていた,あるいは分類されている病態に深く関連することが徐々に解明されつつあり,間質性肺炎の病態を考える上できわめて興味深い.また,関節リウマチ(RA)に関しては,治療薬の進歩に伴ってその合併症が様変わりしつつある点も重要である.生物学的製剤の導入により,薬剤性肺障害の頻度は減少し,感染症の頻度が増加しつつある.RAの治療薬の選択を巡る抗酸菌感染症の問題は,臨床的には非常に重要であり,生物学的製剤の適応に関して,画像診断医が重要な判断を迫られる場面も増えつつある.

今回の特集では,これら膠原病とその類縁疾患の肺病変を巡る様々な話題をいくつかの側面からまとめていただいた.読み応えのある特集となっているので,明日からの臨床に応用いただきたい.


酒井文和

目次

【特集】膠原病と類縁疾患の肺病変

序説

膠原病肺の病理

膠原病における肺合併症の臨床的意義

慢性経過の間質性肺炎

急性・亜急性経過の間質性肺炎

膠原病による気道疾患

肺血管炎,腫瘍性病変,肉芽腫

自己免疫性疾患の特徴を有する間質性肺炎(IPAF)の概念とCT画像

膠原病に合併する肺感染症,薬剤性肺障害

すとらびすむす

壁の向こうを知りたい

画像診断と病理

膵粘液癌

ここが知りたい!

画像診断2016 年2月号特集 「脳血管障害─病態に基づいた画像診断─」

Picked-up Knowledge from Foreign Journals

大動脈の画像診断

CASE OF THE MONTH

Case of July

The Key to Case of May

Refresher Course

脳実質外領域にFLAIRにて高信号を呈する疾患─2D/3D FLAIRのコントラストメカニズムを理解する─

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書籍情報

  • ISBN:9784780900804
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2016年6月
  • 電子版発売日:2017年6月16日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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