Generalist 糖尿病診療のススメ

  • ページ数 : 140頁
  • 書籍発行日 : 2015年12月
  • 電子版発売日 : 2017年11月17日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

糖尿病専門医が伝える診療のすすめ

高齢者糖尿病との関連が合併症に対する新しい評価法や治療法も記載。治療薬については症例を挙げながらイメージしやすく解説し、心理アプローチに効く問診での対応の仕方も含み実践書として使いやすくまとめました。

■総合診療ライブラリーシリーズ
Generalist 血液内科診療のススメ

序文

はじめに

糖尿病は最もありふれた病気の一つとなりつつある。戦後の食生活の変化,車社会,ITの進歩による生活習慣の変化や人口の高齢化により,病院,診療所,外来,入院を問わず,糖尿病患者が増えていることがその原因である。

しかし,もっとも大切なことは,糖尿病は全身を診る病気であり,総合診療的な診かたがますます必要になっていることである。かつては,糖尿病の治療は三大合併症である網膜症,腎症,神経障害の悪化,すなわち失明,人工透析,壊疽を防ぐことが中心であったが,脳,心,下肢の動脈硬化性疾患の合併症を防ぐことも重要となってきている。それに加えて歯周病や認知症が糖尿病の新しい合併症として注目されてきている。また,転倒・骨折,サルコぺニア,フレイル,うつ病,認知機能低下,悪性腫瘍などは糖尿病,とくに高齢者糖尿病との関連が強いことが明らかになっている。こうした種々の新しい合併症をみるには,合併症独自の評価法や治療法を身につける必要があり,その解説のために1章を設けている。

糖尿病は生活習慣病の一つであるが,これは生活習慣がすべて病気を規定しているという意味ではない。糖尿病という進行性の病気に食事や身体活動などの生活習慣の乱れやセルフケアのアドヒアランス不良が増悪因子として関与しているだけである。したがって,糖尿病診療では病気に対するアプローチとケア向上のための工夫が必要である。

病気に対するアプローチは,常に病態を考えて薬物を選択すること,腎機能などの臓器機能を評価し,有害作用を避けるような治療を行うことが大切である。糖尿病の治療薬は作用機序の異なる7種類の経口薬,インスリン,GLP-1受容体作動薬と増えており,これらを使い分けることが必要になっている。そのために薬剤を使用した症例を提示し,解説を加えてみた。

セルフケアの向上のためには心理アプローチを行うことが大切である。外来の診察における話し方がセルフケアに大きな影響を及ぼすこともあり,所々に診察での会話を盛り込んだ。また,高齢期には認知機能低下やADL低下による生活機能障害がインスリンなどのセルフケアのアドヒアランス不良につながる。高齢者糖尿病では高齢者総合機能評価(CGA)を行い,いかに生活自体や糖尿病のケアをサポートすることが大切である。こうした機能を重視した高齢者医療についても解説を加えた。

本書がこうしたありふれた糖尿病を総合的に診る一般の先生やコメディカルの診療に少しでもお役に立てれば幸いである。


平成27年11月末日

荒木 厚

目次

1章 糖尿病の診断

1.糖尿病とは

2.糖尿病の診断

3.高血糖も低血糖も重症な疾患のマーカー

4.HbA1cとグリコアルブミン

5.1型糖尿病

6.インスリン分泌とインスリン抵抗性の評価

2章 糖尿病の疫学

1.糖尿病の頻度は加齢とともに増える

2.運動と食事の生活習慣の介入は糖尿病発症を防ぐ

3.糖尿病の血糖コントロールと死亡、大血管障害

4.活動量低下や心理状態悪化は脳卒中発症の危険因子

5.厳格なコントロールは合併症を防ぐか?

6.包括的な危険因子の管理が糖尿病合併症を防ぐ

3章 糖尿病の医療面接

1.糖尿病の問診

2.糖尿病の診察

3.糖尿病患者の慢性期の診療

4.慢性期の診察の実際

5.総合機能評価(高齢者の場合)

4章 血糖コントロール目標

1.成人の場合

2.高齢者の場合

5章 糖尿病の急性合併症

1.インスリン依存状態かどうかを判断する

2.高浸透圧高血糖症候群

3.糖尿病ケトアシドーシス

4.急性合併症の治療

6章 糖尿病の慢性合併症

1.糖尿病網膜症

2.糖尿病腎症

3.糖尿病神経障害

4.動脈硬化性疾患

5.感染症

7章 新しい糖尿病合併症あるいは合併しやすい疾患

1.歯周病

2.認知症

3.うつ(うつ状態またうつ病)

4.癌

5.骨病変

8章 糖尿病と身体機能低下

1.サルコペニア

2.フレイル

3.転倒

9章 糖尿病の食事療法

1.食習慣の聴取

2.一般的な食事の注意点

3.適正なエネルギー摂取量を示す

4.バランスのとれた食事か確認

5.合併症予防のための食事も考慮する

6.高齢者糖尿病の食事療法

7.高齢者の食事療法の問題点を把握する

8.簡易な栄養食事指導

10章 糖尿病の運動療法

1.糖尿病の運動療法の効果

2.運動の種類

3.運動療法の実際

4.膝や腰が痛くて歩行ができない場合

5.運動を禁止あるいは制限した方がよい場合

6.運動の注意点

11章 経口血糖降下薬による治療

1.経口血糖降下薬による治療の原則

2.経口血糖降下薬の使い方の実際

3.インスリン分泌を促す薬物の特徴と注意点

4.インスリン抵抗性を改善する薬物の特徴と注意点

5.糖吸収、排泄に関係する薬剤の特徴と注意点

12章 インスリン治療

1.インスリン療法の適応

2.インスリンの種類

3.インスリンの皮下注射法について

4.インスリン皮下注の開始法

5.インスリン皮下注の単位量の調節

6.経口摂取がまだ不安定である場合の皮下インスリンのスライディング

7.経口摂取ができない場合の点滴内インスリンのスライディング

13章 GLP-1受容体作動薬

14章 低血糖症状とその予防・対策

1.低血糖の影響

2.低血糖の症状

3.重症低血糖のリスク因子を評価する

4.低血糖を防ぐための対策

15章 心理サポートと糖尿病教育

1.患者教育の重要性

2.糖尿病と診断された時の心理的反応

3.セルフケア行動に影響する心理・社会的要因

4.Prochaskaの行動変化ステージ

5.治療中断

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書籍情報

  • ISBN:9784765316637
  • ページ数:140頁
  • 書籍発行日:2015年12月
  • 電子版発売日:2017年11月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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