放射線医学 核医学・PET・SPECT

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2012年6月
  • 電子版発売日 : 2012年12月15日
¥5,060(税込)
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商品情報

内容

放射線医学シリーズ全9冊のうちの1冊、「核医学・PET・SPECT」が電子書籍となりました。 SPECTの利点、放射線治療計画に重要な情報、RI内用療法、小児核医学、PET癌検診などなど、現在の核医学のすべてがわかる!
放射線治療医には、日常診療において癌診療に役立ち、放射線治療医を目指す医師には有用な知識が得られ、専門医試験受験を受ける方々には手引書として活用していただきたい1冊です。

序文

核医学の特徴は,他の画像診断と異なり,機能診断,代謝情報の把握である.18F‒FDG PET はブドウ糖代謝情報を画像化したものであり,18F‒FDG は単なる造影剤ではない.18F‒FDG 集積の定量化がSUV等で行われ,各病巣部の糖代謝の亢進程度が把握できる.18F‒FDG 高集積を示す病巣は低集積を示す病巣よりも予後不良である.18F‒FDG PET の難点は空間分解能が劣ることである.このため,ハイブリッドPET/CT 装置が開発された.PET/CT は解剖学的情報と分子イメージングの懸け橋の役割を果たしている.通常,CT のグレイスケールにPET 情報をカラー表示する.

ハイブリッド18F‒FDG PET/CT は病期診断には欠かせない検査となった.18F‒FDG PET/CT を用いた的確な病期診断は,それを用いない場合に比較して,悪性腫瘍患者の治療方針を約30%変更させる.正確な病期診断,鑑別診断は不要な検査,手術を省き,医療費削減につながる.

本書では臓器別に構成された各章に,18F‒FDG PET/CT 検査の癌診療における重要性が他の画像診断と対比しながらわかりやすく記述されている.

放射線治療計画において,18F‒FDG PET/CT によるimage-guided radiotherapy(画像誘導放射線治療)が導入されつつある.18F‒FDG PET/CT による画像はmetabolic gross tumor volume(MGTV,代謝性肉眼的腫瘍体積)を表し,放射線治療計画に重要な情報を提供する.放射線治療医あるいは放射線治療医を志す医師にとっても本書は有用な知識が得られ,癌診療に役立つと思われる.

一方,一部のSPECT 検査は減少傾向にある.2009 年5月半ば,世界最大のカナダNRU 原子炉が突然運用停止に至った.世界中で深刻な99Mo/99mTc ジェネレータの供給不足が1年6か月続き,日常の核医学診療に大きな影響を及ぼした.また,2011 年3月11 日発生の東日本大震災による福島第一原子力発電所放射性物質漏えい事故がSPECT 検査減少に追い討ちをかけた.

SPECT の利点は99mTc 製剤と123I 製剤などの異なる2核種の同時収集が可能,最近開発された半導体検出器は従来のガンマカメラと比較して,小型化しており,時間,空間,エネルギー分解能が優れている.
99mTc 製剤を用いた検査はPET 製剤と比較して比較的安価であること,普及性,緊急性,少ない職業被曝などの点でPET 検査よりも優れている.ハイブリッドSPECT/CT 装置の普及,新しい放射性薬剤の開発が今後期待されるところである.

本書はPET とSPECT を臓器別に織り交ぜながら,両者を関連づけ,興味をもっていただけるよう構成した.

RI 内用療法は重要な核医学部門の一つである.甲状腺全摘後のアブレーション治療が外来で行えるようになり,適応患者数が増加している.バセドウ病に対する放射性ヨード内用療法,骨転移疼痛緩和療法としての89Sr,悪性リンパ腫に対するZavalin 療法も詳細かつわかりやすく記載されている.

このように,本書は現在の核医学に必要と考えられるたくさんの情報を含んでいる.小児核医学とPET 癌検診の項も加えた.日常診療において,また,専門医試験受験ための手引き書として,多くの読者のお役に立てるものと確信する.


平成24年 5月

編集 小須田 茂

目次

1.頭部,中枢神経・脳核医学

1 中枢神経・脳核医学のSPECTとPET

2 画像統計解析

3 各種疾患とSPECT 所見

4 脳槽シンチグラフィ

2.頭頸部腫瘍のFDG-PET/CT

頭頸部腫瘍診断におけるPET とCT,MRI など画像診断の役割

3.心・大血管核医学(SPECT,PET/CT)

1 心臓核医学検査

2 心筋血流イメージング

3 心筋代謝イメージング

4 心筋交感神経イメージング

5 心プールシンチグラフィ(RIアンジオグラフィ)

6 心筋梗塞シンチグラフィ

7 心筋SPECTとCT冠動脈造影を用いた融合イメージ

8 心・血管の炎症イメージング

4.呼吸器核医学

1 呼吸器核医学とは

2 呼吸器核医学検査法の原理と実際

3 呼吸器核医学の適応例

5.肺・縦隔腫瘍のFDG-PET

1 肺結節病変の評価,良性・悪性の鑑別

2 臨床診断の実際

6.内分泌核医学

1 甲状腺

2 副甲状腺

3 副 腎

4 その他

7.消化器核医学

1 唾液腺シンチグラフィ

2 肝・胆道シンチグラフィ

3 99mTc-GSA 肝シンチグラフィ

4 メッケル憩室シンチグラフィ

5 消化管出血シンチグラフィ

6 蛋白漏出性胃腸症の診断

8.消化管腫瘍のFDG-PET/CT

1 食道癌

2 胃癌・胃悪性リンパ腫

3 大腸・直腸癌

4 小腸,その他の悪性腫瘍

9.肝・胆・膵病変のFDG-PET/CT

1 肝

2 胆

3 膵

10.骨・関節核医学

1 骨シンチグラフィ

2 FDG-PET

3 骨髄シンチグラフィ

11.腎臓核医学

1 放射性医薬品

2 腎動態シンチグラフィ

3 利尿レノグラフィ

4 カプトプリル負荷腎シンチグラフィ

5 腎静態シンチグラフィ

12.女性・生殖器腫瘍のFDG-PET/CT

1 生理的集積と読影上のピットフォール

2 原発診断

3 病期診断

4 治療効果判定

5 再発診断

13.センチネルリンパ節シンチグラフィ

1 センチネルリンパ節とは

2 SNNS の適応例

3 検査法の原理

4 使用する放射性医薬品

5 放射性コロイド投与法の実際

6 放射線被曝

14.悪性リンパ腫のFDG-PET/CT

1 悪性リンパ腫におけるPET検査の臨床的役割

2 悪性リンパ腫におけるPET診断の留意点

15.小児核医学

1 中枢神経領域

2 呼吸器

3 循環器:心筋血流シンチグラフィ

4 消化器

5 腎

6 腫瘍

7 骨

8 内分泌

16.FDG-PET/CT のピットフォール

1 FDG-PET

2 PET/CTの減弱補正によるピットフォール

17.任意型検診におけるPET検査

1 任意型検診と対策型検診

2 PET 検診の現状

3 PET 検診の有効性

18.核医学治療

1 甲状腺放射性ヨウ素内用療法

2 放射性医薬品による骨転移疼痛緩和療法

3 悪性リンパ腫のZevalin 療法

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書籍情報

  • ISBN:9784765315289
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2012年6月
  • 電子版発売日:2012年12月15日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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