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危機状況にある患者・家族の危機の分析と看護介入-事例集 フィンク/コーン/アグィレラ/ムース/家族の危機モデルより

  • ページ数 : 292頁
  • 書籍発行日 : 2011年12月
  • 電子版発売日 : 2013年5月2日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

事例で学ぶ危機看護介入! 待望の実践編が完成。
危機状況にある患者・家族の適切なアセスメント、危機モデルを活用して最善の危機看護介入ができる.

本書は危機モデルによる危機介入のプロセスをまとめた事例集です。危機的状況に陥った患者や家族に遭遇するのは臨床看護師であり、彼女たちが臨床の場で必要とするのは危機看護介入に用いるモデルです。頭頸部がん、呼吸器がん、消化器がん、乳腺・婦人科がん、腎・泌尿器がん、その他の領域から40点の事例を集約した。

臨床の場で患者の危機的状況に遭遇するベテラン看護師の人たちはもとより、看護学生、新人ナース、これからがん看護専門看護師を目指す方々には、危機状況にある患者・家族の危機を適切にアセスメントし、危機モデルに基づいて危機看護介入に対応・応用に役立書としてお薦めです。

序文

本書の母体である“看護における危機理論・危機介入”(金芳堂:2004,改訂2 版2008)は多くの方々にいろいろな形で活用していただき,本書中の事例に関心をもった方々から初期の頃より事例集の要望が届けられ大変嬉しく思っていた.そして,ずっと気に掛かっていたが,なかなか手が付けられず,この度ようやく多くの方々のご協力を得て,本書の完成にこぎつけることができた.感謝の気持ちでいっぱいである.

危機モデル・危機介入について学んだのは,ミネソタ大学に留学した1970 年代である.当時,アメリカでは危機・危機介入がはなやかな時代で,あちこちに危機センターがあり,看護界では,新しい看護の到来ということで看護の基礎教育でも,大学院教育でも,盛んに取りあげられていた.当時いわれていた新しい看護とは,手(技術)や口(コミュニケーション)で行う看護とは異なり,看護者の全体(存在)で行う看護ということで,看護師の人間的豊かさ,感性の鋭さ,哲学的学びや価値,信念の重要性が強調されていた.あれからずいぶん歳月が経つが,多くの看護師たちとの学びや大学院生とのゼミ・研究で,危機モデルを通して観る患者・家族の状態や危機看護介入に関する深まりと広がりは,とど まるところがなく,多くの示唆を与え続けてくれている.

看護師らは病院・診療所等施設内や地域・在宅等どこで働いていても,また,いつでも危機状況にある患者・家族に遭遇するので,危機状況に敏感に反応し,すみやかにかかわれるように感性を磨き,こころを配り,知的・技術的に準備を整え,必要な時には,すみやかに適切な専門家に委ねられるよう,判断力を高めておくことが重要である.

本書の構成は3 部からなり,I 部は危機について,II 部は事例の分析に用いた危機モデルと危機介入について概説し,III 部はさまざまな事例の危機の分析と看護介入について取り上げた.III 部の構成は,ほとんどの事例ががん患者・家族の危機的状況の分析だったので,がんに焦点をあて,がんの部位別に事例を取り上げ,それ以外のものはその他でまとめた.一方,危機モデルに焦点をあてて,それらの危機モデルをどのように事例に適用・活用したかに関心の高い方々のために,危機モデル別に事例の一覧表を掲載した.なお,事例の分析に用いたさまざま危機モデルの詳細については,“看護における危機理論・危機介入”(金芳堂,2008)をご参照いただきたい.本書の著者らは,千葉大学,聖路加看護大学,大阪府立大学(元大阪府立看護大学),聖隷クリストファー大学の各大学院でがん看護学ゼミに参加し活発に議論を深め,大学院修了後,それぞれの立場で危機状況にある患者・家族の看護にかかわっている方々である.

危機・危機介入について新たな発想でまとめあげた本書は,医療の場や地域等で活躍している看護師や保健師,患者・家族を中心にチームで連携・協働しているさまざまな職種の方々や看護学生等に,危機状況にある患者・家族に対して理論に基づいて適切に危機介入に最善を尽くすのに役立てていただけることを大いに期待している.

本書を作成するにあたって,多くの事例を整理し,それぞれの事例を著者らと連絡しながら完成させるのに多大なご協力をいただいた樺澤美奈子さんに,こころから感謝を申し上げる.また,読者の皆様の声を大切に本書の出版を勧めて下さった金芳堂の市井輝和社長および多くの事例を取り上げた企画から製作に至る繁雑な作業を,読者の感覚で楽しみながらご尽力いただいた編集部の三島民子氏に厚くお礼申し上げる.


2011年11月

小島操子・佐藤禮子

目次

I 部 危機と危機モデル

1.危機とは

2.危機モデルとは

II 部 危機モデルと看護介入

1.フィンクの危機モデル

2.コーンの危機・障害受容モデル

3.アグィレラの危機問題解決モデル

4.ムースの疾病関連危機モデル

5.家族危機モデル

III 部 事例―危機の分析と危機看護介入

[§1 頭頸部がん]

事例 1

喉頭がんで放射線治療と喉頭摘出の予定を告げられたSさんの危機

・アグィレラの危機問題解説モデルによる分析

・フィンクの危機モデルによる分析

事例 2

眼瞼腫瘍で眼球摘出の可能性を告知され顔貌の変化に脅威を感じたBさんの危機

事例 3

喉頭がんの術後に進行胃がんが発見され手術を受けたAさんの危機

[§2 呼吸器がん]

事例 4

右肺がんの診断と同時に左肺への転移を告げられたKさんの事例

事例 5

自分の意思で治療選択ができないまま受けた肺がん手術後の強い痛みに脅威を感じたEさんの危機

事例 6

肺がんの脳転移で突然左半身麻痺となったAさんの危機

事例 7

抗がん剤治療中に胸椎転移で突然下半身麻痺となったCさんの危機

事例 8

離婚後に肺がん罹患と脳転移,長男の精神状態の悪化と困難が続くCさん一家の危機

[§3 消化器がん]

事例 9

病気を受け入れられないまま食道がん手術を受けたBさんの危機

事例 10

食道がん手術後に反回神経麻痺による嗄声と嚥下障害を生じたAさんの危機

事例 11

食道がんの化学放射線療法後の症状に病気の進行・死への不安と恐怖が募ったSさんの危機

事例 12

胃がん術後再発にともなう腸閉塞により在宅療養が困難になったDさんの危機

事例 13

進行性胃がんで化学療法の効果がなく緩和医療を勧められたFさんの危機

事例 14

胃がんの化学療法中に深部静脈血栓症を発症し歩行困難となったHさんの危機

事例 15

胃がんの進行により腫隆が増大し腹水と疼痛が増強したNさんの危機

事例 16

胃がんに対して手術不適応を告知されたGさんの危機

事例 17

進行胃がんで病状が急速に悪化する中で子供への親の役割を果たそうとしたYさん家族の危機

事例 18

人工肛門造設を受け入れられないまま手術を受けたMさんの危機

事例 19

離婚や経済的な問題を抱えた状況で突然直腸がんと診断されたKさんの危機

事例 20

結腸がんの多発転移にともなう苦痛の増大により死期を悟ったCさんの危機

事例 21

結腸がんの転移により余命2週間と告げられたIさんの妻の危機

事例 22

膵臓がんの病状進行により仕事と自宅での生活への希望を絶たれたJさんの危機

事例 23

膵臓がんで死が近いことを自覚したOさん一家の危機

[§4 乳腺・婦人科がん]

事例 24

早期乳がんと診断されたが身近な人の乳がんの状態と重ね合わせて脅威を覚えたBさんの危機

事例 25

乳がんの転移により病状が急激に悪化したCさんの危機

事例 26

進行性乳がんの発見が遅れたことで自己を責めたAさんの危機

事例 27

進行していく乳がんの状態に脅えたDさんの危機

事例 28

突然半身麻痺が起こり乳がんの脳転移を告げられたYさんの危機

事例 29

乳がんで骨転移,肝転移を告げられたKさんの危機

事例 30

乳がんの多発転移により呼吸困難や麻痺の進行などに直面したSさんの危機

事例 31

乳がん化学療法中に積極的治療の中止を告げられたNさんの危機

事例 32

子宮がんの再発後,状態悪化により治療が中止となり希望を絶たれたFさんの危機

事例 33

卵巣がんで緊急入院となり予後不良を告げられた患者の夫(Tさん)の危機

[§5 腎・泌尿器がん]

事例 34

腎臓がんという事実を否定したまま手術を受け,術後に現実に直面したAさんの危機

事例 35

腎臓がんの手術後間もなく脊椎転移に続いて膵臓に転移を告げられたIさんの危機

事例 36

前立腺がんである夫がせん妄状態になった姿をみて死を予期した妻の危機

[§6 その他]

事例 37

悪性黒色腫の肺転移により窒息死への不安が増大したCさんの危機

事例 38

治療困難な原発不明がんと診断され治療を拒まれたAさんの危機

事例 39

骨転移に対する放射線療法終了後に脳転移が発見されたKさんの危機

事例 40

自覚のない致死性不整脈の発症によりCRT-D作動を経験したUさんの危機

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書籍情報

  • ISBN:9784765315029
  • ページ数:292頁
  • 書籍発行日:2011年12月
  • 電子版発売日:2013年5月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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