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膝関節理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く

  • ページ数 : 336頁
  • 書籍発行日 : 2018年2月
  • 電子版発売日 : 2019年4月5日
¥6,050(税込)
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商品情報

内容

膝関節の機能障害に対する評価・解釈・治療アプローチを詳細に解説!

機能障害別に評価法・理学療法を解説する『理学療法マネジメント』シリーズ(全5冊)。
本書では膝関節における機能障害として,可動性障害,関節不安定性,筋機能不全などを取り上げ,評価法や評価結果の解釈の仕方,理学療法アプローチについてエビデンスを交えながら詳細に解説。また,中間関節である「膝」は他部位からの影響を受けやすいことから,足部・足関節や股関節,腰部・骨盤帯,胸郭からの影響の評価と理学療法もそれぞれ掲載。
機能障害を的確に見つめ理解することで,限られた期間でも効果的で計画的なリハビリテーションを実施する「理学療法マネジメント能力」を身に付けられる1冊となっている。

ぜんぶ読む → 「理学療法マネジメント」シリーズ

序文

監修の序

理学療法の臨床では,患者の有する機能障害を的確に評価し,原因と結果との因果関係を分析することが重要である。因果関係の分析は,検査結果から自動的に導き出されるものではない。関節可動域検査や筋力検査,動作観察などから導き出されるのは「現象」であり,「なぜ,そのような現象が引き起こされているのか」という答えはわからない。原因と結果の因果関係は,「分析」によって導き出されものである。分析をするためには,推論を形成する必要がある。いくつかの現象を基に,患者の主訴を引き起こす原因として考えられる推論を全て列挙し,その中から,最適解を見つけ出すための検証作業が「分析」,すなわち「評価」である。的確な評価を行うためには,推論の形成が必要不可欠であり,推論が形成できなければ評価を行うことは不可能だと言ってもよい。

原因が特定できたら,予後予測に基づき現実的な目標設定を行い,理学療法計画を立案する。理学療法の目標設定は現実的,かつ具体的なものでなくてはならない。漠然とした目標設定からは理学療法計画を立案できない。予後を可能な限り正確に予測し,目標を設定することが重要となるが,予後予測は患者の個別性が存在するため一般化しにくい。どうしても理学療法士の経験則による部分が出てくる。ここが経験の浅い若い理学療法士には難しい部分となる。

最適な理学療法プログラムは,科学的根拠と予後予測を基に立案されるが,理学療法プログラムの実践では,患者の個別性を加味し,最も効果的な介入方法を創造することが重要であり,画一的な理学療法プログラムを漫然と繰り返していても理学療法の効果は上がらない。ここにも,理学療法士の能力が色濃く反映される。 このような一連の臨床意思決定過程を最適化するためのマネジメント能力は,個々の理学療法士のもつ知識,技術,経験によって左右される。そのため,それらが不足する若い理学療法士は,臨床意思決定が難しく,ともすれば疾患名や主訴だけに基づいた,画一的な理学療法を繰り返すだけの臨床になりがちである。

本書は,機能障害の評価とその結果の解釈,そして理学療法プログラムの立案に至る意思決定のプロセスを解説した実践書である。国内外で信頼性の高いエビデンスを多く紹介し,経験則だけではなく科学的根拠に基づいて客観的に解説することに重点を置いている。

また,執筆者は編集の森口氏をはじめ,臨床現場に従事する実務者を中心に構成されている。いずれの執筆者も,現在進行形の実務経験の中から理学療法マネジメントの在り方を模索している臨床家であり,現場で悩む若い理学療法士の目標値となるような中堅の理学療法士が名を連ねている。臨床現場から書き上げられた実践書とよぶに相応しい内容であり,臨床で悩んでいる理学療法士にとって大いに役立つことだろう。

2017年12月

石井慎一郎

目次

Ⅰ章 膝関節理学療法の概要

1. 膝関節障害に対する理学療法の考え方

はじめに

医学的情報の重要性

機能解剖

膝関節の疼痛

力学的視点

2. 膝関節の機能解剖とバイオメカニクス

はじめに

学術的背景

臨床で必要となる機能解剖およびバイオメカニクスの基礎知識

臨床での活用方法

Ⅱ章 リスク管理と病期別マネジメント

1. 病態を知る

はじめに

変形性膝関節症

前十字靱帯損傷

半月損傷

膝伸展機構障害

大腿骨内側顆特発性骨壊死

2. 手術特性を知る

はじめに

膝前十字靱帯(ACL)損傷

変形性膝関節症(膝OA)

3. 病期別マネジメント

病態評価と機能評価

関節における病期別の理学療法の方針

おわりに

Ⅲ章 機能障害別マネジメント

A 局所を中心とした評価と理学療法

−障害の主要因をどのように評価し,どのような理学療法を行うか−

1. 膝関節の疼痛

はじめに

膝関節の疼痛因子の理解(学術的背景)

評価方法の実際

解釈

理学療法

2. 膝関節の可動性障害

はじめに

関節可動域の制限因子

膝関節の関節可動域制限に対する評価

3. 膝関節の不安定性

はじめに

膝関節の不安定性が疑われる場合の評価

膝関節不安定性がある場合の理学療法

4. 膝関節の筋機能不全

はじめに

膝関節に生じる運動連鎖と筋機能不全

EMGおよび運動学・運動力学の視点からとらえた膝OA

歩行動作におけるICの衝撃吸収機構の特性

術後における膝関節の筋機能不全

膝関節の筋機能不全に対する評価の実際

膝関節の筋機能不全に対する理学療法

B 他部位からの影響の評価と理学療法

−影響発生源をどのように特定するか−

1. 足部・足関節機能からの影響の評価と理学療法

はじめに

足部・足関節機能が膝関節へ及ぼす影響

臨床判断の実際と評価のポイント

おわりに

2. 股関節機能からの影響の評価と理学療法

はじめに

股関節機能と膝関節の関連性

研究報告の紹介

評価方法の実際と解釈

理学療法評価

理学療法

3. 腰椎・骨盤帯機能からの影響の評価と理学療法

はじめに

膝痛と腰痛の疫学

加齢によるアライメント変化

knee-spine syndrome

脊柱・骨盤帯における代償機構

膝OAとspinopelvic parameters

腰椎・骨盤帯・股関節複合体における筋活動

各種検査に基づいた問題点の抽出

徒手療法

運動療法・セルフトレーニング

おわりに

4. 胸郭からの影響の評価と理学療法

はじめに

胸郭と膝関節の関係性

胸郭の解剖と運動

研究報告の紹介

胸郭からの影響を確認する評価

胸郭の影響に対する理学療法

Ⅳ章 機能障害別ケーススタディ

A 局所を中心とした評価と理学療法

1. 膝関節の疼痛

症例紹介

評価の流れと解釈

理学療法の内容と結果

まとめ

2. 膝関節の可動性障害

症例紹介

初期評価

評価の解釈

理学療法

結果(1カ月後)

理学療法の結果の解釈

まとめ

3. 膝関節の不安定性

症例紹介

理学療法評価の流れおよび解釈

理学療法の内容と結果

まとめ

4. 膝関節の筋機能不全

症例紹介

理学療法評価の流れと解釈

術後の理学療法

結果

まとめ

B 他部位からの影響の評価と理学療法

1. 足部・足関節機能からの影響の評価と理学療法

症例紹介

理学療法評価

症状の統合・解釈

理学療法アプローチ

再評価の焦点

おわりに

2. 股関節機能からの影響の評価と理学療法

症例紹介

評価の流れと解釈を提示

理学療法

結果

まとめ

3. 腰椎・骨盤帯機能からの影響の評価と理学療法

症例紹介

評価の流れと解釈

各種検査の統合

理学療法プログラム・セルフエクササイズ

まとめ

4. 胸郭からの影響の評価と理学療法

症例紹介

評価の流れと解釈

理学療法の内容と結果

まとめ

Ⅴ章 患者教育(セルフマネジメント)

1. ホームエクササイズ指導のポイントと実際

はじめに

ホームエクササイズの導入

ホームエクササイズ指導における注意事項

ホームエクササイズの実際

おわりに

2. 多角的要因を踏まえて行動変容を促すポイントと実際

はじめに

膝関節における力学的ストレス

原因追及のための考え方と手法

D-ダイアグラム実践例(両変形性膝関節症)

脊柱弯曲と生活習慣の関わり

おわりに

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758319119
  • ページ数:336頁
  • 書籍発行日:2018年2月
  • 電子版発売日:2019年4月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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