膝痛 こだわりの保存治療 [動画付き]

宗田 大 (著)

株式会社 メジカルビュー社

204 頁  (2018年5月)

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リリース日: 2019年06月05日

ひたすらに,ひたむきに「痛み」に向き合ってわかったこと。保存治療はここまでできる!膝診療に必ず役立つ1冊!

「膝痛」は奥が深い。痛みを分類するにも,痛む場所,痛むタイミングなど,細かく分けることができる。それはつまり,治療法も細かく分ける必要があるということでもある。本書は,著者の宗田先生が永年にわたり研究し続けている「痛み」に対して,現在行われているすべての保存治療でどこまでアプローチできるのか,具体的な症例を挙げながら紹介している。

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「膝痛」は奥が深い。痛みを分類するにも,痛む場所,痛むタイミングなど,細かく分けることができる。それはつまり,治療法も細かく分ける必要があるということでもある。

本書は,著者の宗田先生が永年にわたり研究し続けている「痛み」に対して,現在行われているすべての保存治療でどこまでアプローチできるのか,具体的な症例を挙げながら紹介している。

まずⅠ章では,痛みを特徴ごとに分類。Ⅱ章で,診察時のコツ,Ⅲ章で撮るべき画像と,目に見えない痛みを画像とどうつなげるかを解説している。そして,Ⅳ章では,保存療法につき,歩行・姿勢の改善法と,宗田先生考案の「痛点ストレッチ」をパターンの異なる7症例をWeb動画と連動させながら紹介。さらに,薬物治療やヒアルロン酸を用いた一般的な保存治療,また,TKA後の疼痛など,術後早期のリハビリテーションまで解説している。

膝診療に必ず役立つ1冊!


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2007年10月に発刊された『膝痛 知る診る治す』に10年経っても購買の動きがあることは,最も大きな荷重関節である膝の痛みについて多くの方が強い関心をもっていること,また関節疾患の基本である保存的治療についてあまり進歩していないことを示唆する。膝痛に悩まされている患者さんの100 人に1 人しか手術治療を受けない現実は,保存治療の大切さを改めて認識させてくれる。医師をはじめとして多くの理学療法士の方,ときに私の外来を訪れる患者さんまでが,『膝痛 知る診る治す』を手元に置き,日々の診療や自主訓練に役立てていることを知ることは,著者として望外の喜びである。

さて10年も経つと,少しはその治療に進歩がみられてもよいのではないかと感じる。前書の『膝痛』を通読しても,自分としてはあまり多くの情報があるとは感じられない。同じ内容の繰り返しが目立つ。私の行ってきている保存治療はこの程度のものなのであろうか。世に問う書物としては物足りなさを禁じえない。この度,『膝痛』発刊の10年をきっかけに私の膝痛治療の経験をもう一度まとめる機会を与えていただいたことに感謝したい。

整形外科医として38年,私の治療の原点は,患者さんの痛みを圧痛点でとらえ,その部位を解剖学的に認識してバイオメカニカルに負荷を分析することだった。この姿勢は今でも私の基本である。しかし多くの患者さんの治療を通じて,生物的な反応とその制御における大きな違い,すなわち個人差の大きさを伝える必要を強く感じる。同じ疾患でも治療的な側面からはさまざまな違い,選択の幅がある。膝の軟骨がなくなってからもいろいろな膝痛があり,いろいろな治療のアプローチがある。保存的治療の効果もさまざまである。

「これまでの膝専門医としての膝痛の治療経験をできるだけ多く残すこと」が本書の目的である。10年前の図や写真はほとんど用いずに,新しい本書をまとめることができた。七つの項目に分け,思いつくまま書き進めた。そのため,まとまりや一貫性については疑問が残る。また今後の治療の方向性として感じている「姿勢」の問題など,知識や理解が未熟な記載もある。誤った内容を伝えている部分もあると思う。また個人的な印象を述べた非科学的な記載も多いと自覚している。「いろいろな膝痛」,「外来診療の流れ」,「治療の実際」,「一般的な保存治療」など,治療について繰り返し述べているが,同じ保存的治療を少し異なった視点から眺めることにより,読んだ方々に新しい発見や感想,理解の新鮮化を実現できればありがたい。加えて今回私の外来風景を動画で配信する試みをしてみた。素人の撮影であり,準備も十分でなかったため,映像的にはあまりきれいではないが,その臨場感に触れていただきたい。

本書の最後の章に,術後のリハビリテーションをまとめさせていただいた。私自身,術後のケア,リハビリテーションの成功までが術者の責任だと感じている。アスレチックリハビリテーションにバトンタッチできるまで,術後の患者さんには保存治療の経験のすべてを投入する必要がある。同じ手術を行っても術後の経過は大きく異なる。外科医である以上,機能外科を担当する以上,どんな患者さんでも手術をしたら満足できる結果を与える責任がある。手術の成功は術式の成功ではない。満足する結果は患者さんが感じること,決めることである。

本書が長く膝痛を扱うすべての方々に有意義なものであってほしいと願う。

最後に本書をまとめる機会を与えていただいたメジカルビュー社の方々に深謝したい。


2018年4月

宗田 大


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Ⅰ 分類

いろいろな膝痛

膝の疼痛における炎症の重要性・位置付け

全体の痛み−滑膜性の痛みとしての膝関節痛

急性関節炎症状/慢性関節炎症状

膝前部痛

膝蓋骨周囲痛としての滑膜軟骨移行部痛/膝蓋骨の8 方向の移動ストレッチと膝前部痛/膝蓋腱炎(症)/オズグッド- シュラッター病/膝蓋下脂肪体の痛み/大腿四頭筋痛による膝前方の痛み

内側の痛み

動き始めの痛み/歩行時の前内側部の強い疼痛/内側の過負荷を基盤とした後内側痛

外側の痛み

外側側副靱帯(LCL)痛/外側関節裂隙痛/外側広筋の筋筋膜痛/内反膝の大腿外側部痛/前脛骨筋の付着部痛

後方の痛み

腓腹筋外側頭近位部痛/腓腹筋内側頭近位部痛/膝窩筋腱炎/近位脛腓関節障害/大腿二頭筋痛

Ⅱ 診察

外来診療の流れ

入室時の観察

入室の仕方/歩容/体型/脊柱変形の有無

病歴聴取

主訴/治療目的/発症について/治療歴/職業/趣味・運動習慣/家族構成と家庭での役割/身体機能の評価/スポーツ歴,外傷の有無

診察

下肢アライメントの意義/股関節内旋・外旋/膝可動域計測

X線像の評価

下肢アライメント計測と下肢長尺X 線像での評価

治療と治療の基本

薬物治療/運動療法

Ⅲ 画像診断

痛みの原因を画像にみる

MRI

関節面の痛みとその解釈/膝蓋腱炎(症)の治療とMRI 所見/膝の痛みと骨壊死/膝の痛みと内側半月板の変化/外側型OA と外側半月板の変化/膝蓋大腿関節痛について

X線

やはりX 線像評価は大切/膝OA におけるK-L 分類

CT

CT の膝痛の評価法としての役割/PET-CT と膝痛;痛みに対するSPECT-CT の応用

エコー

膝痛におけるエコーの有用性

Ⅳ 治療

姿勢・歩容の改善

二足歩行

よい姿勢

よい歩容

よい姿勢を保つための努力

身体の各部位に応じて姿勢の維持,矯正に取り組む運動

膝痛の背景になる病態

股関節寛骨臼形成不全/大腿骨近位の過前捻/大腿筋膜張筋症候群/膝の屈曲拘縮と外旋歩行による機能的な内反の強調/足関節のROM 訓練/足関節が硬いのも膝に悪い影響を引き起こす

痛点ストレッチの実際

症例提示 【動画】

症例1/症例2/症例3/症例4/症例5/症例6/症例7

外来治療のポイント

ROM 制限の改善−完全なROM(膝伸展・屈曲)とは?/セッティングと軽度の伸展制限,強制伸展時痛と圧痛点/狭義の膝蓋腱炎(症)の治療/歩行時や荷重屈伸での内側痛:軽度伸展・屈曲制限と内反膝/内反膝と歩行時前内側痛/外側型OA で外反膝を伴う例/屈曲制限の背景にある因子

一般的な保存治療(薬物治療,ヒアルロン酸注射など)

COX-2阻害薬

NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)

その他の膝痛を和らげる薬の効果と使い方

プレガバリン(リリカ®)/トラマドール(トラマール®,トラムセット®)/デュロキセチン(サインバルタ®)

サプリメント

グルコサミン/コンドロイチン硫酸/コラーゲン

外用剤

貼付剤/塗布剤

ヒアルロン酸製剤の注射

ヒアルロン酸製剤の関節内注射/ヒアルロン酸製剤の関節外注射/関節内ヒアルロン酸注射治療と製剤の違い

温熱治療・電気治療

装具治療

レッグウォーマー/サポータ・バンデージ/外側楔状足底板/足底挿板(アーチサポート)/軟性装具・支柱付き軟性装具/硬性装具・アンローダー装具(unloader brace)/パテラブレース

やらせてあげたい運動,許可するスポーツ

膝関節手術後早期のリハビリテーション

前十字靱帯(ACL)再建

当院での退院の目安/ROM 訓練①膝伸展訓練/ROM 訓練②膝屈曲訓練/術後初回外来時の伸展制限例とそのケア

人工膝関節全置換術(TKA)

退院目標を達成できない場合/術後疼痛の予防/術前伸展制限が強い患者さんでのTKA

半月板手術

荷重制限/スポーツ復帰の時期

内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術

荷重/筋力訓練/ROM 訓練

術後のジョギング開始から練習への完全復帰

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