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実験医学別冊 患者由来がんモデルを用いたがん研究実践ガイド

  • ページ数 : 295頁
  • 書籍発行日 : 2019年10月
  • 電子版発売日 : 2019年12月2日
¥15,400(税込)
ポイント : 280 pt (2%)
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商品情報

内容

「患者由来がんモデル」エキスパートが書き下ろした本邦初の実験プロトコール集.各種患者由来がんモデルの概要や臨床検体の取り扱い,入手法に関する情報を懇切丁寧に伝える,がんモデルの導入に必携の一冊

実験医学シリーズ

序文

本書のタイトルは「患者由来がんモデルを用いたがん研究実践ガイド」である.不思議なことに,細胞株,CDX(cell-derived xenograft),スフェロイド,オルガノイド,およびPDX/PDOX(patient-derived xenograft/patient-derived orthotopic xenograft)といったがんモデルを総合的に紹介した書籍は,本邦でははじめてらしい.

がんの本態解明は,ゲノム・トランスクリプトーム解析技術の進展によって,遺伝子の構造や発現の異常を網羅的に捉えられることで,大きく飛躍してきた.さらにプロテオーム,キノーム(リン酸化プロテオーム),エピゲノム,メタボローム,およびグライコプロテオーム解析技術の発展も,がんの本態解明のみならず,層別化や創薬に適用されつつある.これらの解析技術のうちRNAとDNAを対象としたものは,酵素反応で増幅可能なことから1細胞レベルでのプロファイルを取得できるようになった.それによって,がん組織に含まれるがん幹細胞,娘細胞(分化細胞),線維芽細胞,免疫細胞(T細胞,B細胞,制御性T細胞,マクロファージなど)の構成や多様性まで捉えることが可能になった.これらの技術革新は目を見張るような速さで達成されている.

がんの本態解明は,ゲノム・トランスクリプトーム解析技当然,これを基盤として,想像以上に速く,がんの基礎研究や診断薬・治療薬開発が再び飛躍する可能性はきわめて高い.一方で,このような網羅的解析を行い意義のあるデータを得るためには,可能な限りがんを再現したモデルが求められる.本書は,その研究・開発の根幹となるモデルにつき,その実施方法や入手法を紹介することで,大いに貢献できるものと考える.しかし,がんの微小環境を標的にしたり,がん幹細胞の多様性やDormancy(静止状態で抗がん剤が効かない)を打破したりする薬効評価モデルの構築はまだまだ開発の途上にある.術の進展によって,遺伝子の構造や発現の異常を網羅的に捉えられることで,大きく飛躍してきた.さらにプロテオーム,キノーム(リン酸化プロテオーム),エピゲノム,メタボローム,およびグライコプロテオーム解析技術の発展も,がんの本態解明のみならず,層別化や創薬に適用されつつある.これらの解析技術のうちRNAとDNAを対象としたものは,酵素反応で増幅可能なことから1細胞レベルでのプロファイルを取得できるようになった.それによって,がん組織に含まれるがん幹細胞,娘細胞(分化細胞),線維芽細胞,免疫細胞(T細胞,B細胞,制御性T細胞,マクロファージなど)の構成や多様性まで捉えることが可能になった.これらの技術革新は目を見張るような速さで達成されている.

読者には,膨大なデータから得られる仮説の立証,新たながんモデルの構築,さらにTR研究を推進していただきたい.本技術に習熟するまでのひとまずの間,本書を参考にしていただければ,幸甚である.


令和元年7月26日

佐々木 博己

目次

Ⅰ 序章

1.はじめに〜患者由来がんモデルによるがん研究の今

2.臨床検体取り扱い標準作業手順書,倫理,法規について

【column】細胞株,スフェロイド,PDX等および付加情報の帰属,保管,運用について

Ⅱ 新規患者由来細胞株・CDX(cell-derived xenograft)

1.モデルとしての細胞株・CDXの特徴・課題・国内外の動向

2.腹膜転移がん(胃,膵,卵巣がんなど)細胞株の樹立

3.患者由来「希少がん」モデルの樹立〜希少がんを研究する立場から

4.がん関連線維芽細胞の樹立

5.まとめとその他,国内で樹立された患者由来細胞株の情報

Ⅲ スフェロイド

1.臨床がんのスフェロイド培養法〜その特徴と臨床応用に向けた課題

2.卵巣がん,大腸がん臨床検体のスフェロイド培養

3.子宮内膜・体がんの幹細胞(SP細胞)の分離と培養法

4.膀胱がん,腎がん臨床検体のスフェロイド培養

5.マイクロデバイス技術がもたらす三次元培養の新展開

6.三次元培養のための革新的イメージング技術

7.まとめとその他,国内で樹立されたスフェロイドの情報

Ⅳ オルガノイド

1.モデルとしてのオルガノイドの特徴とがんの基礎研究への利用

2.臨床応用を見据えたがんオルガノイド培養

3.婦人科がん患者由来組織検体からのオルガノイド培養

4.膵がんなどのオルガノイド培養

5.乳がんのオルガノイド培養

6.福島PDO®を用いた抗がん剤の評価

7.CTOS法を用いたがんオルガノイド培養とパネル作製への応用

8.まとめとその他,国内で樹立されたオルガノイドの情報

Ⅴ PDX/PDOX

1.PDXモデルの特徴と免疫不全マウス

2.患者由来がんモデルの課題と展望〜がん研究の観点から

3.乳がんのPDX作製法

4.膵がんのPDX作製法

5.胃がんのPDX作製法

6.食道がん(扁平上皮がん)のPDX作製法

7.非上皮性腫瘍(肉腫)のPDX作製法

8.非上皮性腫瘍(GIST,小児がん)のPDX作製法

9.胃がん・食道がんの同所移植

10.膵臓がん・十二指腸がんの同所移植

11.国立がん研究センター研究所FIOCでの上皮性腫瘍PDXモデルの樹立例

12.実験動物中央研究所が保有・維持しているヒト腫瘍株

13.福島PDXコレクション

14.まとめとその他,国内で樹立されたPDXの情報

Ⅵ その他のモデル

1.がんの鶏卵モデル

2.M2マクロファージとがん転移モデル

3.がん細胞とがん関連線維芽細胞の相互作用モデル

4.がん悪液質モデルの作製と生物学的特性の解析

5.ヒト化NOG-hIL-6マウスによる腫瘍モデル


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784758122429
  • ページ数:295頁
  • 書籍発行日:2019年10月
  • 電子版発売日:2019年12月2日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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