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- ココに注意！高齢者の糖尿病
商品情報
内容
高齢糖尿病患者の診かたを診察法、診断、合併症、老年症候群、CGAの方法を含めて解説。薬物療法だけでなく、運動療法、栄養サポート、心理サポート、社会サポート、患者教育など包括的なチーム治療のため医師だけでなく看護師，薬剤師，栄養士，運動指導士にも執筆を依頼しました。
序文
序
超高齢化社会の到来により，どこでも，誰でも高齢者糖尿病を診る時代となっている．こうした高齢者糖尿病の治療で苦労するのは，75歳以上の後期高齢者が多く，身体機能や認知機能が低下し，糖尿病治療で重要なセルフケアである内服やインスリン注射ができなくなることである．また，糖尿病だけでなく，老化や他の疾患により生活機能が低下し，自立した生活を送ることができなくなることも大きな問題となる．
こうした高齢の糖尿病患者を診るためには，老年医学的なアプローチが必須である．すなわち，認知症，ADL低下，転倒などの老年症候群を評価し，心身機能や社会状況を含めた高齢者総合機能評価（CGA）を多くの職種で分担して行うことが必要である．本書では高齢糖尿病患者の診かたを診察法，診断，合併症，老年症候群，CGAの方法を含めて解説した．
高齢者糖尿病の治療は，合併症の予防だけでなく，身体機能やQOLの維持・向上を目的として，血糖などの治療目標や治療法を個別に選択する．また，こうした治療は，薬物療法だけでなく，運動療法，栄養サポート，心理サポート，社会サポート，患者教育など包括的なチーム治療が必要となる．したがって，本書では，この高齢者糖尿病の治療を医師だけでなく看護師，薬剤師，栄養士，運動指導士にも執筆を担当していただいた．
本書で触れられた高齢者糖尿病の治療の考え方やノウハウは当センター内分泌科の初代医長の折茂 肇先生（現，東京都健康長寿医療センター 名誉院長）から受け継がれてきたものである．また，当センター２代目の内分泌科部長で恩師の井藤英喜先生（現，東京都健康長寿医療センター センター長）が主導された高齢者糖尿病の介入研究であるJ-EDIT研究の成果も含まれている．また，執筆にご協力いただいた先生は高齢者糖尿病の診療や研究について一緒に考えていただいている仲間でもある．あらためてこうした諸先生方のご指導とご協力に感謝申し上げたい．
本書を読んでいただいて，少しでも高齢者糖尿病の診療のお役に立てることができれば幸いである．
2014年12月
東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科
荒木 厚
目次
序章 高齢者糖尿病についてはじめに知ってほしいこと
1. 高齢者糖尿病の特徴―若い人の糖尿病との違い
2. 高齢糖尿病患者の動向―疫学的特徴
第1章 高齢者糖尿病の診かたの基本
1. 高齢者糖尿病の診察
2. 高齢者糖尿病の診断（1型糖尿病も含めて）
3. 高齢者糖尿病の検査
4. 腎機能の評価法
5. 簡易血糖自己測定（SMBG）と持続血糖モニタリング（CGM）
6. 高齢者の低血糖
7. 高齢者総合機能評価とは
8. 高齢者総合機能評価の実際
9. 血糖コントロール目標
第2章 ココに注意！高齢者糖尿病の合併症
1. 細小血管症（網膜症，腎症，神経障害）
2. 大血管障害（動脈硬化性疾患）
3. 感染症
4. 歯周病
5. 高血圧
6. 脂質異常症
7. 肥満，メタボリックシンドローム
第3章 ココに注意！高齢者糖尿病と老年症候群
1. 糖尿病と認知機能低下，認知症
2. ADL低下
3. 転倒，骨折
4. サルコペニア
5. うつ
6. 排尿障害
7. 認知症と栄養
8. 認知症と運動
第4章 高齢者糖尿病の治療～QOLの維持・向上のために
1. 食事療法
2. 栄養食事指導の実際
3. 運動療法
4. 運動指導の実際
5. 経口血糖降下薬
6. インスリン治療
7. インスリンの注入デバイス
8. インスリン離脱とBOT
9. GLP-1受容体作動薬
10. 患者指導・教育（低血糖とシックデイ教育）
11. 在宅療養中の糖尿病患者の管理
12. より良い療養生活を送るための心理サポート
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書籍情報
- ISBN：9784758117623
- ページ数：271頁
- 書籍発行日：2015年1月
- 電子版発売日：2018年3月9日
- 判：A5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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