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レジデントノート増刊 Vol.20 No.17 免疫不全患者の発熱と感染症をマスターせよ!

  • ページ数 : 230頁
  • 書籍発行日 : 2019年1月
  • 電子版発売日 : 2019年2月13日
¥5,170(税込)
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商品情報

内容

【化学療法中や糖尿病患者など、救急や病棟でよくみる免疫不全の対処法を教えます】

診る機会も多く,対処に困る免疫不全患者の発熱と感染症.どんな患者に起こり,どう対処するのかを研修医向けに解説!原因と診断・対処法から予防までマスターして,免疫不全患者の発熱と感染症にもう慌てない.

レジデントノートバックナンバー

序文

私が免疫不全患者の発熱に頭を悩ませる初期研修医だったのはもう15年以上も前のことになります.血管内カテーテル挿入によるバリア破綻を背景に菌血症を発症され不幸にも命を落としてしまった若い患者さんのこと,造血幹細胞移植後にさまざまな抗微生物薬を用いてもなかなか熱が下がらず苦しんでおられた患者さんのことなどが昨日のことのように鮮明に思い出されます.これらの経験を経て「免疫不全を有する患者さんの診かたが身についていればよりよい診療が提供できたのではないか」と考えたことが,私が感染症を専攻するきっかけとなりました.当時は日本で感染症診療について指導を受ける機会は限られておりましたが,時を経て,国内にも免疫不全患者の発熱・感染症の診療に長けた医師が多く育成されました.本書は,これらのエキスパートの先生方から(かつての私と同じく)免疫不全患者の診療に頭を悩ませている若手の医師に診療のコツを伝授していただくべく,企画されました.

免疫不全患者の感染症は「関与する病原体の種類が多い」「重症化するまでの進行速度が速い」「臨床症状が出現しにくく診断が遅れやすい」という特徴を有していることにより対応が困難となります.「免疫不全患者の感染症は難しい」という不安から免疫不全患者の発熱や炎症反応高値を見るとやみくもな広域抗菌薬の投与(時には抗真菌薬,抗ウイルス薬の追加)に走りがちです.しかし,実際には免疫不全患者を「好中球減少」「細胞性免疫不全」「液性免疫不全・脾摘後」「バリア破綻」の4つの軸で分析することで,より細やかな対応が可能となります.第1章ではこれらの4つの軸について解説していただきます.

実際の免疫不全患者においては,上記の4つの免疫不全の因子が複合して感染症のリスクを形成します.また,基礎疾患や患者属性の特性に関連した特殊な因子が感染症発症に影響をおよぼす場合もあります.これらの因子の関与のあり方は患者背景ごとに大まかな傾向や特徴がありますので,第2章では患者背景ごとの感染症リスクと臨床対応について解説していただきます.

免疫不全患者では免疫正常者の感染症では関与する頻度が比較的低い,抗酸菌,真菌,ウイルス,寄生虫といった病原体もしばしば関与してきます.また,感染症の現れ方や重症度も免疫正常者におけるそれとは異なります.これらの病原体による感染症は一般細菌とは異なった診断・治療の戦略が必要となりますので,第3章では免疫不全患者の診療におけるこれらの病原体の「扱い方」を解説していただきます.また,免疫不全患者においては感染症の診断が難しいことからほかの患者さん以上にCRP,プロカルシトニン,β-D-グルカンなどのバイオマーカーに頼りがちです.これらについてもあわせて第3章で扱います.

免疫不全患者においては抗微生物薬やワクチンなどを用いた感染症の予防が免疫正常者における以上に重要です.その一方で,抗微生物薬の予防投与の過剰な実施は有益性が乏しいばかりか耐性微生物の選択・増殖を招きえます.また,ワクチンについても免疫不全患者で特に接種が推奨されるワクチンがある一方で,免疫不全患者で接種禁忌となるワクチンもあります.これらの感染症予防に関する情報を第4章で提供していただきます.

本書で執筆いただく先生方は免疫不全患者の感染症に関する教科書的・文献的な知識を豊富にお持ちであることはいうまでもありませんが,それに加えて実臨床で免疫不全患者の診療に頭を悩ませた経験を持ち,思索することを通じて得た血の通った「技法」をお持ちです.本書を通じてその「技法」が若手の医師達に伝承,活用され,感染症で苦しむ患者さんが一人でも多く救われることを願います.


2019年1月

藤田医科大学医学部 感染症科
原田 壮平

目次

カラーアトラス

第1章 免疫不全の機序と関連する感染症

1.好中球減少

2.細胞性免疫不全

3.液性免疫不全

4.バリア破綻

第2章 患者背景別の発熱・感染症の対応

1.固形腫瘍患者

2.血液悪性腫瘍患者

3.関節リウマチ・膠原病患者

4.糖尿病患者

5.腎不全・透析患者

6.消化管疾患・肝疾患患者

7.固形臓器移植患者

8.造血幹細胞移植後患者

9.HIV感染症患者

10.ICU患者

11.高齢者

12.終末期患者

第3章 免疫不全患者診療における微生物および検査データの扱い方

1.CRPとプロカルシトニンの有用性と限界

2.β-D-グルカン高値

3.カンジダ(Candida spp.)

4.アスペルギルス(Aspergillus spp.)

5.ニューモシスチス(Pneumocystis jirovecii)

6.抗酸菌(結核菌・非結核性抗酸菌)

7.単純ヘルペスウイルス(HSV),水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)

8.サイトメガロウイルス(CMV)

9.肝炎ウイルス

10.寄生虫

第4章 免疫不全患者における感染症予防

1.予防抗菌薬・抗真菌薬投与

2.免疫不全患者のワクチン接種(小児)

3.免疫不全患者のワクチン接種(成人)

4.免疫不全患者の入院環境管理と生活指導

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書籍情報

  • ISBN:9784758116213
  • ページ数:230頁
  • 書籍発行日:2019年1月
  • 電子版発売日:2019年2月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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