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【極めに・究める・リハビリテーション】シリーズ  極めに・究める・スポーツリハ

  • 書籍発行日 : 2019年11月
  • 電子版発売日 : 2020年2月3日
¥3,850(税込)
ポイント : 70 pt (2%)
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商品情報

内容

アスリート・健常者・高齢者のスポーツリハ と障害者のスポーツリハ が1冊になりました。具体的なスポーツ障害に加え、高齢者スポーツリハや障害者スポーツリハ、障害者の障害ごと(視覚、聴覚、精神など)のスポーツリハを取り上げます。

序文

著者序文

がい者スポーツの活動をしているのですか?」とよく質問をされます.

もともと理学療法士を志したのは,小学校から初めた競泳でケガが絶えず,早々と選手生命が閉ざされたことにより,スポーツ傷害4 4 4 4 4 4の分野にかかわりたいと思ったのがきっけでした.ところが理学療法士の世界に足を踏み入れると,医療に重きを置くアプローチがほとんどであり,病院勤務をはじめた頃は診療報酬の大幅改定により「患者が早期退院を強いられても地域における受け皿はない」といった状態で,それこそ「リハビリ難民」という言葉が生まれるほどでした.

そして退院した患者が,在宅や地域に戻っても体を動かす場所や地域での居場所がなく,「閉じこもり」「機能が悪化していく」という負のスパイラルに陥る現実を目の当たりにしたのです.そこで,患者個人を直接的にアプローチするよりも,

仮に障害や疾患を有していても,地域で心身機能の維持・向上を図り,多くの人が生き生きと暮らせる環境づくり

に興味を抱き,現在に至ります.今では,リハビリテーションの語源「re(再び)+habilis(適した)」にもあるように,地域に戻った生活の先まで見据えたアプローチこそがリハビリテーション専門職(リハ専門職)の務めと感じています.

ラリンピックや障がい者スポーツに注目が集まってきていますが,日本ではいまだに地域における障がい者スポーツの環境や実施率は改善されたとはいえません.その大きな理由の1 つとして指導者不足が挙げられ,医学書においてもこれまで障害者のスポーツ指導における実際のノウハウを蓄積した本はありませんでした.そんなことを感じていたときに,本書の依頼を相澤先生からいただきました.本書は,

地域のスポーツ指導から競技のスポーツ指導まで,その視点とメソッド

を網羅しています.リハビリ専門職がかかわる障がい者スポーツ指導においては,競技面よりも「地域で安心・安全に楽しむこと」を目的としたかかわりが多いため,その意味でも本書では地域におけるスポーツ指導の実践で活用いただける内容に重きを置きました.

7章では,「障害者がスポーツを始めるきっかけづくり」と「個々の障害者の特性に合った楽しいと思えるスポーツとの出会い」を支援する方法を,8 章〜10 章では,用具やルールの工夫次第でできないと思われていたスポーツが「できる(できた)」という感覚に変えるべく,障害特性に応じたスポーツ指導のコツ,11 章では,スポーツを安心・安全・生涯にわたり楽しむための「スポーツ傷害の予防やリスク管理の方法」を盛り込みました.執筆中はさまざまな場面を想定し,限られたスペースで文字化することの難しさを感じたものの,障害者スポーツの指導を行う際のエッセンスは注入できたと思います.ぜひそれぞれのスポーツ場面で活用いただけたら嬉しく思います.本書を通し,障害者のスポーツにかかわる人が増え,障害をもった方が楽しめるスポーツ環境が地域で根づくことを願っています.

やすいイラストを描いて下さった近田光明先生,私の講演にまで出向いてくれた丸善出版の程田靖弘さん,執筆するうえでさまざまな視点を提供してくれた堀内志保さん,いつも学びや新たな気づきをもたらしてくれるこみゅスポ研究所のスタッフ・スポーツ教室に参加してくれる皆さま,そしてやりたいことを自由にやらせてもらい支えてくれる私の家族に,心より感謝を申し上げます.


2019年11月吉日

塩田 琴美

目次

第1部 スポーツリハビリテーション

1章 スポーツリハとは

極める1 まずは,スポーツの汎用性と価値観を認識する

極める2 アスリートに寄り添い,スポーツのバリューをシェアする

極める3 スポーツリハの合言葉は「アスリート・ファースト」

極める4 「やりすぎ」と「やらなさすぎ」のバランスを考えながら,最後まで付き合う

極める5 「熱意」と「理解」で,「経験」を補う

2章 スポーツ傷害のクリニカルリーズニング

極める1 「SOAP」「クリニカルパターン」「リーズニング」で,

    受診前に原因を推察する(膝靱帯損傷)

極める2 アスリート自身の「リーズニング」と「身体機能把握力」が

    結果を左右する(ジャンパー膝)

極める3 多面的なリーズニング・評価・試行的治療が結果につながる

    (ハムストリング肉離れ)

極める4 検査・テストを駆使してほんのわずかな問題をスクリーニングすべし

3章 スポーツ外傷・障害の管理・治療

極める1 診断名に頼らず,「固有の症状」と「動作パターン」に着目して

    効果を高める(腰痛症)

極める2 トップダウン・アプローチで機能的原因に迫れ!(グローインペイン)

極める3 痛みと不安が減れば,動作パターンはある程度改善される(膝前部痛)

4章 エクササイズ,トレーニング指導

極める1 着地動作をみずして損傷リスクの減少はなし(ACL損傷)

極める2 「再損傷リスク要因」と「パフォーマンス阻害要因」が

    スポーツ復帰を叶えるキーワード(ACL損傷)

極める3 一次損傷予防と二次損傷予防は一緒ではない(ACL損傷)

5章 スポーツ復帰

極める1 「種目やポジションごとに求められる動き」に応じた指導が重要

極める2 専門職同士の協力と隙のない指導がアスリートに勝利をもたらす

極める3 怠慢・油断すると,症状悪化・再受傷の「しっぺがえし」をくらう

極める4 事故や外傷への対応は「PRICES」と「医療機関搬送」が基本

6章 高齢者のスポーツリハビリテーション

極める1 「参加年齢上限なし」のマスターズゲームズ

極める2 運動制限アドバイスのコツは「家族に接するような思いやり」

極める3 「加齢変化」「既往・併存疾患」と折り合いをつけてスポーツ復帰を目指す 

第2部 障がい者のスポーツリハビリテーション

7章 身体障害者のスポーツリハビリテーション

極める1 障がい者スポーツは, pathway modelで段階に応じて定義する

極める2 障がい者スポーツは「永遠に完成しない」

極める3 患者に合ったスポーツを勧め,評価は瞬時に・徹底的に行う

極める4 障害者の体力評価(数値化)は難しい

極める5 スポーツの実施内容は3つのザイで考える

8章 視覚・聴覚障害者のスポーツリハビリテーション

極める1 視覚障害をひとくくりにしない,競技にも幅がある

極める2 ボール競技では空間把握の特性を踏まえ,トレーニングを行う

極める3 「いきなり触る」や「こそあど言葉」は禁止.対象者の眼となり誘導する

極める4 コミュニケーションの障害を克服するべく,さまざまな方法で対話を試みる

9章 知的・精神障害者のスポーツリハビリテーション

極める1 運動に興味がないなら,あえて何もしない

極める2 走れても四つ這い動作の確認を怠るな

極める3 運動指導は5つの心がけでさま変わる

極める4 認知機能を要する運動は,精神障害に有効

極める5 うつ病患者には一時的な気分転換を目的にした運動は勧めない

10章 障がい者スポーツの環境要因

極める1 仮説を立て吟味し,「できる能力」を引き出す創意工夫を身につける

極める2 チームビルディング力でパフォーマンスは変わる!

極める3 障害と補装具・用具との密な関係を把握しろ

極める4 各競技と補装具・用具の関係性を熟知する

11章 障がい者スポーツと傷害予防

極める1 障がい者スポーツの受傷率は,アメフトより低いがバスケより高い

極める2 傷害のバリエーションを知り,さらなる障害を生み出さない

極める3 傷害予防のヒントは「健足側:義足側」の荷重割合にあり

極める4 残存機能の筋力アップさせ,運動中は左右非対称を注視する

極める5 板バネ走行のバランス能力を高め,健常者以上の走力を身につける

Column

1 「トップアスリートの担当スポーツリハ専門職は万能」に根拠なし

2 遠回りも意外と役立つ

3 スポーツリハの知識・技術は一般のリハにも大いに役立つ

4 アスリートの「はい!」と「大丈夫です!」を鵜呑みにしない

5 「じっくり考えてみよう」って,そんな時間は現場にない!

6 「誰かに蹴られました」

7 「怖い」と「怖くない」はバランスが大切

8 大勢のコンディションチェック・管理

9 リリース,マッサージ,モビライゼーションは万能ではない

10 運動学テキストの情報だけで解決しない

11 研究論文を都合よく解釈しない

12 スキーでの膝靱帯損傷のメカニズム

13 スポーツ動作の評価は攻めの姿勢が大切だが,ケガをさせては元も子もない

14 アスリートに伝わらなければ意味がない!

15 靴,用具にも再損傷予防やパフォーマンス向上のヒントがある

16 試合スケジュール,シーズンを把握していますか?

17 スポーツ現場を体感しろ

18 ドーピング

19 復帰基準,設けてますか?

20 ポテンシャルをいかに引き出すかがパフォーマンス向上のカギ

21 スポーツアナリストを知っているか?

22 必ずしも加齢=機能低下ではない

23 限界は本人が一番知っている

24 先天性 or 後天性でアプローチは異なる!!

25 スポーツで「4間」を得る

26 つまずきポイントをおさえるべし!!

27 本当は見えてない!?

28 視覚障害者は点字が読める?

29 障がい者スポーツでは,健常者と障害者どちらが勝つ...!?

30 アスリートは何かと困っている!!

31 あなたは知らない障がい者スポーツの世界

32 電動車いすサッカー元日本代表選手の声(リハ専門職へのメッセージ)

33 アスリート教育も大事だけど...,その前に生活習慣の見直しを!!

34 障がい者スポーツは,まだまだこれからが面白い!!

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対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:49.1MB以上(インストール時:101.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:196.4MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:49.1MB以上(インストール時:101.6MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:196.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784621304341
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2019年11月
  • 電子版発売日:2020年2月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。