• ページ数 : 215頁
  • 書籍発行日 : 2011年6月
  • 電子版発売日 : 2012年8月11日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

本書では、医療安全について産業界のリスクマネジメント手法を応用し解説した。

□ 病院の医療安全に疑問をもったことがありますか?
□ 自分の診療行為でヒヤリハットを感じたことがありますか?
□ 自分の医療行為をより安全にしたいと思ったことがありますか?
□ 患者さんからクレームをつけられたことはありませんか?
□ 医療者がプロとして守ることはなんでしょう?

上記に1つでも該当がある場合、本書が参考になります。
より安全で質の高い医療の実現に、ぜひご活用いただきたい一冊です。

序文

本書は医師を対象とした医療安全のガイドブックです.医療事故はひとたび起こると患者の生命に影響を与える重大な結果になるのはもちろん,もし医師であるあなたが事故に関与しているとあなたの医師としてのキャリアやあなたの人生そのものにも重大な影響を与えます.この本で問いかけることは,あなたの医療行為は安全か? ということであり,あなたの勤めている病院は患者にとってそしてあなた自身にとって本当に安全か? ということです.

危ない医療行為,安全な医療行為

あなたの行っている医療行為は安全か危険か? という問いをこの本では問いたいと思います.本来医療行為は患者に悪い影響を与える可能性があるものばかりです.手術は患者の体を切り刻むものですし,投薬は毒を与えるのと同じようなことです.したがって安全な医療行為というより,医療行為をいかに少しでも安全に行っているか? を自分自身でチェックすることが必要です.同じ医療行為でも危ないやり方と安全なやり方があるのです.

危ない病院,安全な病院

病院のシステム自体が危ない病院があります.各部門内のコミュニケーションはうまくいっているでしょうか? 各部門間の連携はどうでしょうか? トップは安全な医療を行うということを積極的に取り組んでいるでしょうか? あなたの周辺に何か重大な事故が起こったとき,病院はあなたを守ってくれるでしょうか? ぜひこの本で病院の問題点を見つけ出し,その解決策を考えてください.

本書は2000年設立の危機管理システム研究学会のメディカルリスクマネジメント分科会のメンバーを中心に執筆されています.メンバーはさまざまな企業,団体でリスクマネジメントの研究や実践を行ってきました.

本書の目的の1つは異業種からリスクマネジメントを学ぶということです.言い換えると,異業種で行っているリスクマネジメントを医療に応用するということです.事故が起きると重大な結果を引き起こすのは,医療ばかりではありません.現代社会のすべての組織でいえることです.新聞では連日社会のさまざま事故が報道されています.事故の結果,多くの人命が失われたり,何十億円もの損失が生じることもあります.医療事故よりもっと大きな損失ともいえます.さまざまな企業,組織では事故に備えて,リスクマネジメントを行っています.どうしたら事故を起こさないか,事故が起きたらどのように最小限の損失に抑えるかという研究が数多くなされています.これに対して,医療ではそのような研究はまだまだ少ないと思われます.医療は企業などのリスクマネジメントから学ぶものが多いと思われます.

本書の構成は次のようになっています.第2章で日本の医療の安全の現況を提示します.第3章ではリスクマネジメントの考え方が示されています.おそらく読者の皆さんが受けた医学教育のなかでリスクマネジメントという講義はあまりなかったと思われます.しかしながら,産業界・経済界では日常業務のなかにリスクマネジメントという考え方が浸透しています.この点では,医療の世界は遅れているといえるかもしれません.第4章は異業種の経験から学ぶことが目的です.化粧品のカスタマーサービスでの考え方は医療界に応用できるものです.現在,話題になっている内部統制という考え方からもわれわれは学ぶところが大きいと考えます.第5章は具体的にどうしたら医療事故を防げるか,その要点は何か,をいろいろな立場から解説しています.

本書で提示されるリスクマネジメントの考え方は日常の診療にきっと役立つと確信しています.


東日本大震災の被災者の方々への心からの応援の気持ちを込めて


2011年 春

著者を代表して
寺本 研一

目次

あなたとあなたの病院の危険度チェック

第1章 あなたの医療行為の安全度チェック

1.自分の医療行為に対する安全意識
自分が安全の意識をどれくらい持っているか?

2.自分自身が行う一つひとつの医療行為の安全性

3.他科医師やコメディカルとの連携における安全性

4.病院という組織の安全性
病院の上層部,経営者は安全か?

5.リスク評価
医師としての自分のリスクを考えてみよう

第2章 医療安全の現況

1.医療事故の発生

2.国・厚生労働省の対応

3.公的な医療安全対策ネットワークの整備

4.医薬品・医療機器企業の対応

5.マスコミ・メディアの対応

6.医事関係訴訟の状況

7.院・医療機関の対応

8.信頼の絆

第3章 リスクマネジメントの考え方の基本

1.リスクマネジメントとその周辺の概念

2.リスクの考え方

3.「リスクマネジメント」とそのアウトプット
求められる価値

4.リスクマネジメントのプロセス

第4章 異業種に学ぶ

異業種にリスクマネジメントを学ぶ必要性と必然性

カスタマーサービス

内部統制

チームでの情報伝達

組織トップの役割とコミットメント

第5章 どうしたら医療事故を防げるか

病院の安全管理者からのメッセージ

患者との情報伝達

放射線医療現場でのヒューマンエラー

メディケーションエラー

看護師からのメッセージ

医療活動で要求されていること

第6章 事故対応とコミュニケーション

1.東京都立病院の場合(事例研究:問題の所在)

2.医療事故発生時のコミュニケーション

3.コミュニケーション・ギャップ

4.医療事故対策マニュアルと真実告知

5.信頼とコミュニケーション

付録 患者の権利に関するWWAリスボン宣言

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書籍情報

  • ISBN:9784525431617
  • ページ数:215頁
  • 書籍発行日:2011年6月
  • 電子版発売日:2012年8月11日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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