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The Art of Travel and Global Health トラベル&グローバルメディスン 渡航前から帰国後・インバウンドまで

近 利雄, 三島 伸介 (編)

株式会社 南山堂

306 頁  (2017年9月)

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リリース日: 2019年04月12日

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「ワクチン打っておしまい」では,みえてこない世界がひらけます

開業医の外来にも先週までアフリカ出張に行っていた人が訪れる時代.本書では,ワクチンや感染症に留まらず,インバウンド・アウトバウンドそれぞれで渡航にはどのような形態があり,どんなリスクがあるのか,リスクを減らすために何ができるのかを解説.多岐にわたる不安や疑問を抱く渡航者に必要な医療を提供できるようになるための一冊.

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開業医の外来にも先週までアフリカ出張に行っていた人が訪れる時代.本書では,ワクチンや感染症に留まらず,インバウンド・アウトバウンドそれぞれで渡航にはどのような形態があり,どんなリスクがあるのか,リスクを減らすために何ができるのかを解説.多岐にわたる不安や疑問を抱く渡航者に必要な医療を提供できるようになるための一冊.


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昨今,トラベルメディスン(渡航医学 travel medicine または travel health)は日本でもその存在と 重要性が認識され始めている.しかし,残念なことにワクチン接種への傾倒,美容・アンチエイジングと の混同,旅の安全性を担保することに注視するあまりに,さまざまなストーリー展開を秘めた外国への渡 航が杓子定規な理由で阻止されているといったケースを散見する.これからの日本はさらに国際化し,国 外からの人口の流入,多様な理由や形態による海外への進出や国際協力,国内外の災害医療に伴う人の移 動,医療アクセスが十分ではない地域への渡航や移住などが一層盛んになるだろう.さらに,世界では生 物テロを含む暴力・破壊的行為は未だに後を絶たず,いつ日本の医療者がそれらと対当することになるか もわからない.本書作成にあたっては一般的な渡航医学の範疇を広げ,国際保健・国際協力・移民・難民・ 人類学・外国人診療・災害医療など,あらゆる「渡航」にも対応しうるよう広範囲に着眼した.そのため, 感染症やワクチンなど日進月歩かつ諸論諸説のあるところは専門書に譲る.また,ワクチン,医療器具など日本国内では入手できないものも注釈なしに掲載しグローバル性を保つこととした. トラベルメディスンは渡航者の健康被害・傾向と防止策などを研究・実践する学際的な医学分野だが, 旅する者を必要以上に怖がらせ,旅の中止を呼びかけることが目的ではない.医学的管理を入念にすれば, 健康リスクを抱える者を天空に聳え立つ高山や,碧色の空間を行き交う魚などを肌身で体験できるかもし れない.「南ニ死ニサウナ人アレバ,行ッテコハガラナクテモイヽト」いう(宮澤賢治)こともできよう.

「旅を経験し,楽しみ,学習し,良い人生の思い出を残す」手助けを全人的医療者として行うこと,旅を希望するあらゆる人を,実現可能な限り全身全霊でサポートすることで,渡航者・受け入れ側双方の quality of life を高めていただきたいという願いを共有し,各著者にご執筆いただけた. 編者の尊敬する恩師の一人に,母校の学長 阿部正和先生がいる.この入稿直前に昇天されたが,「人間 が幸せになるためには,単に医学や薬学の力のみでは実現できません.宗教とか哲学とか心理学とか,いわゆる人文・社会学の力を借りることが必要です」という先生の言葉のエッセンスが本書には行き渡って いる.医師・看護師のみならずとりわけ「現地に足を運んで当該国民と接し,食を共にし,"現地の空気" を身をもって経験し」,診療や研究活動・フィールドワークの最前線で日々悩み戦ってきている「活きたエ キスパート」たちにご参画いただくことで,「人を愛する」情熱的なものにでき上がったと思う. 本書がトラベルメディスンやグローバルヘルスに携わっている方々,掲載分野に興味をもち始めた方などあらゆる医療者にとって,日々の診療や進路の選択の参考となり,向き合うすべての人々に愛と情熱で このアートを活かしていただけることを祈る. この場を借りて,著書・出版に携わった皆様と資料提供にご協力いただいた皆様に深謝する.

2017年7月

近 利雄
三島 伸介


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略語集

総論

1.トラベルメディスンとは―「どこへ行くか」から「何をするか」―

A.渡航者は感染症媒介者になりうる

B.渡航前のトラベルクリニック受診Pre-Travel Consultationの重要性(アウトバウンド)

C.Mass gatheringとは,そして想定すべきこと

D.ワクチン接種だけではトラベルクリニックとは呼べない

E.帰国者・訪日外国人への対応

Column1 友人・親戚訪問の渡航者 VFR

F.グローバルな視点での診療

G.トラベルメディスンにおけるスタッフの役割

H.国際保健規則International Health Regulations(IHR)

I.国際保健の実際と公衆衛生

Column2 WHOと赤十字

2.渡航とリスク

A.交通手段・通信手段の発達

B.天災・感染症・異なる環境・テロ・紛争

C.渡航者にとっての異文化理解

D.移民・難民・国際協力における医療

3.変化する情勢

A.WHOとトラベルメディスン

B.途上国とその医療事情

C.国際協力のサポート

各論

4.海外渡航

A.目的とリスク(VFR,仕事での渡航,一般旅行者,バックパッカー)

B.安全の確保・情報収集

C.渡航に伴う様々な事故

D.習慣・宗教,戒律・法解釈や生活の違い

E.衛生動物学

F.環境医学

G.人間の行動

H.航空医学(時差,乗物酔い,航空性中耳炎など)

I.客船旅行cruise ship travel

Column3 小笠原諸島―離島医療と急患搬送―

J.長期滞在者と精神神経疾患

K.旅行保険・医療搬送・支援事業と緊急撤退

Column4 外務省医務官という仕事

L.外務省医務官が遭遇する医療問題

M.帰国後の発症

5.渡航医学で重要な感染症

A.感染対策

B.マラリア

C.渡航医学で重要な感染症

6.検疫所

A.国民を感染症から守る検疫所

B.検疫官の水際での対応

7.ワクチン・予防内服薬

A.ワクチンの適切な管理と接種

B.ワクチンで防げる疾患vaccine preventable diseases(VPD)

C.個人の防衛・社会の防衛

D.開発が望まれるワクチン

E.予防内服

8.途上国・新興国と医療

A.途上国・新興国への渡航と医療的課題

B.国際保健協力の潮流と取り組み

C.Neglected tropical diseaseとneglected zoonotic disease

D.感染症と文化・習慣・先進国によるネグレクト

E.激変する途上国の医療事情

9.災害医療

A.感染症のアウトブレイク

B.各自然災害と発生しやすい感染症

C.海外緊急医療支援

D.生物テロ

10.情勢不安定・紛争地域への渡航

A.セキュリティ・クリアランス

B.軍事医療・紛争地域でのストレス

C.難民や国内避難民の多い紛争地

D.トラウマに対するメンタルケアとスクリーニング

11.日本への移住者に対する保健医療課題

A.日本に定住化する外国人の増加

B.外国人に対する保健医療の特徴

C.様々な移住者に対する医療への配慮

12.医学的配慮を要する渡航者

A.慢性疾患・外傷・手術歴のある渡航者

B.アレルギー患者

C.小児

D.女性

E.高齢者

F.帯同家族への配慮と注意点

G.免疫不全者

H.宗教行事などにおける健康リスク

Column5 慢性疾患などをもっている渡航者の処方薬持参につい

13.訪日者・帰国者(インバウンド)

A.外国人診療

B.医療通訳の意義と限界

C.帰国児童生徒への対応

Column6 帰国児童生徒の別の側面

D.帰国駐在員(帰国時健診)

14.渡航前健診・海外赴任前健診

A.健診にあたっての確認事項

B.関連法規の解説

巻末資料

①渡航医学関連サイト

②渡航関連感染症

③インバウンドで考慮すべき主な感染症とその潜伏期間

④深部静脈血栓(DVT)・静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク軽減策

⑤ヒマラヤ山脈の聖地巡礼の例一覧

⑥海洋生物による外傷と創部感染

⑦感染性胃腸炎の病原体と潜伏期間

⑧主な魚介類食中毒

⑨急性高山病のリスク分類

⑩高地への渡航で必要な条件と禁忌となる心循環器系異常

⑪循環器疾患と航空機搭乗の是非

⑫問題となる外傷・術後の航空機搭乗

⑬各国の処方薬・市販薬持参の際の制限・処方せん・処方証明書・診断書の要否や持ち込み制限の例

⑭処方証明書の書式例

⑮世界の花粉症と大まかなシーズンの例

⑯人工妊娠中絶を巡る各国の考え方

⑰妊婦のトキソプラズマ抗体陽性率のおおよその比較


索引

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクは現在AndroidOSには未対応となっております。何卒ご了承下さいませ。

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