脳血管内治療ケーススタディ 広南流20の戦略

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2018年11月
  • 電子版発売日 : 2018年12月14日
¥6,380(税込)
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商品情報

内容

選りすぐりの症例報告と詳細かつ豊富な検査・術中画像で”脳血管内治療の虎の穴”のプロットを徹底解説!

広南病院での豊富な脳血管内治療経験から選りすぐりの症例を集めた。検査・術中画像をふんだんに使用した臨場感あふれる症例報告で、「脳血管内治療の虎の穴」のエッセンスを紹介。疾患ごとの背景や治療概念は文献的考察の形でまとめられており、脳血管内治療のノウハウを知り、また、知識のアップデートにも有用な一冊となっている。

序文

本書は,広南病院血管内脳神経外科部長の松本康史先生が第34回NPO法人日本脳血管内治療学会学術総会を主催するにあたり企画されました.

一般財団法人広南会広南病院は仙台市の南のはずれに位置し,約150床程度で脳脊髄疾患を専門とする小さな病院であります.現在の使用している屋舎は1985(昭和60)年に建設されたもので,東日本大震災による倒壊は免れたものの,壁には所々にひび割れやこすり傷が散見されます.長雨の季節には雨漏りに備えて廊下にはバケツと雑巾が準備されます.2台設置されているエレベータは医療スタッフ,患者さん(緊急搬送を含む),患者家族,医療機材,患者さんの病院食などが共用するので,日中はいつもごった返しています.おまけに2018年10月現在,いまだに紙カルテを使用し,検査をオーダーするには医師が各種伝票用紙に必要事項を記入し提出しなければなりません.

一方,広南病院では2台のフラットパネル型バイプレーン血管撮影装置を駆使して年間約1000件の診断脳血管撮影と約350件の脳血管内治療を行っています.もちろん「数」がすべてではありませんが,合併症を最小限にすることで医療スタッフの疲弊を減らし,要求に応えうる結果を出すことで患者さんや関連病院から信頼を頂き,academic outputを追求することで専門医育成施設として東北大学脳神経外科教室からの全面的なバックアップを頂いて得られた結果という側面もあるかと思います.

本書は,このような昭和の雰囲気漂う広南病院で,諸先輩が築かれた歴史を継承すべく奮闘した血管内治療経験をまとめた解説書であります.疾患ごとに章を設け,各章は手術所見を中心とした症例報告形式として臨場感を意識しました.日進月歩の脳血管内治療に対応するため,できるだけ最新の治療症例を厳選しました.各疾患の背景や治療概念などは文献的考察という形でまとめ,教科書としての普遍性を追求しました.さらに広南病院とゆかりのある先輩先生には,広南病院在籍当時の脳血管内治療との関わりをコラムとしてご執筆頂きました.ご多忙の中,快くご執筆くださいました著者の先生方には,この場を借りて心から感謝申し上げます.読者の皆様には黎明期の血管内治療の雰囲気,特に脳神経外科チームとの絡みをコラムから感じて頂ければ幸いです.

脳血管内治療に興味がある,あるいはこれから始める先生の教科書として,自施設で血管内治療を本格的に展開,発展なさろうとする先生のノウハウ本として,または血管内治療を専門となさる先生の御知識のアップデートに本書の一部でもご利用頂ければ,編集担当としてこの上ない喜びです.


2018年10月

広南病院血管内脳神経外科副部長
佐藤 健一

目次

1 術前検査

1.治療適応

2.インフォームドコンセント

3.術前検査

A.治療対象疾患の評価

B.アクセス経路

C.心機能・心疾患・呼吸機能

4.診断DSA

A.脳動脈瘤

B.脳動静脈奇形

5.抗血栓療法

A.周術期抗血小板療法

B.術中抗凝固療法

2 頭蓋内脳動脈瘤

1 傍突起部内頚動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

2 後交通動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

A.動脈瘤からの分枝を犠牲にできるかどうかの判断

B.PcomAの解剖と急性閉塞

C.PcomAを犠牲にできるかの判断法

3 前脈絡叢動脈瘤

CASE REPORT 1

 考察

A.AchAの解剖

B.AchAの血管撮影所見

C.AchAのvariationと治療的閉塞

4 内頚動脈終末部動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

5 前交通動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

6 中大脳動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

7 前大脳動脈遠位部動脈瘤

CASE REPORT 1

 考察

8 椎骨脳底動脈紡錘状動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

A.親動脈閉塞・近位閉塞

B.ステント支援下coil塞栓

C.stent留置

D.Flow diversion

9 後下小脳動脈瘤・前下小脳動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

10 上小脳動脈分岐部動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

A.脳底動脈・上小脳動脈の解剖学的特徴

B.血管内治療の戦略

C.複雑な形状の脳動脈瘤に対する治療戦略

11 脳底動脈先端部動脈瘤

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

広南病院の歴史と脳血管内治療

3 海綿静脈洞部大型内頚動脈瘤

概論

CASE REPORT 1

 考察

A.手術適応

B.BTO

C.Pipelineを用いたflow diversion

広南病院での脳血管内治療黎明期について

4 椎骨動脈解離

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

A.椎骨動脈解離に対するinternal trapping

B.椎骨動脈解離に対するステント治療

わたしの虎の穴「広南病院」と脳神経血管内治療黎明期

5 脳動静脈奇形

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

A.塞栓術の適応と術前評価

B.塞栓方法と塞栓物質

C.合併症の予防

広南病院の思い出

6 硬膜動静脈瘻

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

A.術前画像検査

B.治療適応

C.血管内治療

D.治療後経過

私の脳神経外科医としての魂の故郷:広南病院

7 頚部内頚動脈狭窄症

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

 考察

A.術前のアクセスルート評価

B.Staged angioplastyの意義とは

広南病院の思い出

8 頭蓋内動脈急性閉塞

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

A.画像検査と時間短縮

B.ステント型か吸引型か

C.血栓回収後に安存する頭蓋内動脈狭窄

広南病院の思い出

9 脳腫瘍塞栓

CASE REPORT 1

CASE REPORT 2

CASE REPORT 3

 考察

A.皮膚を栄養する血管からの塞栓について

B.リスクが高い血管からの塞栓について

C.巨大下垂体腺腫・血管芽腫の塞栓について

広南病院の思い出

10 脳血管攣縮に対する治療

CASE REPORT 1

 考察

A.脳血管攣縮に対する血管内治療の適応

B.バルーンカテーテルを用いたPTA

C.薬剤局所動注療法

広南病院の思い出

11 Computational fluid dynamicsによる血流解析を用いた脳血管内治療計画

CASE REPORT 1

 考察

12 脳動脈瘤におけるwall imaging

A.破裂瘤と未破裂瘤における瘤壁造影効果の定量的比較

B.多発性脳動脈瘤の出血源診断

C.増大瘤における瘤壁造影効果


終章

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498328266
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2018年11月
  • 電子版発売日:2018年12月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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