小児生活習慣病ハンドブック

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2012年7月
  • 電子版発売日 : 2013年1月1日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

小児領域の生活習慣病の診断や治療・予防の指針となるガイドブック!

第一線で活躍しているエキスパートが、最新の知見を踏まえて執筆した。小児科医はもちろんのこと、栄養士などの医療従事者のステップアップにも最適な一冊です!

序文

近年我が国における小児の生活習慣は確実に変化している.この生活習慣の変化は,小児にとってのみならず,成人になってからのさまざまな健康問題と密接に関係していることがわかっている.これらの問題は,1996年に厚生労働省が「成人病」を「生活習慣病」と改めるなど,すでに15年以上前から注目され啓発活動などが行われてきた.しかしながら,生活習慣の変化が非常に多彩であることや小児科領域での生活習慣病対策が十分でなかったことなどから,必ずしも小児の生活習慣病に対する基本的な診断・治療・予防のガイドラインが十分に示されていないのが現状と考えられる.

最近の研究によって生活習慣病の病因や病態が明らかにされてきており,それらに基づいて小児の生活習慣病を早期に発見し,治療や予防を行っていくことが大切である.そのためには疫学研究も非常に重要であり,生活習慣病の急増に小児期の肥満が関与していることなども詳細な疫学調査から明らかとなっている.未熟児・新生児領域ではDOHaD説と生活習慣病の臨床研究が盛んに行われており,Barker仮説から始まったこの説が今後またどのように変化していくかも注目されるところである.

近年,「メタボリックシンドローム」という言葉がマスコミなどにしばしば登場して話題となっている.肥満とインスリン抵抗性という共通の病態を基盤として,高脂血症や高血圧などが重積し,動脈硬化に基づく虚血性心疾患や脳血管障害の発症リスクが増大する症候群と考えられ,当然小児においても医学的介入が必要となってくるはずである.しかしながら小児のメタボリックシンドロームへの対応,あるいは小児の肥満や糖尿病・耐糖能異常,高脂血症,高血圧などに対する治療や予防法について系統的な指針を示した書籍はこれまでにほとんどない.

そこで今回,現代の生活習慣の変化に十分対応した小児科領域における生活習慣病に対する診断や治療・予防の基本ガイドとなるハンドブックとして本書を編集した.特に小児において非常に重要と思われる生活習慣病の早期発見や予防対策については,それぞれ前者は第III章で4名の,後者は第IV章で6名の第一線で活躍される方々により具体的にご執筆頂いた.本書が小児の生活習慣病を診療する先生方のバイブル的存在となり,ひとりでも多くの子どもたちが生活習慣病とは縁のない生活を送れることを大いに期待したい.


2012年7月

清水俊明

目次

Ⅰ章 小児の生活習慣病

1.生活習慣病とは

A.生活習慣病の概念とその変遷

B.子どもにとって生活習慣病の重要性とは

C.生活習慣病のリスクとその評価

D.小児の生活習慣病への対応

2.生活習慣病の疫学

A.生活習慣の背景

B.生活習慣病の現状

C.成人への移行と生命予後

3.生活習慣病の病因・病態

A.生活習慣病の病因

B.生活習慣病の病態

4.DOHaDからみた生活習慣病

A.胎児プログラミング仮説

B.Developmental origins of health and disease(DOHaD)仮説

C.インスリン抵抗性・耐糖能の低下


Ⅱ章 各種疾患と小児の生活習慣病

1.肥満症

A.肥満,肥満症,メタボリックシンドロームについて

B.肥満発症の要因

C.肥満の判定

D.小児肥満症の判定基準

E.肥満症の治療

F.症候性肥満

2.糖尿病・耐糖能異常

A.ヒトの生命活動と血糖制御機構

B.インスリン抵抗性の臨床症状

C.生活習慣病およびメタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性の位置づけ

D.インスリン抵抗性形成のメカニズム

E.生活習慣病としての2型糖尿病の治療

3.高脂血症

A.高脂血症の診断

B.学童期の高脂血症

C.治療

4.高血圧

A.小児の血圧測定と高血圧基準値

B.小児の本態性高血圧の発症機序

C.小児期の高血圧者の予後

D.生活習慣病としての高血圧の予防のための小児期からの対応の実際

5.メタボリックシンドローム

A.メタボリックシンドロームとは

B.小児のメタボリックシンドローム

C.小児メタボリックシンドロームの診断基準

D.小児肥満症と小児メタボリックシンドローム

6.脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝障害

A.脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝障害・非アルコール性脂肪性肝炎の定義

B.NAFLD・NASHの疫学

C.NAFLD・NASHの病因・病態

D.NAFLDやNASHの診断

E.NAFLDやNASHの予後

F.NAFLDやNASHの治療

7.その他の生活習慣病(胃食道逆流症・高尿酸血症・骨粗鬆症)

A.胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)

B.高尿酸血症

C.骨粗鬆症


Ⅲ章 小児の生活習慣病の早期発見

1.低出生体重児におけるリスク因子

A.糖質代謝と生活習慣病

B.リポ蛋白,アポ蛋白,脂質代謝と生活習慣病

C.低出生体重と血圧との関連

2.幼児の生活習慣アンケート

A.対象

B.方法

C.結果

D.アンケート調査からわかること

3.思春期の生活習慣・食習慣と心血管危険因子値

A.対象

B.方法

C.結果

4.小児の肥満の実態

A.わが国の小児肥満の現状

B.小児肥満対策上の課題


Ⅳ章 小児の生活習慣病の予防と対策

1.周産期からの生活習慣病予防

A.リポ蛋白濃度に関する胎児・新生児栄養の結果としての長期予後について―ヒトと実験動物から

B.母体の栄養状態や疾病の有無と脂質代謝障害の関係

C.HDLの多様性と胎児・新生児期への推移

D.胎児・新生児期におけるLDLプロフィール

E.エピジェネティクスメカニズム―食品成分によるDNAメチル化制御

2.幼児期・学童期における生活習慣病予防

A.幼児・小学生の生活状況

B.小児期の生活習慣の特徴

C.生活習慣病の予防

3.思春期における生活習慣病予防

A.肥満,高血圧,高脂血症,メタボリックシンドロームの予防

B.厚生労働省研究班による思春期生活習慣病予防に関する提言

C.その他留意すべきこと

4.生活習慣病に対する食事療法

A.小児の生活習慣病のバックグラウンド

B.生活習慣病の予防としての食生活・食育

C.肥満の食事療法

D.食事療法を継続させるには

E.2型糖尿病

F.高脂血症(脂質異常症)

G.高尿酸血症

H.脂肪肝

I.高血圧

5.生活習慣病に対する運動療法

A.運動療法とは

B.運動療法の意義

C.運動療法の進め方

D.生活習慣病を有している肥満小児に対する運動療法・食事療法の効果

6.生活習慣病に対する薬物療法

A.2型糖尿病

B.脂質異常症

C.高血圧

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書籍情報

  • ISBN:9784498145207
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2012年7月
  • 電子版発売日:2013年1月1日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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