発達障害‐早めの気づきとその対応

  • ページ数 : 194頁
  • 書籍発行日 : 2012年12月
  • 電子版発売日 : 2013年10月18日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

発達障害の早期発見や療育を始める機会として重要視されている早期スクリーニングについて、それぞれのツールの具体的な目的や手法、また実際にスクリーニングを行うシステムや取り組み、療育における基本的な手法や支援などのノウハウを平易に解説。

日常診療や健診で乳幼児期~小学校低学年にあたる子どもを診る機会のある小児科医、内科医はもちろん、看護師や保健師などのメディカルスタッフにも役に立つ一冊!

序文

最近の社会的な課題の背景に発達障害の存在が指摘されている.自分の気持ちをうまく伝えられない子どもや,相手の気持ちをうまく理解できない子どもが目立っている.家庭では,保護者が子どもの考えていることがよく分からず,子育てに悩んだり,虐待が引き起こされることもある.学校場面ではほかの子どもとの関係が作れなかったり,集団行動が苦手である.先生からみれば何を考えているか分からない存在であり,ほかの子どもからみれば社会的ルールが理解できない変わった子どもである.先生からは叱られてばかりいて,友達からは"からかい"や"いじめ"の対象になりやすい.本人が感じる社会的不適応感は根深く,これを契機に"不登校"や"ひきこもり"となり,社会からドロップアウトしてしまうこともある.

最近の考え方としては,発達障害は早期の段階から存在するものであり,なるべく早めに気づいて対応できることが望ましい.その一方で"発達障害"という言葉ばかりが先行してしまって,過剰診断も指摘されている.発達の早期の段階できちんとしたアセスメントが行われ,適切な対応が用意されていれば,発達障害そのものは存在していても,社会不適応の部分は目立たなくなるはずである.このような観点から,発達早期段階における,適切なアセスメントと,それに基づく適切な療育を目指すことが重要と考えて,このような本が出版されることを期待していた.その分野で先進的に活動しており,趣旨に賛同してくださる筆者らに恵まれ,本の執筆は進んだ.臨床現場で相談や判定に活躍されている方々,あるいは療育等に従事されている方々にとってこの本が役立つことを期待している.医師,看護師,心理士,精神保健福祉士,保育士,指導員など,発達障害児の支援に関連する職種にとって,この本で取り上げた話が有用であることが望まれる.

中外医学社から構想をいただいてからかなりの日時を費やしてしまった. 宮崎雅弘,森本俊子氏をはじめ中外医学社の方々の温かい見守りによって発行にこぎつけたことを,改めて感謝する.


2012年10月

編集代表 市川宏伸

目次

第1章 早期スクリーニングの重要性について

A.発達障害への支援

B.発達障害の気づき

C.健診制度の現状

D.これから

第2章 早期スクリーニングの実際

Ⅰ スクリーニングのツール

1.総説

A.発達障害の早期スクリーニングの必要性と臨床的意義

B.早期スクリーニングの年齢と早期兆候

C.スクリーニングツールの使われ方:レベル1スクリーニングとレベル2スクリーニング

D.スクリーニングツールの有効性の評価

E.ASDの早期スクリーニングツールとその有効性

F.使用上のメリットと限界点,留意点

2.M-CHAT(Modified Checklist for Autism in Toddlers:乳幼児期自閉症チェックリスト修正版)

A.M-CHATの概要

B.M-CHATの使用の手順

C.乳幼児健診でのM-CHATの活用

D.社会的行動の獲得時期

E.早期からの育児支援としてのM-CHATの活用

3.PARS

A.PARSの概要

B.PARSの作成過程と基本特徴

C.PARSの構成と評定方法

D.PARS短縮版

E.PARSの使用条件

F.PARS評定の実際

G.PARSを用いた幾つかの研究とPARSの今後

4.AQ-J(自閉症スペクトラム指数)

A.自閉症スペクトラム

B.自閉症スペクトラム指数

C.AQ の構成

D.自閉症スペクトラム指数(AQ)日本語版・成人用(対象年齢:17歳以上)

E.自閉症スペクトラム指数(AQ)日本語版・児童用(対象年齢:6~16歳)

F.自閉症スペクトラムという考え方の意義

G.自閉症スペクトラム指数(AQ)の有用性

5.ADHDのスクリーニング

A.ADHDの概説

B.幼児期・学童期の症状

C.早期の気づきのためのスクリーニングツール

D.留意点

6.LDのスクリーニング

A.言語発達の問題について

B.読み書きの問題

C.スクリーニング検査


Ⅱ スクリーニングのシステム

1.総説

A.母子保健法に基づく乳幼児健康診査

B.発達障害者支援法と乳幼児健康診査

C.5歳児健康診査について

D.乳幼児健康診査の実施状況

E.その他の発達障害児支援施策

2.5歳児健診

a.鳥取県の取り組み

A.5歳児健診

B.5歳児発達相談

b.東京都世田谷区の取り組み

A.早期発見・早期対応

B.個別的継続支援

C.相談から療育までの一貫した支援体制の整備

D.地域支援基盤の整備

E.今後の課題

3.1歳6か月児,3歳児健診の充実

a.豊田市のケース

A.地域療育システム

B.豊田市の地域療育システム

C.豊田市のスクリーニングシステム

b.横浜市のケース

A.早期発見に始まる早期介入への導入

B.幼児期の早期介入

C.今後の展望

第3章 療育の実際

1.総説

A.自閉症スペクトラム児への療育の現状

B.今後の発展に向けて

2.TEACCH

a.総論

A.TEACCH総論

B.構造化とは

C.構造化の実際

D.「構造化」ははずしていくべきものか?

b.超早期介入の実際

A.ウィルミントンTEACCHセンターにおける超早期介入

B.親教育

C.早期介入のゴール

3.ABA

a.応用行動分析(ABA)とは

A.発達障害支援におけるABA

B.ABAの基本メカニズム

C.刺激をさまざまな形でコントロールした支援

D.機能的アセスメント

E.現在のABAの方向性

b.ABAの早期介入

A.早期介入の必要性

B.ABAの介入技法

C.ABAによる超早期介入

D.日本での早期介入のあり方

4.コミュニケーション支援

A.コミュニケーションを成立させるために

B.コミュニケーションはメッセージのやりとりである

C.コミュニケーション手段とルール

D.コミュニケーションの評価と文脈

E.大切なことは 166

5.家族支援とペアレント・トレーニング

A.家族支援の基本

B.家族支援と障害受容

C.発達障害のペアレント・トレーニング

D.ペアレント・トレーニングの実際

E.家族支援における肯定的注目

6.LDの支援・指導

A.効果的支援を考える際に大切なこと

B.LDのある子どもへの読み・書き・算数の支援・指導


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書籍情報

  • ISBN:9784498145184
  • ページ数:194頁
  • 書籍発行日:2012年12月
  • 電子版発売日:2013年10月18日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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