小児科外来診療での薬の考え方,使い方

  • ページ数 : 234頁
  • 書籍発行日 : 2011年5月
  • 電子版発売日 : 2011年12月17日
¥5,940(税込)
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商品情報

内容

小児外来診療における薬物投与での、より効果的で安全な薬物の選択、使用法について総論および疾患別各論にて記した「小児科外来診療での薬の考え方,使い方」の電子書籍版です。
電子書籍版では、目次・索引リンク、薬剤名から今日の治療薬へのリンク参照、全文検索、PubMedリンクなど電子ならではの機能で、より立体的に参照することができます。

序文

わが国の国民性もあるのかもしれませんが,外来診療において,必要なき症例においても無投薬で診療を終えることがなかなかできません.せっかく受診し,長い待ち時間を経て,診療を受けたのに,何故,風邪薬 1 つ出さないのかと叱責を受けることさえあります.一方,発疹が生じると,すぐに薬疹として勝手に家族が自己断薬していることも多々経験されます.「薬好きで薬に過敏な国民性」といえるのかもしれません.さらに,処方しても,すべて指示通り服薬してもらえるとは限らず,そのコンプライアンスは悪いことが多いと考えられます.この結果は,薬物効果がないのは投薬量が少ないのかもしれないと誤った医師の判断につながる危険性さえ生まれてしまいます.いかに,薬物療法が,医師・患者家族における信頼関係が維持されたなかで成立するものかを物語っているといえます.

このような状況の中,われわれ医療提供者がどこまで疾患とその治療の必要性,さらには薬物療法の有用性をどこまで熟慮して,治療の武器として薬物を理解応用しているか? は一考すべき価値があると考えられます.実際に,医学の進歩で,遺伝薬理学の研究から,薬物代謝酵素,薬物レセプターの遺伝子多型がわかってきました.このような発達薬理学,遺伝薬理学の視点を臨床に取り入れて,適切な薬理効果,副作用発症防止に努めていく時代になっていると考えられます.環境汚染など人間社会にとって,負の現象も鋭く問われる時代になりましたが,われわれ小児科医も新生児から子ども達の治療を求められ,否応なく薬物療法を行なっています.そのような発達の始点にある子ども達に,不要な薬物投与を行なうことは,Developmental Origin of Health and Disease(DOHaD)の観点からも由々しき問題となるでしょう.外来診療で何気なく使っている薬物を,今一度考え,より効果的で安全な薬物の選択,使用法を模索し,子ども達への負の,あるいは悪の DOHaD にならないようにしたいとの想いから,本書の刊行を思い立ちました.中外医学社の小川孝志氏にはなかなか筆が進まないなか辛抱強く待っていただき刊行して頂いたことに感謝申し上げ,一人でも多くの小児医療者に薬物療法の再考の契機に本書がなることを心から願っています.


平成23年 2月

市川 光太郎

目次

Ⅰ.総論

1.はじめに

2.臨床薬理における小児の特徴

1.薬の吸収

2.薬の蛋白結合率と体内分布

3.薬物の体内代謝

3.薬剤の分類

4.妊娠と薬剤

5.授乳と薬剤

6.内服薬における食事の影響

1.吸収過程による相互作用(薬物動態学的相互作用)

2.代謝過程による相互作用(薬物動態学的相互作用)

3.ワルファリンとビタミン K 含有食品(薬力学的相互作用)

4.カフェイン含有飲料(薬力学的相互作用)

7.服薬コンプライアンスを上げるための対応

8.小児科で役に立つ OTC(over the counter)薬

9.使用時に注意が必要な薬剤

10.その他

各論

Chapter 1 中枢神経系

1.頭痛

2.熱性けいれん

3.無熱性けいれん

4.ウイルス性胃腸炎に伴うけいれん

5.起立性調節障害(起立性低血圧)

6.めまい

Chapter 2 循環器系

1.動悸(頻脈)

2.蘇生薬

3.蘇生維持薬

Chapter 3 呼吸器系

1.気管支炎・肺炎

1-1.急性気管支炎

1-2.急性細気管支炎

1-3.急性肺炎

2.気管支喘息

3.クループ(症候群)

4.中耳炎

4-1.急性中耳炎

4-2.反復性中耳炎と滲出性中耳炎

反復性中耳炎

滲出性中耳炎

5.副鼻腔炎

5-1.急性副鼻腔炎

5-2.慢性副鼻腔炎

Chapter 4 消化器系

1.腹痛

2.下痢

3.嘔吐

4.便秘症

Chapter 5 腎尿路系

1.夜尿症と遺尿症

2.尿路感染症

3.帯下

Chapter 6 皮膚

1.伝染性膿痂疹

2.蕁麻疹

3.アトピー性皮膚炎・湿疹

4.目やに,目が痒い

5.虫刺され 他

6.熱傷

Chapter 7 治療薬の考え方

1.解熱剤

2.鎮痛

3.鎮静

4.経口補液

5.経口抗生剤の使い方

疾患・病態別の使い方

セフェム系

マクロライド系

索引

薬物名索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498145146
  • ページ数:234頁
  • 書籍発行日:2011年5月
  • 電子版発売日:2011年12月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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