アトラス骨・関節画像診断 2.関節-下肢-

戸山 芳昭 (シリーズ監修) / 津村 弘 (編集) / 中外医学社

  • ページ数 : 126頁
  • 書籍発行日 : 2010年8月
  • 電子版発売日 : 2011年12月29日
¥4,840(税込)
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商品情報

内容

整形外科領域の代表的疾患画像を網羅する『アトラス 骨・関節画像診断』シリーズの「下肢」編。日常的によくみる症候から稀な疾患まで、股関節、大腿部・下腿、膝関節、足関節・足部に関する疾患を多数の写真を用いて解説した。
電子書籍版では、目次・索引リンク、今日の治療薬や南山堂医学大辞典へのリンク参照、串刺し検索、PubMedリンクなど電子ならではの機能で、より詳しく参照いただけます。

序文

監修の序


厚生労働省で3年に一度実施している国民生活基礎調査からも明らかなように,国民の自覚症状の上位を腰痛や肩こり,関節痛などの運動器障害が占めている.実際の受診病名別でも腰痛は高血圧の次に多い疾患にランクされている.さらに,関節症や転倒・骨折が要支援・要介護の原因として大きく関与していることも明らかとなっている.これらの運動器疾患・障害は高齢化と共に増加の一途を辿ることは間違いなく,整形外科医の果たす役割,責任は極めて大きい.実際,運動器に疾患や障害を有する子供からお年寄りまで,多くの患者さんが整形外科外来を受診し,また入院治療を行っているのが現状である.

一方,近年特に医療界では国民への的確で安全・安心な医療の提供が医療側に強く求められている.診断には問診,視診,触診などの診察に加えて,特に運動器疾患・障害には各種画像検査法は必須の補助診断法となっている.画像検査も以前は単純X線のみであったが,その後CTそしてMRIが臨床応用され,それらも今や三次元立体画像から組織型まである程度判断できるまでになっている.さらには特殊な画像処理をすることにより高磁場MRIを用いて夢であった脊髄投射路まで描出可能なところまで来ている.以前は全く描出不可能であった病変が今や鮮明に映し出される時代になったと言っても過言ではない.診察をおろそかにして画像検査のみに頼ることは決して良くないことであるが,補助診断法として有効活用することは必要なことである.CTやMRIは,今後もMDCTやMR myelography,MR angiography,拡散テンソルtractographyなどを含め幅広く発展し,病変部位をより詳細かつ鮮明な画像として描出してくれるものと期待している.さらには,PETやSPECTなどの核医学検査を加えることで,腫瘍性病変などはより早期に確実な診断が可能となっている.

そこで今回,運動器の各分野で多くの臨床経験を有し,現在も第一線で活躍中の我が国トップレベルの整形外科医に資料提供と執筆をお願いし,整形外科領域の画像診断のレファランスとして,「1. 関節─上肢─」「2. 関節─下肢─」「3. 外傷」「4. 骨・軟部腫瘍」「5. 脊椎・脊髄」「6. 小児」の6冊からなるシリーズ書籍『アトラス骨・関節画像診断』を刊行することとなった.本書は整形外科画像診断の教科書としてバイブル的存在に成り得るものであり,その内容も,日常良く遭遇する疾患・外傷から専門性の高い稀な疾患までを全て網羅し,鮮明な画像と共に,その疾患の「概念」「特徴と読影のポイント」「Question & Answer」「ワンポイント」などでわかりやすく説明されている.

本書が整形外科を志す若手医師,専門医を目指す整形外科医,常日頃一般診療に携わっている整形外科医,そして学生教育を担当している整形外科医の座右において頂いて,運動器を扱う整形外科の診療,教育の一助となれば幸いである.


2010年 6月

戸山 芳昭




この本を手に取られてページを開かれた皆様は,きっと運動器疾患の治療の必要性が社会問題化していると,日々実感されていると思います.毎日の診療に追われると,治ればよいという気持ちと治せるという自信から,つい,診断は疎かになりがちです.変形性関節症でも関節リウマチでも人工関節置換術をすれば,とりあえず成績はよいという考えに,私自身染まっていた時もありました.しかし,人工関節置換術をしたあと,術中関節液から細菌が検出されたりすると,抗菌薬を長めに使いながら,後はお祈りするしかない状況に追い込まれてしまいます.やはり,最も重要なことは診断です.医師は,五感を使って診断を進めるべきであり,人間は地上で最も優れたセンサーであるというのは,よく言われることですが,現代の発達した画像診断技術は,確実性と客観性を担保する強力な武器であることは間違いありません.そのため,運動器疾患の網羅的な画像アトラスの下肢編を担当せよとのお話を,監修の戸山芳昭先生と中外医学社よりいただいたとき,非常に光栄に思うと同時に,その必要性に共感いたしました.扱うべき疾患を挙げ,誰に原稿を依頼するかを,文献検索などを行いながら検討いたしましたが,著者が関東以西に偏っている結果になりました.私自身の世間の狭さが禍いしたようにも思います.しかし,そのためか,著者の皆さんは熱心に書いて下さり,たいへん良いものとなったと自負しています.出来上がった本を見ると,各分野の専門医がどのような画像のどのような点に注目して診断をしているのかという,画像診断のアルゴリズムが見えてきます.この点が,単なる画像と所見を並べただけのアトラスとの大きな違いです.疾患そのものを深く勉強するには,別の教科書が必要でしょうが,疾患概念を掴み,印象的な画像を目に焼き付けることは,新患を診察する上で有用だと思います.各疾患は,多くの画像と極めて短い説明文で構成されています.したがって,わずかの時間で読むことができ,学習しやすい本となっています.医学生や研修医の教育にも活用できると思います.

本書を,ぜひ,運動器疾患の治療に携わる多くの医師や医療関係者に利用していただきたいと念じて止みません.


2010年 6月

津村 弘

目次

Chapter 1 股関節

臼蓋形成不全症

進行期股関節症

末期股関節症

特発性大腿骨頭壊死症

症候性大腿骨頭壊死症

一過性大腿骨頭萎縮症

急速破壊型股関節症

大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折

関節リウマチによる股関節障害

関節リウマチによる臼底突出症

化膿性股関節炎(成人)

結核性股関節炎

人工透析による股関節障害

股関節の滑膜骨軟骨腫症

股関節唇損傷

人工股関節のゆるみ

Chapter 2 大腿部・下腿

脛骨化膿性骨髄炎

Chapter 3 膝関節

内側型変形性膝関節症(初期)

内側型変形性膝関節症(末期)

外側型変形性膝関節症

膝蓋大腿関節症

反復性膝蓋骨脱臼

特発性大腿骨内側顆骨壊死

膝関節の離断性骨軟骨炎

関節リウマチによる膝関節障害

CPPD結晶沈着症

化膿性膝関節炎

Charcot膝関節(神経病性膝関節症)

膝関節の滑膜骨軟骨腫症

色素性絨毛結節性滑膜炎

半月損傷

円板状半月

前十字靭帯損傷

後十字靭帯損傷

内側側副靭帯損傷

人工膝関節のゆるみ

Chapter 4 足関節・足部

変形性足関節症

距骨滑車骨軟骨損傷

関節リウマチによる足関節障害

痛風

踵骨棘(足底腱膜炎)

扁平足

外反母趾

関節リウマチによる前足部障害

有痛性外脛骨

三角骨障害

足根骨癒合症

中足骨の疲労骨折(行軍骨折)

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498054585
  • ページ数:126頁
  • 書籍発行日:2010年8月
  • 電子版発売日:2011年12月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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