消化管内視鏡エキスパート ②胃癌

  • ページ数 : 166頁
  • 書籍発行日 : 2013年7月
  • 電子版発売日 : 2013年12月20日
¥7,700(税込)
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商品情報

内容

消化管早期癌の診断・治療をテーマとした『消化管内視鏡エキスパートシリーズ』その「2.胃癌」。消化器内視鏡専門医と専門医を目指す医師必携の1冊です。

本書はかゆいところに手が届くQ&A形式で、日ごろの早期胃癌の診断から治療、困ったときの対応についてエキスパートが解説。日常の診療に役立つ書籍です。

序文

『消化管内視鏡エキスパートシリーズ』の第2巻(胃癌)の編集を担当させていただいた.私の力不足で第3巻の発刊から遅れること1年8カ月となり,早くに脱稿していただいた先生方,また中外医学社の方々にこの場をお借りしお詫びを述べたい.

また,編集中に日本消化器内視鏡学会の抗血栓薬のガイドラインの改訂に伴い,内容を変更していただいたような経緯もあり,大変申し訳なく思っている.

早期胃癌の内視鏡治療は近年ESDが主流となり,さまざまな研究会や学会でその技術を学ぶ機会も多くあり,日本全国に普及している.しかし,全国普及の影にはいろいろな偶発症があるが,報告されずに終わっているものもあり,セカンドオピニオンなどの形で明らかになることもあり,high volume centerでの治療が広く浸透しているとは言い難い.

本書はそのような現状を踏まえ,読者の先生方のかゆいところに手が届くQ and Aシリーズとなっており,日ごろの早期胃癌の診断から治療,困ったときの対応について,エキスパートの先生方の適切な意見が反映されている.質問事項は消化器内視鏡医としての初心者,中堅,ベテランから集積し,毎日の診療でよく遭遇する疑問点から,まれだが重要なポイントなどよく網羅されており,日常役立つ本であると自負している.

最後にお忙しいなかすばらしい内容の原稿をご執筆いただいた諸先生方に厚く御礼申し上げます.またこのような企画の機会を与えてくださった中外医学社の担当諸氏に感謝いたします.


2013年5月

がん研有明病院消化器センター 藤崎 順子

目次

I 基本編

 1.胃癌に対する内視鏡切除をする前に:インフォームドコンセント,死亡例,重篤な偶発症についての頻度など 〈後藤田卓志〉  

  A.手技以前の問題として  

  B.歴史を知る  

  C.適応とは  

  D.説明と同意  

  E.偶発症について  

  F.内視鏡切除後について  

 2.機器,高周波に関する基本:手技の基本,局注液,切除・止血のデバイス 〈山本頼正〉  

  A.早期胃癌ESDで使用する内視鏡  

  B.高周波発生装置の基本  

   1.ICC200(ERBE)  

   2.VIO300D(ERBE)  

   3.ESG―100(OLYMPUS)  

  C.切除・止血デバイス  

   1.切除デバイス  

   2.止血デバイス  

  D.局注液  

  E.早期胃癌ESD手技の基本  

   1.病変のマーキング  

   2.局注とプレカット  

   3.粘膜切開  

   4.粘膜下層剥離  

   5.病変の回収  

   6.予防的止血  

 3.術前内視鏡診断  

 (1)範囲診断(通常・色素・拡大内視鏡) 〈八木一芳 中村厚夫〉  

  A.通常内視鏡所見  

  B.色素内視鏡診断  

  C.拡大内視鏡診断  

  D.フローチャートからの拡大診断  

   1.White zoneが観察されない拡大像  

   2.White zoneが観察される拡大像  

  E.拡大観察による範囲診断症例  

 (2)深達度診断(通常および超音波内視鏡) 〈三宅直人 長南明道〉  

  A.超音波内視鏡による正常胃壁の基本層構造  

  B.EUSによる早期胃癌深達度診断の基本  

  C.肉眼型別深達度診断  

   1.0―I型(隆起型)  

   2.0―II型(表面型)  

   3.0―III型(陥凹型)  

 4.ESDの周術期管理 〈平澤俊明〉  

  A.人員配置  

  B.準備,前処置  

  C.術中管理  

   1.鎮静,鎮痛  

   2.鎮痙剤  

   3.モニタリング  

  D.術後管理  

 5.クリニカルパス(入院日程のめやす) 〈大前雅実〉  

  A.パスの概要  

  B.バリアンス評価  

  C.考察  

 6.病理診断:切除標本の取扱いから根治度評価まで 〈二村 聡 佐藤啓介 塩飽洋生〉  

  A.切除標本の取扱い  

   1.総論的事項  

   2.各論的事項  

  B.根治度評価  

   1.腫瘍の組織型  

   2.腫瘍の壁深達度  

   3.脈管侵襲の有無  

   4.癌巣内の消化性潰瘍または潰瘍瘢痕の有無  

   5.水平・垂直断端における腫瘍露出の有無  

   6.その他  

 7.術後経過観察について  

 (1)CT,内視鏡検査の間隔 〈山本頼正〉  

  A.治癒切除の場合  

   1.ガイドライン適応内病変治癒切除  

   2.分化型ガイドライン適応拡大病変治癒切除  

   3.未分化型ガイドライン適応拡大病変治癒切除  

  B.非治癒切除の場合  

   1.追加外科切除を必要とする非治癒切除  

   2.追加外科切除を必要としない非治癒切除  

 (2)異時多発の問題(ピロリ除菌,ペプシノゲン) 〈菅沼孝紀〉  

  A.ESD後の経過観察法・治療法  

  B.血清ペプシノゲン(PG)  

  C.ABC検診(胃癌リスク検診:胃炎検診)  

  D.H. pylori感染確認・判定法  

   1.内視鏡を使う方法  

   2.内視鏡を使用しない方法  

  E.H. pylori除菌方法  

   1.一次除菌方法  

   2.二次除菌方法  

   3.三次除菌方法(保険適応外)  

  F.二次癌とピロリ菌  

 8.ESD術者のトレーニング 〈中村仁紀 矢作直久〉  

  A.ESDをはじめる必要条件  

   1.正確な術前診断  

   2.精密なスコープ操作  

  B.ESD習得に必要な基礎知識  

   1.必要な機器の特徴や設定  

   2.ESDの流れと手順  

   3.ESDの戦略  

  C.アニマルモデルによるトレーニング  

  D.実臨床(指導者の介助下)でのトレーニング  

   1.術前の留意点  

   2.術中の留意点  

   3.術後の留意点  

  E.動画の見方  

  F.上級者・エキスパートへの道  


II Q & A

■ 診断編 ■

 Q1.NBI各論 A.分化型癌の特徴的な所見は何か? 〈松尾康正〉  

        B.未分化型癌の特徴的な所見は何か? 〈岡田和久 藤崎順子〉  

        C.範囲診断における有用性はあるか? 〈堀内裕介〉  

 Q2.EUS所見:SM癌の所見,瘢痕の所見は何か? 〈大前雅実〉  

 Q3.通常内視鏡で見落としやすい病変とは? 〈岡田和久 藤崎順子〉  

 Q4.ESDを念頭に置いた生検の順序はどうしたらよいか? 〈吉田智彦〉  

 Q5.注意すべき生検所見は? 〈吉田智彦〉  

 Q6.ひとかき癌にはどう対応するか? 〈森重健二郎〉  

 Q7.胃腺腫の対応はどうしたらよいか? 〈春日章良〉  

■ 治療編 ■

 Q1.スコープの選択は? 通常のスコープでよいか? 〈小山恒男〉  

 Q2.処置具の選択は? ITナイフか先端系か? 〈小山恒男〉  

 Q3.二酸化炭素送気は必須か? 〈平澤俊明〉  

 Q4.Sedationが効かない人はどうするか? 〈平澤俊明〉  

 Q5.ESDが長時間になったらどうするか? やっている間に3時間を超えてしまったが,そのまま続けてよいか? 〈小野裕之〉  

 Q6.瘢痕切開時の最適高周波モードは? デバイスは何がよいか? 〈小野裕之〉  

 Q7.ESD後,EMR後再発病変はどうとるか? 〈小野裕之〉  

 Q8.マーキングに最適なモード,道具は何か? 〈山本頼正〉  

 Q9.マーキングの位置はどこが最適か?(APC 2本分,1本分) 〈山本頼正〉  

 Q10.止血鉗子で止血できない出血に対し,クリップ使用をするときにはどうするか? 〈藤城光弘〉  

 Q11.通常の方法で出血がコントロールができない場合の対応は? 〈藤城光弘〉  

 Q12.切除後の予防的止血の注意点は? 〈藤城光弘〉  

 Q13.残胃縫合線にかかる場合どうするか? 再建方法でペッツの位置など気をつけることは何か? 〈森 源喜 鈴木晴久 小田一郎〉  

 Q14.点墨やクリップが施行された病変のESDはどうするか? 〈河俣浩之 鈴木晴久 小田一郎〉  

 Q15.2病変あった場合どうするか? 〈小田柿智之 鈴木晴久 小田一郎〉  

 Q16.幽門部や噴門部の病変は最大でどれくらい切除してよいか?(狭窄治療をしなくてよい限界は?) 〈伊藤ゆみ 鈴木晴久 小田一郎〉  

 Q17.胃管癌の内視鏡診断・治療はどうするか? 〈岡田和久 藤崎順子〉  

 Q18.局注のコツは? 筋層内注入になっていないか? 〈田辺 聡〉  

 Q19.スコープが病変に近づかない場合どうするか? 〈田辺 聡〉  

 Q20.穿孔時対策(術中と遅発性)について教えてほしい 〈田辺 聡〉  

 Q21.蠕動が起きたときどうするか?(ペパーミントオイルの使用) 〈大前雅実〉  

 Q22.噴切後遊離空腸残胃ESDについて教えてほしい 〈山本頼正〉  

■ 術後の問題点編 ■

 Q1.ESD後の病理結果が組織混在型の場合どうするか? 〈谷口智香〉  

 Q2.手術のできない人の適応はあるか? 〈田辺 聡〉  

 Q3.超高齢者の内視鏡検査適応・注意点は? 〈吉澤奈津子〉  

 Q4.ワルファリン内服中の患者のESDはどうしたらよいか? 〈田辺 聡〉  


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書籍情報

  • ISBN:9784498043442
  • ページ数:166頁
  • 書籍発行日:2013年7月
  • 電子版発売日:2013年12月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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