ここが知りたいインクレチン関連薬

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2013年5月
  • 電子版発売日 : 2013年8月2日
¥3,740(税込)
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商品情報

内容

新しい糖尿病治療薬を使いこなすための新しい知識と実践法を、この1冊にギュッと凝縮!

インクレチン関連薬の特徴、適応、副作用/注意点から処方の実践・トラブルシューティングまでをも網羅!「これだけは知っておきたい!」ポイントを明確に解説!!

序文

糖尿病の患者数は増加の一途を辿っており,糖尿病専門医だけですべての患者を診療することは到底できず,一般内科医による糖尿病診療が重要な課題となっている.最近,一般内科医から,糖尿病の診療が大きく変わってきた,との声をよく聞くようになった.

日本人糖尿病の90%以上を占める2型糖尿病治療の基本は,食事療法,運動療法,薬物療法の3本柱であるが,一般内科医がこれらすべてをマスターすることは難しく,現実的には薬物療法を適切に行えることが,糖尿病の良好なコントロールに重要である.その点で,DPP-4阻害薬という新しい作用機序の糖尿病治療薬が日常臨床にもたらした効果は絶大であった.新しい範疇の経口血糖降下薬は10年振りであったが,当初の予想をはるかに上回る勢いで,日常臨床で用いられるようになった.実際,日本人の糖尿病患者ではよく効き,認容性も高く評価されている.しかも,血糖を改善するだけではなく,糖尿病合併症や健康寿命に対しても好影響があるのではと期待されている.

糖尿病治療薬は,これまでは経口血糖降下薬とインスリン製剤だけであったが,これら薬剤と作用機序が異なる注射製材,GLP-1受容体作動薬が近年登場し,薬剤選択の幅がさらに広がった.DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬は,インクレチン関連薬と総称されるが,これら薬剤の登場で,一般内科医にも新たな知識と実践が要求されることとなった.

そこで,必ずしも専門的知識をもっていない医師全般を対象に,インクレチン関連薬の特徴,適応,副作用や注意点,処方の実際と使いこなすためのコツ,トラブルシューティングなど,「これだけは知っておきたい」というポイントについて必要知識をコンパクトにまとめ,Q&A形式で解説する書を企画することにした.そして完成したのが「ここが知りたい インクレチン関連薬」である.企画どおり,コンパクトで読みやすい書にまとまった.多忙な時間を割いて,執筆していただいた先生方に感謝したい.

本企画が,日常臨床でインクレチン関連薬を使われている先生方のお役に立ち,糖尿病患者の合併症や健康寿命に対して好影響をもたらすことを衷心から願い,序とする.


2013年 4月

寺内 康夫

目次

§1 インクレチン,DPP-4,グルカゴン

1 インクレチンとは?

インクレチン

インクレチンのインスリン分泌促進作用(インクレチン効果)

2型糖尿病におけるインクレチン効果

2 GIPとは?

GIPとは

GIPの分泌と代謝

GIPのインスリン分泌促進作用

GIPの膵外作用

3 GLP-1,GLP-2とは?

GLP-1,GLP-2とは

GLP-1,GLP-2の分泌と代謝

GLP-1のインスリン分泌促進作用

GLP-1の膵外作用

GLP-2の作用

4 DPP-4とその基質について教えてください

DPP-4とは

DPP-4の基質

DPP-4とインクレチン

DPP-4と脂肪細胞

DPP-4と炎症,免疫

5 グルカゴンの生理作用について教えてください

グルカゴンの働きとは

グルカゴンの肝臓への作用

グルカゴンの全身への作用

グルカゴン作用と糖尿病

6 グルカゴンの分泌制御について教えてください

グルカゴンの分泌制御の生理的意義

栄養素によるグルカゴン分泌制御

神経系を介したグルカゴン分泌制御

膵島内作用を介したグルカゴン分泌制御

インクレチンによるグルカゴン分泌制御

7 インスリンとグルカゴンの相互作用について教えてください

インスリン・グルカゴンの膵島内パラクリン作用

肝糖代謝におけるグルカゴン・インスリン

§2 糖尿病患者におけるインクレチン,DPP-4,グルカゴン

1 2型糖尿病患者における血中インクレチン濃度について知りたい

2型糖尿病患者にみられるインクレチン作用不全

日本人2型糖尿病患者におけるインクレチン分泌

活性型濃度と総濃度

インクレチン関連薬投与による活性型GLP-1濃度

インクレチン測定に関する注意事項

2 2型糖尿病患者におけるインクレチンの障害について知りたい

3 2型糖尿病患者における血中DPP-4濃度について知りたい

DPP-4の分布

血中濃度と活性

DPP-4は新たなアディポカインか?

4 2型糖尿病患者における血中グルカゴン濃度について知りたい

§3 インクレチン関連薬に関する基礎知識

1 DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の使い分けについて教えてください

DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬

臨床効果の違いと特徴

2型糖尿病患者における使い分け

2 DPP-4阻害薬にはどのようなものがありますか?

シタグリプチン

ビルダグリプチン

アログリプチン

リナグリプチン

テネリグリプチン

アナグリプチン

サクサグリプチン

SYR-472(トレラグリプチン)

MK-

3 DPP-4阻害薬間の使い分けについて知りたい

腎機能に関して

肝機能障害に関して

内服回数に関して

併用薬に関して

合剤に関して

4 GLP-1受容体作動薬にはどのようなものがありますか

構造上の分類

作用時間からの分類

作用時間と薬剤特性について

5 GLP-1受容体作動薬間の使い分けの工夫は?

作用時間によるGLP-1受容体作動薬の薬剤特性の違い

GLP-1受容体作動薬間の使い分けの工夫

6 GLP-1受容体作動薬の食欲抑制と体重減量効果について教えてください

GLP-1の食欲抑制作用

GLP-1受容体作動薬の体重抑制効果

7 GLP-1タキフィラキシーとは?

膵β細胞作用へのGLP-1タキフィラキシー

胃排泄能抑制作用に対するGLP-1タキフィラキシー

8 GLP-1受容体作動薬の安全性について教えてください

低血糖

急性膵炎

腸閉塞

腎不全

9 GLP-1受容体作動薬で懸念されている問題とは?

§4 インクレチン関連薬を使いこなす

1 第一選択薬としてDPP-4阻害薬を使いこなすポイントとは?

できるだけ早期からの介入

ファーストラインの経口治療薬の選択

ファーストラインの薬に求められるもの

病態に応じた選択

実臨床でシタグリプチンをファーストラインとして?

治療した症例データ(ASSET-K調査研究)

長期でのDPP-4阻害薬の安全性の確立

2 SU薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点は?

併用療法のメリット

併用療法の留意点

併用療法の実臨床データ

3 ビグアナイド薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点は?

4 チアゾリジン薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点は?

5 αグルコシダーゼ阻害薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点は?

αGI=インクレチン関連薬

αGIとDPP-4阻害薬の併用のメリット

αGIとDPP-4阻害薬の併用の留意点

6 インスリン注射にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点は?

インスリン注射にDPP-4阻害薬を併用するメリット

インスリン注射にDPP-4阻害薬を併用する時の留意点

7 SU薬にGLP-1受容体作動薬を併用するメリットと留意点は?

8 インスリン注射にGLP-1受容体作動薬を併用したらどうなりますか?

§5 インクレチン関連薬の血糖降下作用

1 DPP-4薬はどのような患者に有効ですか?

2 DPP-4薬が短期的に効いても長期的に効かなくなる症例は?

3 GLP-1受容体作動薬はどのような患者に有効ですか?

どういうタイミングで,どういう症例に選択すべきか

肥満症例には第一選択としてliraglutideとexenatideの?

どちらがより効果があるか

どんな背景の症例に使用されているか

期待した結果が得られない症例の特徴

4 GLP-1受容体作動薬が短期的には効いても長期的には効かなくなる症例は?

短期的に効果のある症例の特徴

短期的に効果を示していたにもかかわらず,長期的には?

再度悪化を示す症例の特徴

GLP-1受容体作動薬の種類による長期効果の違いについて

短期間で効果が減弱した場合の製剤変更

§6 インクレチン関連薬の血糖降下以外の作用

1 DPP-4阻害薬の血圧,脂質に対する効果は?

2 DPP-4阻害薬の肝臓に対する効果は?

ヒトにおけるDPP-4阻害薬の肝臓への作用

基礎研究におけるDPP-4阻害薬の肝臓への作用

GIPと肝疾患

DPP-4と肝疾患

3 DPP-4阻害薬の大血管障害に対する効果は?

4 GLP-1受容体作動薬の血圧,脂質に対する効果は?

血圧

脂質

5 GLP-1受容体作動薬の肝臓に対する効果は?

ヒトにおけるGLP-1受容体作動薬の肝臓への作用

基礎研究におけるGLP-1受容体作動薬の肝臓への作用

肝臓におけるGLP-1受容体の発現の有無

GLP-1受容体作動薬の肝臓における作用機序

6 GLP-1受容体作動薬の大血管障害に対する効果は?

§7 こんな症例・事態に遭遇したら......

1 2型糖尿病患者で経口血糖降下薬を3剤使っていてもコントロール不良で,インスリン療法を拒絶している症例

DPP-4阻害薬を未使用の場合

DPP-4阻害薬を含む場合

2 2型糖尿病患者で経口血糖降下薬を使ってコントロール不良で,しかも腎機能も低下しているが,インスリン療法を拒絶している症例

3 インクレチン関連薬の治療中に高血糖ケトーシスを呈した症例

DPP-4阻害薬内服時

GLP-1受容体作動薬使用時

4 DPP-4阻害薬を内服中で低血糖を呈した症例

症例

DPP-4阻害薬と低血糖

DPP-4阻害薬を内服中に低血糖を呈した場合

SU薬,インスリンの併用がある場合

グリニド薬の併用がある場合

それ以外の経口血糖降下薬の併用がある場合

DPP-4阻害薬単剤,または,インスリン分泌促進系薬剤?およびインスリンの非存在下で低血糖を呈する場合

5 GLP-1受容体作動薬治療中で低血糖を呈した症例

症例

GLP-1受容体作動薬と低血糖

GLP-1受容体作動薬治療中に低血糖を呈した場合

GLP-1受容体作動薬開始時の注意

SU薬の併用がある場合

ビグアナイド薬,チアゾリジン薬の併用がある場合

GLP-1受容体作動薬単剤またはSU薬の非存在下で?低血糖を呈する場合

6 DPP-4阻害薬を大量に内服した症例

7 GLP-1受容体作動薬を大量に注射した症例

8 体調不良時のDPP-4阻害薬の使い方

シックデイとは?

シックデイの病態

シックデイ対応の原則

DPP-4阻害薬を使用中の患者への対処

9 体調不良時のGLP-1受容体作動薬の使い方

体調不良時の対応の原則

GLP-1受容体作動薬を使用中の患者への対処

医療機関の受診と入院を考慮する場合

シックデイ対応についての教育の重要性

10 造影剤使用時のDPP-4阻害薬の使い方

腎障害の面で服用を中止すべきか

欠食の際服用を中止すべきか

11 造影剤使用時のGLP-1受容体作動薬の使い方

12 緊急手術が必要になった時のDPP-4阻害薬の使い方

DPP-4阻害薬の特徴

緊急手術が必要になった時の対応

DPP-4阻害薬が手術前後で活躍する可能性

手術前後のDPP-4阻害薬使用の現状

13 緊急手術が必要になった時のGLP-1作動薬の使い方

GLP-1作動薬の特徴

緊急手術が必要になった時の対応

GLP-1作動薬が手術前後で活躍する可能性

手術前後のGLP-1作動薬使用の現状

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  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498017924
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2013年5月
  • 電子版発売日:2013年8月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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