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抗菌薬の考え方,使い方 ver.4 魔弾よ、ふたたび...

岩田 健太郎 (著)

株式会社 中外医学社

562 頁  (2018年11月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

eBook Price(ダウンロード販売): ¥4,320 (税込) 

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リリース日: 2018年11月21日

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抗菌薬を使う「決断」、
使わない「覚悟」。

すれっからしの抗菌薬使いにも本書はぜひ読んでいただきたい。と同時に、抗菌薬の話なんて一度も聞いたことがない、 もちろん使ったこともない学生さん、医学生、看護学生、薬学生、そして検査技師養成学校の学生さん。こうした読者の 皆さんでもスラスラ読める内容でいたい。そのような野心に満ちた企てが本書、「ver.4」であります。(岩田健太郎)

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※抗菌薬の考え方,使い方 ver.3のサンプルです。


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Ver.3から6年......あの『抗菌薬の考え方、使い方』が帰ってきた!
ほぼ書き下ろしに近い大幅加筆に加え、新たな試みとして各種抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬・抗結核薬・抗寄生虫薬をDr.岩田がジャッジ。従来の「抗菌薬の使い方」の解説はもちろんのこと、「使える抗菌薬」「使わなくてもよい抗菌薬」まで詳しくレビューします。


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第4版のまえがき

気がつくと,『抗菌薬の考え方,使い方ver.3』が出たのが2012年,もう6年も経ってしまいました.

医学書の「賞味期限」は長くて5年だと思っています.「ver.3」,とっくに賞味期限切れてます.さすがにそろそろ仕立て直さねばなりません.

この6年で感染症をめぐる日本の環境は激変しました.幸い,全体としては良い方向に向かっています.

昔,ぼくは学生や研修医に「今感染症のプロになったら,全国で5本の指に入るスペシャリストになれるよ.そのくらい絶滅種だから」なんてジョークを言っていましたが,いまや感染症のプロは両手に余る,いや,それ以上に膨れ上がりました.質の高いテキストもたくさん出版され,選ぶのが難しいくらいです.

そんなわけで,本書『抗菌薬の考え方,使い方』においても,環境の激変を勘定に入れて,伝えるべきメッセージを少しずつ変えていくべきなのでしょう.というわけで,「ver.4」をお送りします.「ver.3」までの読者の皆様,お久しぶりです.そしてはじめましての皆様,よろしくお願いします.

日本の臨床感染症界は,長い間,「黒歴史」と呼ぶべき時代でした.ほんの10年前は血液培養の採取すら日本では「非常識」だったんです.

当時,ぼくがどこかで講演とかすると「イワタセンセイは奇抜なことを言う人ですね.血液培養?なんですかそれ,美味しいの?」と言われる始末でした(ちょっと盛ってますが).

残念ながら,今でも血液培養をとらない医師はたくさんいます.が,そういうドクターは看護師さんや薬剤師さんから「感染症ができない医者」「非常識」というレッテルを貼られています.血液培養をとらないほうが,非常識.この10年で「常識」が180°大きくひっくり返ったんです.

もちろん,今でも血液培養採取の重要性は変わりません.しかし,それを悲壮な思いで,半ば絶望しながら,声を大にして主張しなくてもよい時代になりました.今や,そういうことはどのテキストにも書いてありますから.

さて,ある抗菌薬を使うという決断,覚悟は,その他の抗菌薬を使わないという決断,覚悟と同義です.

個々の抗菌薬にはそれぞれ長所や欠点がありますが,その中で,目の前にいる患者や原因微生物に一番フィットした最適解,最適な抗菌薬,最適なポジショニングがあるのです.ライプニッツが「モナドロジー」で述べたように,「AがAである」ためには,BでもCでもDでもない,「Aでなければならない根拠」が必要です.だから,Aという薬「だけ」について情報提供する,製薬メーカーの説明会では抗菌薬を使えるようにはならない.

医学書についても,同様のことは言えると思います.

青木眞先生が『レジデントのための抗菌薬使用マニュアル』を上梓されたのが2000年.これがまさに20世紀の日本感染症界黒歴史(血液培養なんて非常識!)からの決別を宣言した「旅立ちの書」でした.

2015年に岡秀昭先生が「感染症プラチナマニュアル」というポケット本をお出しになり,これを毎年改訂,シリーズ化されています.派生本も出版され,どれもベストセラーです.毎年なんてすごいですね.怠惰なぼくにはとても真似出来ません.いずれにしても時代は大きく変わりました.江戸時代と明治時代くらいに変わりました.自分で言っててなんだかよくわかりませんが.

青木マニュアルが日本版の「マンデル」......感染症の定番の教科書......だとしたら,岡マニュアルは「サンフォード・ガイド」......感染症の定番のポケットガイド......といった立ち位置でしょうか.こうやって多様な目的に合致した多彩なコンテンツができているのです.真っ暗で夜明け前だと思っていた日本感染症界ですが,気がつくと朝になっていたという感があります.

では,本書はどのへんに立っているべきか.

他の医学書とは違う,本書ならではの立ち位置とはどのへんか?「俺の腹は,今何腹だ?」と問う井之頭五郎のように,ぼくも自問したいのです.

その自問自答の結果が本書,「ver.4」です.感染症関連のどのテキストとも違う立ち位置,ポジショニング.オンリーワン(古い?),孤高の存在を目指すのです.

さて,当初は研修医や医学生をターゲットにして書いた「ver.3」は予想に反して多くの薬剤師さんや感染管理ナース(CNIC)たちにも読んでいただきました.そのとき,「ちょっと難しすぎる」というちょっとネガティブなフィードバックもいただいております.

その反省を受けて,本書,「ver.4」は多様な読者に読みやすいよう,さらに文体やコンテンツを工夫しました.「ver.3」まではともするとマニアックで重箱の隅突きのような内容も書いていました.若気の至りで「俺ってこんなに勉強したんだぜ」という見栄があったのかもしれません.

というわけで,すでに「若気の至り」とか言ってられないアラフィフらしく,細かいことにはこだわりすぎず,臨床的にさして重要でない場合はそういうマニアな話はバッサリ割愛しました.

また,概念的に難しいところは,理路を丁寧に説明しつつ「要するに,ここだけおさえときゃいいんだよ」と敢えて大雑把にまとめるようにも努めました.例えば,ESBL産生菌はセフメタゾール使っときゃいいんだよ,といったように.理路から入るか,結論から入るか?本書は「どっちから入ってもよい」という複合的な構成をしているのです.

すれっからしの抗菌薬使いにも本書はぜひ読んでいただきたい.と同時に,抗菌薬の話なんて一度も聞いたことがない,もちろん使ったこともない学生さん,医学生,看護学生,薬学生,そして検査技師養成学校の学生さん.こうした読者の皆さんでもスラスラ読める内容でいたい.そのような野心に満ちた企てが本書,「ver.4」であります.

本書は基本的に頭からお尻まで読破するという,まるで小説のような作りになっています.しかし,対象読者の範囲が,カルバペネム並みの広域スペクトラムになっているため,全部を精読していただく必要もありません.面倒くさいところはどうぞ読み飛ばしてください.

最後の方ではわりとアドバンスドな,シニア向けの抗菌薬の使い方もまとめました.こちらは,セッティングやコンテクストを見失うとしくじってしまう可能性がある使い方ですので,研修医の皆さんなどはすぐに真似をしないほうがよいかもしれません.本書全体について言えることですが,個々の患者さんの個別性や文脈があることから,臨床現場での応用には十分にご注意いただければと思いますし,すべての患者さんの治療効果を保証するものではないことをここに申し添えておきます.

いずれにせよ,願わくば,本書が何らかの形で,日本感染症界のさらなる進歩に,そしてゆくゆくは患者さんやコミュニティーのために役に立ってくださいますよう.この世界が,さらに明るいひだまりに照らされる世界になりますことをお祈りして.......


2018年10月

岩田 健太郎


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1 学生,研修生のみなさんに,まずはここだけおさえとけば大丈夫,の10の掟

おきて1 患者の重症度を把握しよう

おきて2 必要な培養検査を採り,グラム染色を依頼しよう

おきて3 血液培養の採り方を知ろう.カテ先培養は原則禁忌

おきて4 腎機能をチェックしよう

おきて5 使用中の薬は全部チェックしよう,検査は時系列でチェックしよう

おきて6 アセスメントを立てよう

おきて7 最初は広域抗菌薬 培養結果を見てde-escalation

おきて8 抗菌薬が効いてない,と思ったら抗菌薬を変えない

おきて9 患者がよくなっているか,悪くなっているか,どちらでもないのか確認しよう

おきて10 失敗症例から学ぼう

2 感染症診断のコツ

A.時間と空間

3 空間と身体診察

A.リンパ節腫脹の考え方

B.関節痛・関節炎の考え方

C.皮疹の考え方

D.陰性所見も大事

4 グラム染色を活用しよう

5 臨床的微生物の理解の方法

6 コンタミとコロニーの違い

7 臨床薬理学を考える

A.まずPKから

B.Vdとタンパク結合能

C.PDとタイムキルカーブ,そして薬剤感受性

D.殺菌か,静菌か

8 Inoculum effectとイーグル効果

A.ポストアンティビオティックエフェクト

9 シナジー効果

10 時間依存性と濃度依存性

A.濃度依存性の抗菌薬

B.時間依存性の抗菌薬

11 MICの縦読みにはご用心

A.MICを気にしなければならない代表的な感染症

B.ブドウ球菌

C.その他

12 βラクタマーゼ

A.ESBLs

B.AmpC βラクタマーゼ量が大事

13 カルバペネム耐性腸内細菌科

14 ビギナーとの違いがビビッ.抗菌薬の使い方が上手になる中級編の10のステップ

ステップ1 ESBL産生菌にはセフメタゾールを使おう

ステップ2 抗菌薬の終わり方をイメージしよう

ステップ3 経口第三世代セフェムを使うのは止めよう

ステップ4 治療効果判定のためのグラム染色

ステップ5 エスカレーションをマスターしよう

ステップ6 患者のパラメーターに齟齬が生じたときの対応法を学ぼう

ステップ7 抗菌薬が「効いてない」ときの対応法を学ぼう

ステップ8 エコノミカルな抗菌薬を選ぼう

ステップ9 ローカルファクターを活用しよう

ステップ10 最良の抗菌薬を選ぼう.モナドロジーのすすめ

15 抗菌薬の「変え方」

16 治療期間の問題

17 ペニシリン すべての基本はここにあり

A.ペニシリンの作用とは?

B.ペニシリンの薬理作用

C.おそるべし,βラクタマーゼ

D.ペニシリンの分類を試みる

E.ペニシリンG(点滴薬)の使い方

F.ペニシリンGが第一選択となりやすい病原体(マニアックなもの含む)

G.筋注用ペニシリン(特にbenzathine penicillinについて)

H.ペニシリン系抗菌薬の副作用

I.アミノペニシリン

J.緑膿菌に効果のあるペニシリン

K.βラクタマーゼに対抗する

18 セファロスポリン ほとんど誤用されてます(涙).正しく使えば強力な武器!

A.セファロスポリンの魔

B.セファロスポリンの基礎

C.黄色ブドウ球菌やレンサ球菌に使えるセファロスポリン

D.肺炎球菌,尿路感染を狙うセファロスポリン

E.第3のグループ,セファマイシン(セフメタゾール)

F.第4のセファロスポリン─緑膿菌をたたけ!

G.胆道移行性? セフォペラゾン・スルバクタムの立ち位置とは

19 カルバペネム・アズトレオナム

A.カルバペネム

B.アズトレオナム

20 スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST合剤) あれこれ使えるユーティリティープレイヤー.副作用をよく理解しよう.

A.ST合剤とは

B.サルファ剤の副作用

C.ST合剤に対する耐性のメカニズム

D.尿路感染

E.呼吸器感染

F.皮膚軟部組織感染症

G.その他のグラム陰性菌感染症

H.ST合剤とHIV感染

I.ウィップル病

J.類鼻疽

21 ダプソン ハンセン病の治療薬として有名です.溶血に要注意.

22 キノロン系抗菌薬─フルオロキノロン これまた便利で誤用されやすい.結核にご用心!

A.フルオロキノロンの構造と作用

B.フルオロキノロンの使い方

C.フルオロキノロンの絞り込みを試みる

D.Trovan®の栄光と失墜

23 マクロライド系抗菌薬 突出して日本で乱用される抗菌薬.正しく使えば便利.近年は安全性の懸念多し

A.マクロライド

B.クリンダマイシン グラム陽性菌と嫌気性菌がターゲット

24 グリコペプチドとリポペプチド,その他の抗MRSA薬

A.バンコマイシン 抗MRSA薬の代表格.ところが,最近ではあれこれ問題が

B.テイコプラニン アメリカにないのが悲劇の原因? 意外に薬理学的には悪くないけど......

C.ダプトマイシン 新薬の常.使用頻度が増えて,問題点も見えてきた

D.リネゾリド 使いやすい? 使いにくい? 血球減少に要注意

E.キヌプリスチン─ダルフォプリスチン 使いにくそうで,やはり使いにくい.でも,使い道はあるんです

F.デジゾリド

G.日本未承認薬

25 ムピロシン 使ってどうなる? が大事です

26 アミノグリコシド 腎臓と耳が難所です.意外な使い道も

A.アミノグリコシドの薬理学

B.アミノグリコシドの使い方

C.アミノグリコシドと毒性

27 テトラサイクリン ミラクルなバリエーション!

28 チゲサイクリン チゲの居場所はどこにある?

29 クロラムフェニコール

30 メトロニダゾール ようやく日本でも本領発揮

A.メトロニダゾール

B.チニダゾール(チニダゾール「F」).

31 ホスホマイシン・コリスチン 他に替えが効かない,実に大事な薬

A.ホスホマイシン ポテンシャルの感じられる古くて新しい抗菌薬.さて,どこへ行くのか?

B.コリスチン(ポリミキシン)

C.リファキシミン 下痢に対する新しいアプローチ

32 抗真菌薬

A.アゾール

B.アムホテリシンB 今でも抗真菌薬の王様

C.エキノカンディン いろいろ使えるけど,結局はカンジダか?

D.フルシトシン 一人じゃいられない,名(?)バイプレイヤー

E.テルビナフィン 爪白癬でプレゼンス高し

F.Isavuconazole

33 抗ウイルス薬

A.抗インフルエンザ薬 どう使うかは,悩ましい

B.サイトメガロウイルス治療薬

C.単純ヘルペスウイルス・帯状疱疹ウイルス感染症の薬

D.肝炎ウイルスの治療薬

34 抗結核薬 がんばって勉強しましょう

A.さて,前置きはこのくらいにして本題に入りましょう

B.ファーストラインの抗結核薬

C.セカンドラインの抗結核薬

D.困った合併症

35 寄生虫の治療薬

A.マラリア

B.赤痢アメーバ

C.ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)

D.クリプトスポリジウム症

E.サイクロスポラ,イソスポラ症

F.アフリカトリパノソーマ症,アメリカトリパノソーマ症,リーシュマニア症

G.自由生活アメーバ症

H.吸虫症

I.条虫症

J.エキノコッカス症

K.回虫症

L.鉤虫症

M.鞭虫症

N.蟯虫症

O.旋毛虫症

P.糞線虫症

Q.顎口虫症

R.フィラリア症

S.トキソプラズマ症

T.疥癬

36 ひとつギアを上げた,抗菌薬の考え方,使い方

A.出てる菌全部カバーするの?

B.Blaz陰性でde-escalationできるか

C.グラム陰性菌のIE?

D.キーワードをつなげても物語はできない


あとがき

索引

特記事項

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