「医療4.0」を支える 医療産業イノベーションの最前線

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2019年7月
  • 電子版発売日 : 2019年8月9日
¥3,850(税込)
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商品情報

内容

東京大学公開講座「医療産業イノベーションフォーラム」より、医療産業の最前線を産官学のフロントラインに立つ専門家が提言!

本書では、再生医療とデジタル技術×医療産業を論ずるとともに、そのエコシステムに光を当てます。さらには、医師であり医療系ベンチャーを立ち上げたアントレプレナーを例に、現場で挑戦を続ける医療従事者の問題意識を通して、医療と社会の将来像を描く取り組みを紹介します。

序文

巻頭挨拶

医療産業が異分野と融合し発展する潮流は先進各国の趨勢として定着し、既存のハードルを次々と飛び越えて新たな産業領域が生まれている。これは高分子医薬品やIT創薬、新素材など新しい科学を医薬品・医療機器の開発に貪欲に取り入れることにとどまらない。むしろ、諸規制や保険制度などの従来型社会システムに対し、新しい科学に立脚する診断・治療モダリティや医療サービスが越境し、新しいビジネスモデルや制度設計を共創する姿こそ注目に値する。

周知のとおり、日本の医療・薬事規制や保険制度は精緻を極め、世界的にも類をみない医療フリーアクセスと国民皆保険で、国民全体が等しく最新医療を享受できる仕組みを実現している。しかしながら、急速に進む高齢化や革新的な高額医薬品・医療機器の出現が、医療システムの根幹を揺るがしていることもまた事実である。世界的に見て日本はこうした社会変革の最前線にあり、日本の強固な社会システムが、経営・社会・政治の叡智を総動員し、越境してくるメディカルイノベーションをどのように受容するか、受容の結果どれだけ変容できるかは世界も注目するところである。つまり、メディカルイノベーションの受容と社会の変容が技術力に代わって国際競争力の源泉となる時代が到来しているのである。ただ日本で起きていることを観察すると、とても将来を楽観できない現実に直面する。医療のプラットフォームである科学技術の進歩には国境が無く、世界同時進行で浸透しており、日本のアカデミア・研究者にも世界と大きな時差は無い。むしろ発信源として世界に貢献している。しかしながら、その研究成果や新規ビジネスモデルを社会に取り込む際に必然的に生じる社会の構造変化や不幸な犠牲者が出るリスクには、日本社会はきわめて敏感であって不寛容である。長い歴史に育まれ文化の成熟度の濃い日本ではその社会の変化に慎重で保守的になりがちである。これらを社会が受け入れるためには「民主的な合意形成」に長い時間をかけ、結局のところ「痛みを伴う」改革は見送られる。これを繰り返してきた結果に加え、ICT/医療Dataの利活用が停滞していることも相まって、医療サービスの生産性は低い水準にとどまっている。日本の医療の質・アクセスは医療現場の精神的な働き方により高い水準にはあるが、昨今の大きなイノベーションの波にすら乗り切れない危険性が感じられる。

15年前から始めた、当「医療産業イノベーションフォーラム」では、医療産業を巡る産官学のトップランナーを講師に招聘して世界の最新トレンドを学ぶと共に、日本が抱える問題点の抽出と突破口の模索を目指している。本書にまとめた2018年度シリーズでは、イノベーティブな技術のフロントエンドとして再生医療とデジタル技術×医療産業を論ずると共に、イノベーションを支える資金調達に関わる産業を支えるエコシステムにも光を当てる。さらには、医師でありつつ医療系ベンチャーを立ち上げたアントレプレナーを例に、イノベーションの現場で日々越境を目指して挑戦を続ける人々の問題意識を通して医療と社会の将来像を探る試みも紹介する。

本書の読者の方々が、講演会に出席された方々同様に触発を受け、医療産業イノベーションのエコシステム構築に参画されることを切に期待して巻頭の挨拶とさせていただきたい。


木村 廣道

目次

第1回 イノベーションファンディング

サイエンスから「いのち」へ

医療分野クラウドファンディング最前線

7 SEAS PROJECTの活動を通して

グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)とは

第2回 イノベーションエコシステムの切り札

クラスター形成と人材育成エコシステム

日本にイノベーションのホットスポットを創る 湘南ヘルスイノベーションパーク

東京大学COI 自分で守る健康社会

第3回 医療が切り開くスポーツの新しい世界

日本の組織力・科学力で世界に挑んだスピードスケート女子チームパシュート

高齢社会の健康づくりとQOM

EBMの功罪

栄養改善のスタートアップ

第4回 中国の創薬フロンティア

中国製薬産業R&Dの現状

第5回 AI×医療産業

規制は思ったよりハードル高くないです

創薬・ヘルスケア分野に向けたGPU/AIの可能性

深層学習の技術的側面から見たAI医療の可能性と実際

第6回 加速するデジタルヘルス

加速するデジタルヘルス

デジタルヘルスとSociety5.0

第7回 医療4.0時代の医師アントレプレナー

医療4.0~2030年の医療を見据えて2019年意識しておきたいこと~

医師をエンパワーするAI

"診察技術"のAI化、医師の暗黙知を共有共創する時代へ

生活を変える!病児保育ネット予約サービス『あずかるこちゃん』

つながる力で医療を支える

すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を

第8回 真価が問われる再生医療

再生医療の現状と課題およびFIRMの取り組み

再生医療等製品の開発における現状と課題

武田薬品の再生医療への取り組み

次世代オルガノイド医療への展望

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書籍情報

  • ISBN:9784296103058
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2019年7月
  • 電子版発売日:2019年8月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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