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- 皮膚病診療Vol39, No.4（2017年4月号）
商品情報
内容
本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。
1.毎号特集形式―実地診療に役立つ 2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報 3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク 4.アンケート特集―実地医家の生の声を 5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を 6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション 7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を
このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています
序文
皮膚科も医工連携を
年に1回秋に，東京大学老年看護学教授 真田弘美先生の講演を拝聴する機会がある．その年に開催された日本褥瘡学会のトピックスと，ご自身の研究の一端を紹介してくださるのだが，昨年は，究極の体圧分散寝具であるロボティックマットレスの開発が完了し，製品化された話題を提供してくださった．このマットレスは個々のエアセルにかかる圧を可視化し，内圧を人工知能（AI）によって自動調整し，体圧の分散を最適にするという機能を有する優れものである．このように看護，介護の分野は医工連携が進み，ロボット技術などの理工学の進歩と日本の物作りを活用している．医療の分野でも，最近は手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を用いた内視鏡手術や，癌患者のゲノムを解析し，最適な化学療法の選択を行うAI「ワトソン」の利用などが始まり，今後もこういった診療・診断技術は発展していくと思われる．
画像診断のツールも大きく発展し，MRI，CT，超音波検査，消化管内視鏡などで得られる身体の情報は以前に比べ格段に多く，正確になった．皮膚科分野では，20年前にダーモスコピーが登場し，皮膚腫瘍の鑑別診断に大きく貢献することになった．皮膚病理診断科に提出される基底細胞癌の径は，以前に比べて明らかに小さくなったという．皮膚腫瘍以外にも活用の範囲を広げ，皮膚科診療の一助になっていることは周知の通りである．しかし，ダーモスコピー以降の新しい診療・治療技術が見当たらない．
都市部での展開に違和感があり，先に否定的な見解を述べた遠隔医療だが，その後も政府はこれを推し進め，医療資源の効率化を図る計画である．まだ解決すべき問題が多く残っているが，皮膚科としても遠隔医療を生かすノウハウの蓄積が必要になってきた．皮膚科は視診・触診とダーモスコピーや顕微鏡を活用した検査が診断技術のほとんどを占め，当然のことながら遠隔での触診や真菌検査は不可能であるが，技術革新があればこれらも克服してしまうかもしれない．また，皮膚科医が培ってきたそれぞれの経験にもとづく診断，あるいは治療の選択も，AIがそれにとって代わる時代が来るかもしれない．
こういった医療の流れの中で，皮膚科診療が埋もれていってしまわないように，危機感をもって医療を取り巻く状況を見守っていく必要があると思うが，逆に医工連携を推し進め，皮膚科らしい，「攻め」の技術革新が必要な時代が来ているのかもしれない．
浅井 俊弥
目次
臨床例
メリケントキンソウによる皮膚障害の集団発生例
潰瘍性大腸炎の再燃に伴って出現した結節性紅斑の2症例
潰瘍性大腸炎患者にみられた結節性紅斑
Bazin硬結性紅斑と考えた症例
診断に苦慮し，抗結核薬内服奏効にて診断したBazin硬結性紅斑
急性膵炎に伴う皮下結節性脂肪壊死症
膵炎に合併した皮下結節性脂肪壊死症
CPNと診断しうるPAN
外陰部脂肪腫の2症例
cystic eccrine spiradenoma
特異な臨床像を呈した右前腕グロムス腫瘍
PVL陽性MSSAによる再発性皮膚軟部組織感染症の2症例
インフリキシマブが奏効した壊疽性膿皮症
マムシ咬傷に減張切開を行った症例
human adjuvant disease
英文抄録
editorial
皮膚科も医工連携を
総説
帯状疱疹関連痛の薬物療法の理解と管理
蝶の博物詩
生態22
治療
壊死性軟部組織感染症の対策
学会ハイライト
第67回日本皮膚科学会中部支部学術大会を終えて
私の歩んだ道
私の歩んだ道
皮心伝心
皮膚科診療は，謎解きゲーム
診察室の四季
花
皮膚科のトリビア
第142回
声
タクロリムス軟膏の希釈による刺激感の緩和
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書籍情報
- ISBN：9784992000163
- ページ数：106頁
- 書籍発行日：2017年4月
- 電子版発売日：2017年4月7日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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