今日から始める救急外来トリアージ

  • ページ数 : 144頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月19日
¥2,860(税込)
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商品情報

内容

明解なフローチャート方式により即判断、診療開始を可能とする「今日から始める救急外来トリアージ」の電子書籍版です。

序文

多忙な救急外来の運営には,効果的なトリアージが不可欠です.救急外来のトリアージの一番の目的は,重篤な病態にいち早く気づき,診療の優先順位を決めることですが,その判断にいたずらに時間をかけることも許されません.単刀直入にいうと,救急外来でのトリアージの順位を決めるものは,患者さんの状態が「これはやばい」とか「何かあやしい」感じがするのかどうか,ということです.言葉は簡単ですが,このことを医学的に判断できるようになるためには,臨床経験と勘がものをいうわけです.
 臨床的な勘や豊富な臨床経験をもったスタッフがそろった施設であれば,詳細なマニュアルは必要ないでしょう.しかし,トリアージを担当するスタッフは毎日交代せざるをえないし,必ずしも同様の臨床経験をもつとは限らないという現実があります.また,トリアージによって,診察順が来院順ではなく,緊急度の違いにより決定されることになるため,患者さんから単に順番を飛ばされたという不公平感をもたれないような,客観性のあるトリアージが行われることも不可欠になってきます.

本書で紹介するトリアージマニュアルは,日本よりも外来救急の運営実績のある欧米諸国で使われているトリアージ方法を参考に日本の事情,特に,私の所属する施設での臨床経験も考慮したうえで,日本の救急外来でトリアージに携わるスタッフ(ナース,レジデント)に理解しやすいように執筆したものです.主訴や症状により,病態,問診方法などを交えて説明されたトリアージ法に比べると,フローチャートによりトリアージを進めていくこの方法は,経験の少ないスタッフにも受け入れられやすく,実践に応用しやすいのではないかと思います.

さて,救急外来で,いろいろな症状を訴えて来院する患者さんに対応するために,本書では状態や主訴別にフローチャートを準備しました.フローチャートの数は50 個以上で,これらをすべて覚えて実践するには多すぎるという印象をもたれる方もおられるかと思います.しかし,いくつかに目を通していただくと,緊急度の高い状態はすべての症状で共通していること,その中で,主訴や症状特有の病態を考慮に入れてトリアージを進めることに気づいていただけるかと思います.

本書によって,救急外来で働くスタッフの皆さんの,救急患者さんの病態への理解が深まり,スムーズな救急外来の運営の助けになれば幸いです.


2007年 8月

森下 由香

目次

第1章 トリアージを始めるために

I トリアージの基本知識

1.トリアージとはどういうことか?

2.救急外来になぜトリアージが必要か?

3.トリアージを行ううえでの注意事項、共通認識事項は?

4.トリアージの原則:診療優先度をどのように決める?

5.受診から診療までの流れにトリアージはどう影響するか?

6.トリアージの実際:フローチャートを用いたトリアージ法

7.フローチャートの構成とその使用法

II 一般状態によるトリアージ法

1.ABCの異常

2.外出血の程度

3.疼痛の程度

4.意識状態の異常

5.体温の異常

6.異常はいつから発生したか

III 疼痛の評価法

1.救急患者における疼痛管理について

2.疼痛の評価法

IV 疼痛の評価ツール

1.従来の疼痛評価

2.理想的な疼痛の評価法

3.個人差を考慮した疼痛評価

V トリアージ実践のうえで考慮すべき他の因子

1.患者の背景

2.その他の条件

VI トリアージ実践時の重要事項

1.トリアージに重要な観察のポイント:実際の緊急は「見て、聞いて、感じて」察知できる

2.トリアージの際の問診のポイント

3.トリアージ後のフォローアップと診察待ちの間の応急処置

4.トリアージの記録と評価

第2章 トリアージの実際

I 内因性の主訴

1.胸痛・胸苦・動悸

2.頭痛・頭重感

3.腹痛

4.呼吸困難・息切れ(喘息発作を含む)

5.倒れた・ふらふらする・めまい(回転性、浮動性)

6.血圧が高い

7.背部痛・腰痛

8.頸部痛

9.体調が良くない

10.痙攣発作

11.嘔気・嘔吐・下痢

12.発疹

13.咽頭痛

14.糖尿病患者の体調不良

15.おかしなことをする

16.酔っぱらっているようだ

17.精神的な問題

18.不正出血

19.妊婦の問題

20.泌尿器系の問題

II 特定部位に関する主訴

1.睾丸の痛み

2.目の問題

3.耳の問題

4.歯の問題

5.鼻の問題

III 小児患者の主訴

1.【小児】腹痛

2.【小児】呼吸困難・喘鳴

3.【小児】何か変(親が心配して来院)

4.【小児】泣いている乳児

5.【小児】元気がない

6.【小児】足を引きずっている

IV 外因性の主訴

1.大量服薬・中毒物質摂取

2.異物に関する問題

V 外傷に関する主訴

1.外傷一般の見方(重症外傷を見落とさないために)

2.体幹部の外傷

3.四肢に関する問題(切った、打った、ひねった、骨折、脱臼、痛みがある)

4.頭部外傷

5.熱傷

6.小外傷(切った、すりむいた、血が出ている)

7.落ちた・転んだ

8.自損

9.暴行を受けた

10.咬まれた・刺された(動物、昆虫類)

救急で役立つ参考図書

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書籍情報

  • ISBN:9784895902748
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:Invalid date
  • 電子版発売日:2011年5月19日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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