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  • 地域で取り組む 喘息・COPD患者への吸入指導―吸入指導ネットワークの試み

地域で取り組む 喘息・COPD患者への吸入指導―吸入指導ネットワークの試み

  • ページ数 : 164頁
  • 書籍発行日 : 2012年4月
  • 電子版発売日 : 2018年8月10日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

吸入療法の基礎知識から導入の実際まで網羅!患者さんへの説明にも◎

吸入薬ごとに異なるデバイスの使い方・吸入方法の患者指導を一体どうすればよいのか。「吸入指導ネットワーク」が取り組む画期的な吸入指導システムとは?
「吸入指導ネットワーク」ならではの、正しく統一された吸入指導の普及に向けた地域一体の取り組みと具体的な指導方法を紹介します。

※電子版では付属CD-ROMのデータを収載しておりません。予めご了承ください。

序文

はじめに

吸入療法は気管支喘息やCOPD患者に対する薬物治療の根幹となっています.吸入ステロイド薬の使用が普及するにつれて,喘息のコントロールは良好になり,喘息死も年々減少しています.COPDにおいても,長時間作用性抗コリン薬などの登場により,労作時の呼吸苦の軽減などが図れるようになりました.最近では,毎年のように新しい吸入薬が開発・上市されるようになり,患者の状況に応じて様々な吸入治療薬を選択することができるようになっております.

その一方で,10種類を超える吸入デバイスが登場したことにより,患者は混乱して正しく吸入できず,吸入治療薬の十分な恩恵を受けられないことがしばしば生じています.患者だけでなく,喘息・COPDの一部の専門家を除いて,医師や薬剤師も,正しい吸入方法について熟知しておらず,患者に対して十分な吸入指導ができていない現実があります.

このような状況を打破するために,大阪市北区で北区北支部薬剤師会と北野病院が共同で「吸入指導ネットワーク」を立ち上げました.そして,地域の保険薬局薬剤師を対象に講習会を開催し,統一した吸入指導方法を習得できるようにしました.講習会に参加した薬剤師は,吸入指導マイスターに認定され,喘息やCOPD 患者に対して実際に定期的な吸入指導を始めました.また,吸入手帳を介して指導結果を医療機関にフィードバックできるようになりました.その結果,地域における吸入指導の状況は着実に改善し,吸入治療の効果も目に見えて向上してきています.最近では,ほかの地域から講習会への参加を希望される方も多くなってきています.

この医療施設と保険薬局とのネットワークづくりがほかの地域にも広がれば,現在の吸入療法の問題を克服する端緒になるのではないかと考え,「吸入指導ネットワーク」の詳細を紹介することになりました.本書がきっかけとなり,日本のどこでも正確な吸入指導が定期的に行われるようになれば,望外の喜びです.なお,監修には万全を期したつもりですが,まだまだ至らぬ点や問題点もあるかと思います.読者の皆様からご指摘を賜り,さらに良いものにしていきたいと思います.

今後も新しい吸入治療薬の発売と共に,新規デバイスが登場する状況は続くように思われます.これ以上デバイスの種類が増えることは,患者の困惑をますます深め,また,吸入指導にさらに多くの労力を要する可能性があります.今後,学会や製薬業界は患者や医療者のことを第一に考え,吸入が容易な数種類のデバイスに統一していく努力が必要なのではと考えます.そして,最終的には,本書が必要でなくなる日が来れば一番良いと思っています.

今回の出版に当たり,フジメディカル出版の十河宏栄様,宮定久男様,藤原孝英様,川崎博之様,井上啓子様には,多大なるご尽力を賜りましたことを深謝致します.また,数多くの挿入写真を撮ってくださいました写真家の大野博様とCD-ROM を作成してくださいました奥村直謙様にお礼申し上げます.最後に,忙しい業務の合間に短期間で執筆をお願いしました吸入指導ネットワークの皆様に改めて感謝申し上げます.

2012年3月

公益財団法人 田附興風会 医学研究所
北野病院呼吸器センター長
福井 基成

目次

はじめに

執筆者一覧

本書の使い方

吸入薬製品一覧

1.喘息・COPD の治療について...

1)喘息の治療

2)COPD の治療

2.吸入指導ネットワークの誕生

1)吸入療法の問題点

2)吸入指導ネットワーク誕生の経緯

3)吸入指導ネットワークの活動

3.吸入指導ネットワークの効果と課題

1)医師への効果

2)病院薬剤部への効果

3)薬剤師会への効果

4)保険薬局への効果

5)患者への効果...

4.吸入治療についての基礎知識

1)吸入薬の種類と効果

2)pMDI・DPI・ネブライザー

3)吸入ステロイド薬の比較

5.より効果的な吸入療法とは

1)吸入指導のポイント(文献から)

2)吸入指導のポイント(吸入指導ネットワークの現場から)

3)吸入指導ネットワークにおける統一事項

4)様々な吸入補助器具

5)製剤見本・吸入練習器具(テスター)

6)小児の吸入療法

6.吸入デバイスごとの吸入指導の実際

1)定量噴霧式吸入器(pMDI)

3M製吸入器

その他のpMDI

レスピマット(ソフトミスト吸入器)

2)ドライパウダー吸入器(DPI)

ディスクヘラー(ロタディスク)

ディスカス

タービュヘイラー

ツイストヘラー

ハンディヘラー

ブリーズヘラ−

3)吸入液

7.将来の吸入療法について


あとがき

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784862700384
  • ページ数:164頁
  • 書籍発行日:2012年4月
  • 電子版発売日:2018年8月10日
  • 判:AB判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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