改訂2版 「超」入門 脳血管内治療 [動画付き]

  • ページ数 : 312頁
  • 書籍発行日 : 2018年4月
  • 電子版発売日 : 2018年9月21日
¥15,400(税込)
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商品情報

内容

再開通・FD等を追加、充実度さらにアップ。大人気シリーズの全面改訂版、ついに登場!

初学者向けに、手技のコツとその根拠を会話調でわかりやすく解説。最新、必須、注目のデバイスを使用目的別に比較した「Side Note」も収載。WEB動画は、著者・監修者による、ポイントがわかる音声実況解説付き!

序文

早いもので『「超」入門 脳血管内治療』を出版してから6 年が経過した.この6 年間で脳血管内治療が劇的な変化を遂げたことに疑問の余地はない.

まず,何と言っても「急性期再開通」がグレードA エビデンスとして確立されたことである.これほどのスピードで標準的治療となるとは誰が予想しただろうか.脳神経外科医にとって,グレードA エビデンスを持つ外科治療と言えば,症候性頚動脈狭窄症に対するCEA や破裂脳動脈瘤クリッピングなどで,内科治療であればtPA静注療法などであるが,これらの治療と急性期再開通治療が有効性において同レベルとなる時代が来るとは,初版を執筆した2012 年当時は夢にも思わなかった.そのため,初版では1 ページも取り上げなかったが,今や,再開通治療は適応患者に施行,あるいは施行施設に転送しなければ,訴訟となり得る治療である.このような時代が来ることを宮本 享教授はおそらく見越されて,この6 年間で京都大学同門のほぼすべての関連病院に脳神経血管内治療専門医の配置を既に完了された.また,今後法制化されるであろう「包括的脳卒中センター」の候補病院すべてに指導医の配置も完了している.さらに,脳神経外科専門医と脳神経血管内治療専門医を必ず取得できるように専攻医ローテーションプログラムを綿密に組んでおり,実際に毎年10 名近い専門医を同門より誕生させている.

このような時代を迎えた今,教授より私に課せられたミッションは「京都大学同門における脳血管内治療手技の標準化」であった.この一環として,2014 年には康生会武田病院,2015 年には小倉記念病院へ部長として赴任する機会をいただいた.2014年と言えば,ステントレトリーバが日本上陸した年である.再開通治療が普及し始める2014 年から2016 年の3 年間,この2 つの超急性期病院で赴任時に感じた問題点は,治療手技が「○○流」や「○○式」という名の下に施され,チーム内で統一性がないことであった.しかも,超急性期という病院の性質の割には,超急性期の再開通治療や動脈瘤治療の成績は必ずしも満足し得るものではなかった.脳血管内治療や脳神経外科手術など技術を伴う治療には確かにart の側面があり,治療スタイルには各術者に相当の裁量があって然るべきである.しかしながら,私が現実に見たものは,「自分の治療スタイル」という名の我流の治療以外の何物でもなかった.赴任後,私はまず「チームの治療スタイル」を確立させるために,治療手技の標準化に取り組んだ.理論や根拠なき私自身のスタイルの押しつけは避けるように努め,それぞれのチームで育まれてきた優れた点は積極的に私自身の治療にも取り入れた.そして,3 カ月ごとに治療成績をまとめて,変更の是非を議論して修正した.その結果,最終的に2016年3 月末に小倉記念病院で確立させた治療プロトコールによる再開通治療の成績(私以外の術者11 名)は,TICI 2B 再開通率87%,平均治療時間(穿刺から再開通まで)22 分という,米国のSWIFT Prime 試験とも遜色ない素晴らしいものとなった.「治療の標準化」が優れた結果に直結することを示したことは,この『改訂 2 版「 超」入門 脳血管内治療』を執筆する大きな原動力となった.

さて,本書の主な改訂点は,急性期再開通治療とフローダイバータ治療という新しい治療の追加である.再開通治療については現時点でわれわれのチームが標準的プロトコールとしている方法を解説した.このプロトコールが「我流」ではないかという心配もあり,1 例は神戸市立医療センター中央市民病院の方法を紹介した.幸い,われわれの方法とほぼ同じであったことに安心した.フローダイバータについてはまだまだエキスパートの治療であり,本書で取り扱うかを逡巡したが,この治療自体は大型動脈瘤の標準的治療に必ずなるという確信のもとに取り上げることとした.また,初版はOnyx 導入後まもなくであったが,この6 年間でさまざまな応用テクニックも普及したため,新章を追加した.さらに,まもなくオンラベル治療となる硬膜動静脈瘻に対するOnyx 治療も追加した.その他,LVIS やMOMA など,新しいデバイスについてはもれなく追加したつもりである.

そして,この改訂2 版のもう一つの目玉は,師・坂井信幸先生と私の症例ビデオの実況中継および解説である.神戸で坂井先生に直接ご指導いただいてからすでに10年が経過し,私自身が神戸の標準的治療として習得した治療は,京都,そして神戸においても変遷しているに違いない.果たして,この変化が「深化」なのか「ガラパゴス化」なのか? それを念頭に置いて,明日2 月22 日深夜に師匠と2 人で,新しく編集したビデオをネタにじっくりと治療談義ができることを心から楽しみにしている.

最後に,デバイスに関する膨大なデータを調査いただいた私の「デバイス博士」である小西医療器 市田定栄様,さらに治療に協力いただいた京都大学および小倉記念病院スタッフに心より感謝申し上げたい.本書が脳血管内治療の普及と発展,すなわち治療医の増加と技術の向上に寄与することを心から願ってやまない.


2018年 2月21日

京都大学大学院医学研究科脳神経外科
講師 石井 暁

目次

・推薦のことば

・監修のことば

・序文

・登場人物プロフィール

【序章 脳血管内治療を始めるにあたって】

◆セットアップ

【1 章 脳血管内治療の基本手技】

◆穿刺および止血とカテーテルの操作法

〔Side Note (1)〕ガイディングカテーテル・中間カテーテル・バルーン付きガイディングカテーテル・ガイディングシース選択

〔Side Note (2)〕マイクロカテーテル選択

【2 章 急性期脳梗塞の血管内治療】

◆再開通(機械的血栓回収術)

【3 章 脳動脈瘤の血管内治療】

(1)脳動脈瘤コイル塞栓術の基本

〔Side Note (3)〕コイル

(2)バルーンアシストテクニック

〔Side Note (4)〕ガイディングカテーテル・マイクロカテーテルプロファイル表

〔Side Note (5)〕主要ガイディングカテーテル別ダブルカテーテル適合表

(3)ステントアシストテクニック

(4)ステントアシストテクニックの応用

(5)母血管閉塞術

(6)フローダイバータ

【4 章 脳動静脈奇形(AVM)の血管内治療】

(1) AVM 塞栓術:Onyx 編

(2) AVM 塞栓術:NBCA 編

〔Side Note (6)〕Onyx とNBCA の使い分け

(3) AVM 塞栓術:Pressure cooker technique による根治的塞栓術

【5 章 硬膜動静脈瘻(dAVF)の血管内治療】

(1) dAVF 塞栓術:経静脈的塞栓術(TVE)編

(2) dAVF 塞栓術:経動脈的塞栓術(TAE)編

【6 章 頚動脈狭窄症の血管内治療】

(1)頚動脈ステント留置術(CAS)の基本

(2)頚動脈ステント留置術(CAS)の応用

【7 章 頭蓋内血管の血管形成術】

◆頭蓋内ステント留置術

〔Side Note (7)〕頭頚部でオフラベル使用されるステント


・WEB動画の視聴方法

・索引

・著者紹介

・巻末資料

・主要ガイディングカテーテル別ダブルカテーテル適合表

・ガイディングカテーテル・マイクロカテーテルプロファイル表(1)(2)

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書籍情報

  • ISBN:9784840464901
  • ページ数:312頁
  • 書籍発行日:2018年4月
  • 電子版発売日:2018年9月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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