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  • 完全版 脳血管内治療学 病態・治療法の本質的理解と臨床・研究発展のために

完全版 脳血管内治療学 病態・治療法の本質的理解と臨床・研究発展のために

  • ページ数 : 512頁
  • 書籍発行日 : 2018年10月
  • 電子版発売日 : 2018年11月30日
¥27,500(税込)
ポイント : 750 pt (3%)
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商品情報

内容

サイエンスの裏付けに基づく新分野「脳血管内治療学」宣言!

脳血管内治療を単なる手技・テクニックとしてではなく、体系的な学問として、周辺を含む全容を完全網羅した領域初の教科書。血管内治療の安全な遂行と発展のために必要な基礎および介在的研究の現在までの成果と今後の展開を、分野の「サムライ」が結集してまとめた金字塔的1冊。

序文

監修のことば

脳血管内治療は,約40年前,使う道具もほとんどが手作りであった時代から始まり,瞬く間に脳血管内治療に関する大量かつ精細,精密な知識,技術,機器,設備が備わり,「脳血管内治療学」という学問体系が提唱されるほどに発展してきた.そのスピードならびに全世界的な広がりに,今さらながら感心している.またその間に,海外ではフランスの片田舎で開かれていたワーキンググループを中心にして作られたWFITNという国際学会が大きく発展してきたこと,また本邦では日本脳神経血管内治療学会が会員数3,584名(2018年現在)に達するほど大きくなり,またその学会に,素晴らしい専門医制度が発足,発展してきたことも,この分野が脳血管障害の医療にとって,いかに重要であるかを示している.

このたび本書が出版されるにあたって,日本全国の脳神経血管内治療に携わる高名な先生方,ほぼ全員の分担執筆があり,また執筆された内容に,血管内治療に関連する,解剖,病態,診断法,治療法,治療技術,機器の開発など,脳血管内治療学全体が含まれたことは,個人的にもたいへんうれしいことである.

新進の若手の先生には学問体系の学習,ならびに専門医に求められる知識の獲得に,またベテランの先生には,現時点での脳血管内治療学の概観,知識の整理にたいへん役に立つものと考えている.

脳血管内治療学は今後も発展していく分野であり,多くの問題点の提起,研究,創造が行われ,さらに高い学問体系となっていくものと考えている.今後の発展についても,この本がその原動力の一つになることを願っている.


2018年7月

康生会武田病院 理事・脳卒中センター長 三重大学名誉教授
滝 和郎

目次

Foreword

Luc Picard

Georges Rodesch

Preface

監修のことば

「脳血管内治療学」(Neuroendovascular Therapeutics) の刊行にあたって

執筆者一覧

本書の使い方

I 解剖学

1 発生学:血管の発生

治療上問題となるaccess血管の奇形,variant

A. 大動脈転位,abberant

B. 頚部頚動脈の走行異常,無形成

(1)Abberant type

C. 内頚動脈系のvariant

(1)眼動脈の起始

(2)前・中大脳動脈の走行異常

(3)Azygos anterior cerebral artery(azygos ACA)

D. 椎骨脳底動脈のvariant

(1)窓形成

(2)脳幹穿通枝のdominancyについて

E. 脊髄動脈系のvariant

(1)脊髄・脊椎血管の解剖とvariation

F. 静脈系のvariation

(1)上矢状静脈洞・横静脈洞・S状静脈洞と静脈洞交会

(2)CSの流入・流出路(sphenoparietal sinus)

(3)ACCの流出・流入路

(4)Emissary veins

Special Topics(1)魚類や爬虫類からの進歩

2 血管解剖学:血管の起始,分布

治療上問題となる吻合

A. 外頚-内頚動脈吻合

(1)中硬膜動脈,副硬膜動脈,上行咽頭動脈

(2)眼動脈,ILT,MHT,Vidian artery

B. 外頚-椎骨動脈吻合

(1)OA,PAA,PMA

C. 内頚動脈内吻合

(1)Acom

(2)Leptomeningeal anastomosis(ACA-MCA/PCA-MCA)

D. 椎骨動脈内吻合

(1)PMA-PICA

E. 前方-後方循環吻合

(1)Pcom,primitive persistent arteries

(2)ACA-PCA(pericallosal)

Historical Review(1)神経血管解剖学の発展(Pierre Lasjauniasの功績)

3 病態発生学:血管奇形の発生

治療上知っておくべき遺伝子異常と病態

A. 脳動静脈奇形

(1)HHT(Osler-Weber-Rendu病),Metameric症候群

B. Cerebral proliferative angiopathy

C. 血管性病変,血管腫

(1)もやもや病

(2)von Hippel-Lindau,NF1,FMD,PKD

D. 結合組織疾患

(1)Marfan症候群,Ehlers-Danlos症候群

Special Topics(2)HHTの横断的研究:HHTのpathogenesis

4 病態解剖学

治療上問題となる器官,神経栄養

A. 網膜

(1)網膜動脈とethmoidal artery

B. 内包

(1)AChAとchoroidal point

C. 脳幹

(1)SCA,AICA,PICA(と穿通枝)

D. 動眼神経

(1)ILT,MHT,MMA

E. 顔面神経

(1)中硬膜動脈(MMA),上行咽頭動脈(APhA)

F. Lower cranial nerves

(1)APhA,odontoid A,PMA

G. 脊髄

(1)前脊髄動脈

Special Topics(3)誘発テスト法

II 画像診断学

1 放射線診断学:撮像法

治療上有用な特殊撮影法

A. MRI

(1)Plaque imaging

(2)BPAS

(3)Susceptibility vessel sign

(4)虚血イメージ(DWI,DTI,ASLなど)

(5)静脈洞の評価

B. Perfusion image

(1)Perfusion CT,MRI,SPECT(diamox負荷)

C. Cone beam CT

D. 3D image

(1)3D-DSA

Historical Review(2)血管撮影装置開発の経緯

E. Roadmap

F. 解像度向上のための工夫

(1)High resolution cone beam CT

G. 画像のfusion,angioと他画像

H. 放射線被曝低減の工夫

III 生理学

1 循環生理学:脳循環

治療上必要な脳循環生理学

A. 脳虚血の限界(細胞レベル)

(1)急性脳虚血

(2)慢性脳虚血

B. 境界領域

(1)Misery,luxury perfusion,penumbra,hemodynamic compromise

C. 過灌流

(1)過灌流現象と過灌流症候群

D. 虚血による脳代謝の変化

(1)グルタミン酸,酸化ストレス,アポトーシス

E. バルーン閉塞試験(BOT)と側副血行路

F. 動静脈シャント疾患のhemodynamics

(1)steal,venous hypertension,NPPB,静脈壁肥厚

G. 簡易的脳内血流評価

(1)近赤外線

(2)経頭蓋ドプラ検査(TCD)

2 流動学

治療に応用できる流体力学

A. CFD

(1)数理的原理(particle流体モデルからCFDへ):脳動脈瘤を中心に

(2)脳動脈瘤治療におけるステントの流体的影響:臨床応用の観点から

(3)血管狭窄のバイオメカニクス

(4)MRIによる再構成:磁気共鳴流体力学(MRFD)

治療上知っておくべき血液粘性

A. 血液粘性

(1)脂質,血小板凝集

治療上知っておくべき血栓形成

A. 血栓塞栓の発生

(1)血栓の種類と発生(動脈内,静脈内)

IV 薬理学

1 血液薬理学

治療に必要な凝固薬理学

A. 抗血小板薬

(1)基本薬理と検査法

B. 抗凝固薬

(1)基本薬理と合併症

C. その他の薬剤

(1)アルガトロバン,オザグレルナトリウム

D. 凝固異常

(1)HIT,protein C欠損症

治療に有用な神経保護

A. 脳虚血予防

(1)エダラボン,その他

B. 炎症予防

(1)ステロイドなど

V 病理学

1 血管病理学

治療上知っておくべき血管病理学

A. 動脈硬化

(1)プラークの病理(炎症・感染),イメージ

B. 塞栓

(1)血栓の病理

C. 血管攣縮

(1)メカニズムと病態

D. 解離

(1)解離のメカニズム(瘤,狭窄)

(2)部分血栓化巨大本幹動脈瘤の病理所見と増大機序

E. 血管炎

(1)感染性動脈瘤,血管炎

F. 静脈閉塞

(1)Sinus血栓

Special Topics(4)特発性頭蓋内圧亢進症に対する血管内治療

G. 硬膜動静脈瘻

(1)硬膜における生理的動静脈吻合/dAVFの病理と静脈洞の発生

Historical Review(3)脳血管内治療病理学の進歩

2 実験病理学:病態モデル

治療上知っておくべき病態のシミュレーション

A. 動脈瘤

(1)脳動脈瘤新生モデル(橋本モデル)

(2)動脈瘤疑似形態モデル

(3)その他のモデル(北大モデル)

(4)動脈解離の実験的モデル

B. 硬膜動静脈瘻

(1)成因:臨床例,組織所見,動物モデルからの検討

C. 頚動脈狭窄

(1)動脈硬化狭窄モデル

D. 脳塞栓

(1)MCA塞栓モデル,塞栓子モデル

E. 治療後の病理

(1)脳動脈瘤塞栓術

VI 治療学

1 治療材料学

治療に必要なデバイスの特性

A. ガイディング,ワイヤー

(1)広内径,支持性など,DAC

B. マイクロカテーテル

(1)細径化,抗血栓,滑り(hydrocoating),追従性,flow-guide,hybrid

C. マイクロガイドワイヤー

(1)操作性,支持性,安全性

D. バルーンカテーテル

(1)inflation/deflation法,滑り,支持性など

E. 血管内測定装置

(1)IVUS,OCT,血管内視鏡

Historical Review(4)離脱式バルーンの歴史と展望

治療に必要な材料の特性

A. コイル

(1)各コイルの特性(やわらかさ,太さを決めるコンセプト,離脱方法)

(2)コイルの挙動,壁への圧負荷

(3)Surface modified coil

Historical Review(5)コイル開発の歴史と展望

B. ステント(PTA)

(1)頚動脈ステント,頭蓋内ステント,stent retrieverのデザイン

C. ステント(動脈瘤)

(1)Enterprise VRD,Neuroform,LVIS,Pipeline

D. 固体塞栓物質

(1)マイクロスフィア

E. 液体塞栓物質

(1)NBCA,Onyx,その他

Historical Review(6)塞栓物質開発の歴史

F. その他の材料

(1)吸収性ポリマーなど

2 治療技術学

治療に必要な技術革新と新知見:embolization

A. 動脈瘤

(1)Assist technique,FD

Historical Review(7)ダブルカテーテル法の開発

B. 動静脈奇形

(1)AVM塞栓術

Special Topics(5)新生児脳血管内治療の進歩

C. 硬膜動静脈瘻

(1)Onyx,TVE

D. 血管外傷

E. 脳腫瘍,頭頚部腫瘍

(1)栄養動脈塞栓,動注療法

F. 頚動脈狭窄

(1)Protection

Historical Review(8)脳腫瘍動注療法の歴史と展望

治療に必要な技術革新と新知見:reconstruction

A. 頭蓋内動脈狭窄

(1)Wingspan

Special Topics(6)頭蓋内動脈狭窄の血管造影形態分類

B. 脳血管攣縮

(1)パパベリン,ファスジル,PTA

C. 脳塞栓

(1)ADAPT,stent retriever

Historical Review(9)血管内救急の歴史

D. 止血

(1)Angioseal,その他

E. 医原性血管損傷

(1)断裂,穿孔,穿通,解離,攣縮

F. 観血的治療とのcollaboration

(1)ハイブリッド手術室の意義と適用

治療を有効にするための診断治療システム

A. 虚血急性期治療体制

(1)搬送システム,地域連携,集中管理(SCU)

VII 予測診断学

1 予測診断

治療転帰に関連したその他の研究

A. 未破裂瘤の増大破裂予測

(1)CFD

(2)脳動脈瘤におけるエストロゲンの影響

Special Topics(7)PHASES score

B. 再狭窄の病理

C. 血管硬度と動脈硬化の進展

2 付随系統診断学

治療が影響する認知・精神機能

A. 高次脳機能検査

(1)治療後の変化:無症候性頚動脈狭窄症における軽度認知機能障害の検出方法とステント留置術前後の認知機能の変化

B. 精神的要素

(1)不安

VIII 工学

1 操作制御学

治療を補助する工学技術

A. 非接触による操作環境

(1)操作パネルのコントロール,バーチャルリアリティ

B. 自動制御

(1)自動挿入装置,ロボット

C. 画像伝送

(1)脳卒中領域におけるTelemedicine(遠隔医療)

D. 擬似体験

(1)トレーニングマシン

Historical Review(10)脳血管内治療における超音波,レーザーの応用:血栓破砕を中心に

IX 経済学

1 医療経済・レギュラトリーサイエンス

治療に関連する医療行政

A. 医療経済・医療機器審査の問題

Historical Review(11)わが国のデバイス認可の変遷

X 倫理学

1 医療倫理学

治療に際して必要な倫理学

A. インフォームド・コンセント

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書籍情報

  • ISBN:9784840464895
  • ページ数:512頁
  • 書籍発行日:2018年10月
  • 電子版発売日:2018年11月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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