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腫瘍病理鑑別診断アトラス 胃癌 第2版

深山 正久, 大倉 康男 (編)

株式会社 文光堂

318 頁  (2015年10月)

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胃癌の病理診断のスタンダードをめざした腫瘍病理鑑別診断アトラス 第2版!

初版の刊行以後,胃癌取扱い規約第14版, WHO分類第4版の出版をはじめ,TOGA studyに基づく胃癌分子標的治療やHER2コンパニオン診断の登場,分子機序による胃癌分類も発表されている.さらに,低悪性度胃癌,腺腫,間葉系腫瘍でも新たな概念が提唱されている.本改訂では,このような変化,進歩を背景に,多くの病理医が今後のゲノム病理学の動向も視野に入れながら,今一度,概念をとらえ返し胃癌診断に向き合えるよう稿を改めた.

>『腫瘍病理鑑別診断アトラス』シリーズ

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初版の刊行以後,胃癌取扱い規約第14版, WHO分類第4版の出版をはじめ,TOGA studyに基づく胃癌分子標的治療やHER2コンパニオン診断の登場,分子機序による胃癌分類も発表されている.さらに,低悪性度胃癌,腺腫,間葉系腫瘍でも新たな概念が提唱されている.本改訂では,このような変化,進歩を背景に,多くの病理医が今後のゲノム病理学の動向も視野に入れながら,今一度,概念をとらえ返し胃癌診断に向き合えるよう稿を改めた.


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文光堂「腫瘍病理鑑別診断アトラス」シリーズは,腫瘍病理診断における日本の病理学の標準的なガイドラインを示すことを目的として,2009年4月に刊行された.先行した「取扱い規約に沿った腫瘍鑑別診断アトラス」13冊の第一シリーズを基礎に企画されたが,第二シリーズは日本病理学会の協力を得て,刊行委員会によって選ばれた日本を代表する編集者の手によって,名実ともに日本における標準的な腫瘍病理学アトラスとなっている.刊行途中に日本病理学会編集協力の在り方に関する見直し,そして再出発,刊行委員の交替があったが,全体として22領域24冊によって腫瘍病理学のほとんどをカバーできる状況になった.そして刊行開始より5年半が経過し,今回,「腫瘍病理鑑別診断アトラス」改訂版(第2版)が刊行されることになった.

腫瘍診断の基本的な枠組みについては,現在も「癌取扱い規約」における組織病理分類にまず基づき,次いでWHO分類をはじめとする国際的な分類を参照することが多い.しかし,日々の病理診断において分類に困難を感じることや,多様多彩な組織像の取り扱いに苦慮することも少なくない.とりわけ,日常診療でよく遭遇し,しかも鑑別診断に迷う病変,診断を誤ると治療方針に大きな影響を与える腫瘍については,常に参照し,確認するためのアトラスが必須である.本シリーズが,そうした病理医の要望にしっかりと応えるものであったことが,今回の改訂版,サードシリーズの刊行につながったものと信じている.

さて,前回の『腫瘍病理鑑別診断アトラス 胃癌』の刊行の後,2010年,胃癌取扱い規約 第14版,そしてWHO Classification of Tumours of the Digestive System, 4th ed.が出版された.アトラスでは既にこれらの改定作業の内容を取り入れていたが,『胃癌取扱い規約 第14版』での大きな変化としては,胃癌治療ガイドラインとの明確な棲み分け,UICCのTNM 分類との連動,Group分類の改定が挙げられよう.その後,TOGA studyに基づく胃癌分子標的治療,HER2 コンパニオン診断が登場した.さらに,ここ数年,急速に癌ゲノム研究が進み,2014年にはゲノム,エピゲノム,トランスクリプトーム解析による分子機序による胃癌分類が発表されている.また,この間,低悪性度胃癌,腺腫,間葉系腫瘍で新たな概念が提唱され,膵・消化管内分泌腫瘍(NET)診療ガイドライン,食道胃接合部診断基準,GIST診療ガイドライン(第3版)などが発表されている.

このような変化,進歩を背景に,今回の腫瘍鑑別アトラスでは,多くの病理医が今後のゲノム病理学の動向も視野に入れながら,今一度,概念をとらえ返し胃癌診断に向き合えるよう稿を改めた.統一的用語の使用に気を配り,実際上の問題点,解決策を明示することにより,より実際的なアトラスを目指した.日々の診断に活用していただけることを祈っている.


平成27年10月

深山 正久
大倉 康男


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第1部 検鏡前の確認事項

I.胃癌取扱い規約のコンセプト:国際分類との違い

1.胃癌取扱い規約の歴史と第14版の改訂について

2.胃癌取扱い規約の作成コンセプト

3.胃癌取扱い規約の構成

4.生検組織診断のためのグループ分類

5.国際分類との違い

6.胃癌取扱い規約の問題点

7.癌取扱い規約統一について

II.発癌メカニズムUpdate

1.ゲノムからみた胃癌の分子病理学的分類

2.胃癌ゲノムの理解のための基礎となる概念および発癌メカニズムとの関連

3.遺伝性胃癌

4.治療への展開

III.病理標本の取り扱い方

1.肉眼観察

2.マクロ写真撮影

3.固定

4.切り出し

IV.肉眼診断

1.肉眼診断のために必要な観察項目と所見

2.組織型別の肉眼的特徴

3.肉眼診断過程

第2部 組織型と診断の実際

I.良性腫瘍

1.管状腺腫(腸型・胃型)

II.悪性腫瘍:一般型

1.乳頭腺癌

2.高分化管状腺癌

3.中分化管状腺癌

4.低分化腺癌

5.印環細胞癌

6.粘液癌

III.悪性腫瘍:特殊型

1.カルチノイド腫瘍,内分泌細胞癌

2.リンパ球浸潤癌

3.AFP産生胃癌

4.扁平上皮癌・腺扁平上皮癌

5.その他の癌(絨毛癌・未分化癌)

IV.臨床的に特徴的な癌

1.胃底腺型胃癌

2.低異型度の分化型癌

3.linitisplastica型胃癌

4.残胃癌

5.食道胃接合部腺癌

V.非上皮性腫瘍(間葉系腫瘍)

1.胃消化管間質腫瘍(GIST)

2.GIST以外の代表的非上皮性腫瘍

3.腫瘍様病変

VI.蔓状線維粘液腫ならびに稀な間葉系腫瘍など

1.plexiform angiomyxoid myofibroblastic tumor(plexiform fibromyxoma)

2.カポジ肉腫

3.滑膜肉腫

4.明細胞肉腫

VII.胃リンパ腫

1.定義と分類

2.MALTリンパ腫

3.MALTリンパ腫の除菌反応性と組織像

4.MALTリンパ腫の除菌後の評価

5.びまん性大細胞型B 細胞性リンパ腫

6.Burkittリンパ腫および関連疾患

7.濾胞性リンパ腫

8.マントル細胞リンパ腫

9.形質細胞性リンパ腫

10.T/NK細胞性リンパ腫

VIII.リンパ腫様胃症

1.概要

2.疫学・臨床病態

3.発症部位

4.肉眼像

5.組織像

IX.転移性腫瘍

1.概念・定義

2.原発巣,頻度,臨床病理学的特徴

3.画像・肉眼所見

4.主な転移性胃腫瘍の特徴

5.転移性胃腫瘍の病理診断

6.転移性胃腫瘍の病理診断の実際

X.腫瘍様病変

1.非腫瘍性胃ポリープ

2.その他の疾患

XI.消化管ポリポーシスに伴う胃病変

1.家族性大腸腺腫症

2.Peutz-Jeghers症候群

3.若年性ポリポーシス

4.Cowden病/PTEN過誤腫症候群

5.Cronkhite-Canada症候群

第3部 鑑別ポイント

I.内視鏡切除検体の組織診断─深達度,脈管侵襲,切除断端の判定を中心に

1.胃癌治療ガイドライン第4版による内視鏡治療の適応基準からみた病理診断の重要点

2.内視鏡切除材料の取り扱い~検鏡まで

3.内視鏡切除検体の組織学的評価

II.生検

1.胃生検組織診断分類(Group分類)のコンセプト

1.胃生検組織診断基準(Group分類)のはじまり

2.Group分類の変遷

3.Vienna分類(国際コンセンサス分類)の提唱

4.Group分類の運用と問題点

5.改訂された胃生検組織診断分類(Group分類)

6.胃生検組織診断分類(Group分類)の問題点

2.診断の難しい生検検体の判定方法

1.炎症性異型か腫瘍性異型かの判定が難しい検体

2.癌の判定が難しい検体

3.標本が原因で診断が難しい検体

4.癌と間違えやすい生検検体

III.腹腔細胞診の判定

1.腹膜播種の成立機序

2.臨床病理学的特徴

3.腹腔細胞診の実施方法

4.判定と結果の記載方法

5.腹腔細胞診の細胞像

6.鑑別診断のポイント

7.鑑別のための手法

第4部 臨床との連携

I.薬物・放射線療法の組織学的判定

1.組織学的な効果判定の実際と問題点

II.レポートの記載

1.生検標本

2.内視鏡切除標本・手術切除標本

3.術中迅速検体

III.コンパニオン診断─HER2テスト関連

1.HER2テストの判定アルゴリズム

2.HER2テストのための病理検体品質管理

3.病理の精度保証について


索引

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