医療ミスを防ぐ技術

Kevin Barraclough ほか (著) / 竹本 毅 (訳)

株式会社 日経BP

216 頁  (2017年5月)

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リリース日: 2017年10月13日

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一般診療で頻繁に遭遇する過誤を、多くの事例を提示して検証

総合診療医の診療ミスとして医療訴訟の場に登場する病態の95%を占める40症例を、専門医と司法の視点から徹底的に分析。誤診に至る医師の思い込み・“認知の罠”を回避する術も紹介する。

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"私はここで間違えたのではないか?"

一般診療で頻繁に遭遇する過誤を、多くの事例を提示して検証


総合診療医の診療ミスとして、医療訴訟の場に登場する病態は決して多くない。

英国の解析では、虫垂炎、足虚血、くも膜下出血、肺塞栓などの40症例が訴訟の95%を占める。その40症例を、専門医と法律家の視点から徹底的に分析する。誤診に至る医師の思い込み、"認知の罠"を回避する術も紹介。

医療や司法制度が異なる英国の事例だが、日本のプライマリ・ケアや総合診療でも見逃しやすい疾患は同じ。診療ミス、そして医療訴訟を回避する上で、この40症例を押さえることは、日本の医療現場でも必須だ。


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2000年、当時の英国保健省(DoH)によって設置され、主席医務官Liam Donaldson 教授が議長を務めた委員会は、『An Organization with a Memory』という報告書を発表した【訳注:直訳すると『記憶する組織』といったところか】。この報告書は、NHS(国民保健サービス)で行われる医療の大多数が極めて高水準にあり、提供される医療の規模からすると、重大な失敗はまれであることを認定した。しかしながら、実際に失敗が生じると、その結末は個々の患者やその家族にとって甚大な被害を及ぼしかねない。医療従事者も罪責感や苦悩を覚える。連鎖反応のように、その過ちは医療サービスに対する国民の信頼を蝕むことにも波及する。最後に、だが決して軽んじてならないこととして、これらの有害事象は財政面に莫大な累積的影響を与える。この報告書で提示された数値によると、NHS訴訟局(NHSLA;英国NHSトラストに対する過失訴訟を扱う団体)は、2010年11月現在、医療過失訴訟に対して8億6300万ポンド近くを支払っている(この数値は公的医療と自由診療に関するMedical Defence Organisationが負担した費用は考慮していない【訳注:略称MDO、直訳すると『医療者弁護組合』で、医療者側の共済基金のような組織】)。報告書は、これらの失敗は聞き覚えのあるものばかりであり、「経験から得られた教訓を適切に学びさえすれば」多くは回避できた、と残念そうに論評した。

報告書を作成した委員会は、過失訴訟事例でまだ手つかずの臨床データが大量に蓄えられていることにも言及した。NHSは受身で学習する組織としてとても優秀である、と穏やかに批判したうえで、期末に成績報告書を記す教師のごとく、NHSは不十分な学習者でありもっと努力できたはずだ、と評定した。より肯定的な記載として、報告書は「専門分野ごとに、訴訟に至った診療の主要領域に焦点を当てることで、貴重な学びを抽出できる大きな可能性がある」と述べ、有害事象からの学びは臨床面の管理統制で鍵となる要素であり、NHSの質に関する政府の課題を実現するための重要要素でもある、と認めた。

NHSLAの報告によると、2011年現在、法的責任による債務の潜在的な合計推定額(係争中および想定される訴訟による推定額)は168億ポンドである。『An Organization with aMemory』が記された当初、この数字は24億ポンドだった(この合計額は、既知の訴訟と、まだ提訴されていない事例の双方に基づき、保険統計上で算出した値である。幾つかの事例は、何年も表面化しないかもしれない。前述の8億6300万ポンドという数字は、1年間に実際支払われた合計額であり、それと混同すべきでない)。NHSLAはまた、過失訴訟件数が、2009/10年度の6652件から、2010/11年度は8655件に増加していることも報告した。これらの数値の増加は、NHSが提供するケアの水準の顕著な低下というよりも、過失を提訴する準備の整った患者が増えていること、および訴訟費用のひどい暴騰によるものかもしれないが、患者に提供されるケアにはまだ改善の余地があることを統計ははっきりと示している。ケアの水準に関するこの余地こそ、我々執筆陣が本シリーズならびにその一部である本書を通じて取り組みたいものである。

『An Organization with a Memory』は、報告書として、NHS内部の過誤の性質を新鮮な目で見直すことを目指し、航空機産業など医療分野以外の活動に目を向けた。委員会は、人的過誤(ヒューマン・エラー)には、人間中心アプローチとシステムアプローチという2つの視点があることに触れた。人間中心アプローチは個人に焦点を当て、その人の不注意や油断、記憶の曖昧さなどに重点を置く。それらの矯正は個人を対象としたものであり、「責める文化」を蔓延させる。一方、システムアプローチは、失敗の理由について全体論的な視野に立つ。規模の大きな組織が直面する問題の多くは複雑であり、多様な因子の相互作用の結果であることを受け入れる。過誤は、数多くの小さな誤りの累積に起因することが多く、非難に値する個人に責任を負わせることは必ずしもできない。このアプローチは、人は間違えるものであり、エラーは避けられないという立場を出発点とし、間違いを減らすために、人々が働く環境を変えようとするものである。

しかしながら、システムアプローチは、個人の責任を免除するものではない。それよりも、有害事象の責任を負う誰かを探さねばと自動的に思い込むべきでないことを提唱している。『An Organization with a Memory』の筆者らは、医療が多くのハイテク産業と異なることを認めた。例えば航空機産業は、危険と害との間に数多くのハイテク防御手段を設定することができる。これは多くの医療分野でしばしば不可能であり、人的要素が最後のそして最も重要な防御手段となることが多い。「手術室では、メスと目標外の神経や血管との間に、外科医の技術と修練を除けば、介在するものはほとんど何もない」と筆者らは書いた。この違いこそ、医療におけるエラーの本質をつかみ、医師が患者の治療でどう間違えるのかを示す事例研究をなぜこれほどまで重視するのか理解するための鍵だと我々は考えている。

委員会は、NHSが従事者の起こしたエラーに対してあまりに長期にわたり人間中心アプローチを取り続けたことで、改善の根が抑え込まれてきた、と考えた。委員らはNHSの文化に変革を求め、彼らの言う「責める文化」からの脱却を要求した。この報告書が書かれてから10年以上経過し、その姿勢に若干の変化がみられている。しかし、完全なる転換が必要である。NHSが責める文化ではなく「安全文化」すなわちシステム内に多数の防御手段を築く文化を推進する姿を見たい。

とは言うものの、医療サービスは法体制の下に機能するが、その法体制はこのようなシステムアプローチを育むものとなっていない。現在、検視官(coroner)の叙述的評決(narrative verdict)という形でシステムの長所と短所を論評することはできるものの、一般に、医療に関する苦情申し立てとその訴訟過程は、依然として、システムの機能不全ではなく個人の行為に焦点を当てがちである。この人間中心アプローチでおそらく最も目につく事例は、General Medical Council(GMC;全英医療評議会)が訴状を受け取った時の医療従事者の扱い方に見ることができる。この公開討論会では、医師個人が専門職としての水準を満たしていることが求められ、何らかの点で達していない場合は責任を取らされることとなろう。彼らも、知らず知らずのうちにそうした専門職の水準と矛盾するように思えるような環境で働いていることがあろうにもかかわらず、である。

エラーがどのように被害に至るのかについて、有名な「スイスチーズ」の説明を最初に思いついたJames Reason 教授は、次のように述べた(Reason, 2000)。



  長年はびこる人間中心のアプローチの伝統は、前線に立つ人々(看護師、内科医、外科医、麻酔科医、薬剤師など)の危険な行為(エラーや手続き上の違反)に焦点を当てている。これは、こうした危険行為が、忘却、不注意、意欲低下、油断、怠慢、無謀といった、逸脱した精神的処理に主として起因するとみなすものである。至極当然ながら、関連する対策は、人間行動の望まぬ変動を減らすことが主な狙いとなる。このような方法には、人々の恐怖感に訴えるポスターキャンペーン、別の手順を書く(または既存のものに書き加える)、懲戒処分、訴訟の脅威、再教育、名指し、非難、恥辱を与えるなどが含まれる。このアプローチの追従者は、エラーを道徳的な問題として扱いがちであり、悪いことは悪い人物に生じると思い込んでいる。これは、心理学者らが公正世界仮説と呼んできたものである。



システムアプローチの基本的前提は、人は誤りを犯すものであり、最良の組織においてさえエラーは当然生じる、というものである。エラーを原因ではなく結果とみなし、その起源は、人間の不条理な性質ではなく、「上流」にあるシステム上の要因にあると考える。これには、職場で繰り返しエラーを生じさせる罠や、エラーを引き起こす組織的過程が挙げられる。対策は、人間の条件は変えられなくても、人間が働く条件は変えられる、という仮定に基づいている。中心となる考え方は、システム防御である。あらゆる危険な技術には、防壁や防御手段が組み込まれている。有害事象が生じた場合、重要な論点は、誰が失態を演じたかではなく、なぜ防御手段が働かなかったかである。

『An Organization with a Memory』を発表した委員会は、エラーや訴訟という苦い経験から多くの有用な教訓を学ぶことができ、これはエラーが最も頻繁に生じる領域を専門分野ごとに検討することで最もうまく成し遂げられる、と記載した。執筆者として、我々は彼らが正しかったと信じている。こうして、我々は一般診療におけるエラーを検討する書籍を生み出すに至った。これは本シリーズの他の書籍にも当てはまり、それぞれが別個の専門分野について集中的に扱っている。

医師がエラーや訴訟から教訓を学ぼうとするのであれば、その根底に潜在する仕組みについて、ある程度の理解が不可欠である。よって、第1部のセクション1では、鍵となる法的概念と、それらが医療とどのように相互作用するのかを論じる。その項では2000年に発表された『An Organization with a Memory』の文面を精査している。先にも述べたように、これは主席医務官が議長となってNHSの有害事象から教訓を得ることを目的とした専門家集団による報告書である。システム機能不全が個人のエラーにどう関与するのかを同定すべく、ある病院の過失事例が比較的詳細に精査されている。

一般診療におけるほとんどの訴訟事例は、診断できなかったこと、または診断や紹介が遅れたことに関するものである。第1部のセクション2では、これに関連した側面を精査する。総合診療医(GP)がいかにして診断に至るのか、そして認知エラーがどこで生じるのかについて、科学的根拠を検討する。こうしたリスクを最小にするための6段階の簡単な方略も提案したい。

第1部のセクション3では、ベイズの推論が臨床推論の過程をいかに分かりやすくできるか、そしてエラーが生じやすいのはどこかについて、簡潔に検証する。「SnNOUT」と「SpPIN」および尤度比についても考察する(これらに関する説明は後述)。

第1部のセクション4では、病歴と診察、電話相談、コミュニケーション、知識不足、予期せぬ結果異常、診療録のつけ方、薬剤や処方の誤り、同意の問題といった、エラーに至る論点を幾つか集めて検証する。過失事例の「常連」疾患とその避け方についても警鐘を鳴らしたい。第1部の最後には、「安全網」に関する極めて重要な側面について扱う。

本書の心臓部は実際のところ第2部である。ここでは、一般診療で頻繁に遭遇する過誤について、多くの事例を提示し検証している。各事例は実際のシナリオから抽出されており、患者の秘密を保護するために匿名化して、法律家の見解も添えている。大部分の事例は疾患を診断できなかったことに関するものであり、これは医療上のエラーの原因として最も多く、またGPに対する訴訟原因として最も多い。

最後の第3部では、GPが遭遇し得る申し立ての様々な形態について実用的ガイドを提供しており、それらがGP自身にどのような影響を及ぼすか、そして自らの利益を守るために何ができるかを示している。

我々の狙いは、千年紀の代わり目に『An Organization with a Memory』が命じた変革に、いくらかでも適う書籍を提供することにある。臨床エラーの件数が減り、英国全土の各GPおよび医療機関が提供する医療の質が向上することを願っている。



参考文献

Department of Health (2000) An Organisation with a Memory, the report of an expert group on learning from adverse events in the NHS, chaired by the Chief Medical Officer( 2000).

Reason J( 2000) In human error: models and management. BMJ 320: 768-70.


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訳者前書き

はじめに

序文

第1部

セクション1 「過失」の法律的構造

セクション2 一般診療における誤診の原因と、その避け方

セクション3 ベイズの推論および誤診の回避

セクション4 エラー回避の助言集

第2部 臨床例

症例1 鉄欠乏の男性

症例2 頭痛が突発したのはいつ?

症例3 胸痛の女性

症例4 めまいの男性

症例5 妊娠女性の直腸出血

症例6 ふくらはぎの肉離れ

症例7 片麻痺性片頭痛の女性

症例8 インドで体調を崩した後の過敏性腸症候群

症例9 若い男性の背部痛

症例10 ピル服用中の不規則な月経中間期出血

症例11 脚を引きずる男の子

症例12 咳をするマラソンランナー

症例13 典型的な片頭痛の女性

症例14 下痢と嘔吐のある若い女性

症例15 義歯が合っていない高齢男性

症例16 中年女性の背部痛

症例17 男性の足の蜂窩織炎

症例18 潰瘍性大腸炎の増悪

症例19 下肢の皮膚にこぶのある女性

症例20 顕微鏡的血尿のある女性

症例21 脚を引きずる女の子

症例22 自分の足につまずく建設業者

症例23 不安を訴える過呼吸の女性

症例24 アジア系女性のAST軽度上昇

症例25 咳と熱のある42歳の会計士

症例26 処方薬/処方箋の紛失

症例27 乳児の発熱

症例28 転倒後に脚を引きずる高齢女性

症例29 ストレスがある会社幹部の消化不良

症例30 待望の妊娠

症例31 消えた乳房腫瘤

症例32 足関節固定術後の発熱と咳嗽

症例33 溶接工に生じた排尿問題

症例34 高血圧の38歳女性

症例35 56歳男性の口唇腫脹

症例36 疲労と体重増加のある女性

症例37 友人を無視して非難された女性

症例38 頭痛のある男性:豚インフルエンザか、髄膜炎か?

症例39 めまいに悩む女性

症例40 足を痛めた中年男性

第3部 エラーが生じた場合の調査と対応



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