
薬のデギュスタシオン 製薬メーカーに頼らずに薬を勉強するために
岩田 健太郎 (編集)
株式会社 金芳堂
407 頁
(2015年11月)


医薬品の学び方を学ぶための一冊。
なぜBではなく、Cでもなく、Aの薬なのかをきちんと整理して使えるように、なぜAなのかだけではなく、なぜBではないのか、まで突き詰めて考えなくてはならない。
本書ではプロフェッショナルたちが虚心坦懐に医薬品を吟味し、相対的に、臨床的に評価。あくまで現場で役に立つ差別化を目的とした、すべての医療従事者にお薦めのユニークな書。
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製品説明
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AndroidOS 5.0 以降 |
原則、国内キャリア経由で販売される端末につきましてはサポートする方針で対応を行っております。端末固有の問題が発生した場合には実機を入手し動作確認を行います。なお国内キャリア経由の販売であっても、Google Play Store非対応の端末ではアプリ本体のダウンロードがいただけないため、お使いいただけません。 | |
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iOS 5.0 以降 |
対応機種: iPad 、 iPod touch第4世代 、 iPad Air 、 iPad Air2 、 iPad mini 、 iPad mini 3 、 iPad mini 4 、 iPad mini Retina 、 iPad2 、 iPad第3世代 、 iPad第4世代 、 iPhone4 、 iPhone4S 、 iPhone5 、 iPhone5c 、 iPhone5s 、 iPhone6 、 iPhone6 Plus 、 iPod touch第5世代 | |
外部メモリ:44.6MB以上(インストール時:97MB以上) *コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。 *コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcher 2.3.0以降が必要です。 *iOS/iPhoneOSでの導入方法の詳細は こちら |
医薬品の価値は「他者との比較」によってなされるものである.単に,ある医薬品の効能や副作用を勉強するだけでなく,その薬が他との相対的な関係からどのような位置にあるというそのポジショニングが重要である.そのことがわかって初めてAとBとCの薬の使い分けができるのである,と編者は説いている.製薬メーカーから進められた1つの薬を漫然とお気に入りにするのではなく,なぜBでもなく,CでもなくAが良いのかきちんと整理して使えてこそAという薬を十分に理解できるのである.本書では「あれ」のみを単独で学ぶのではなく,「あれ」と「これ」の違いを臨床的に吟味し,どのように使い分け,あるいは差別化するのか比較検討している.大事なことは「臨床的に意味のある違い」であり,些細な構造式の違いや臨床的にはどうでもよい薬理学上の属性には拘泥していない.あくまで現場で役に立つ差別化が本書の目的である.本書を読んで,薬の使用者たる医師や看護士,薬剤師さん達に医薬品の正しい選び方を学んでもらいたい.すべての医療従事者にお薦めのユニークな書である.
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はじめに
医薬品の価値は「他者との比較」によってなされる。単にある医薬品の効能や副作用を勉強するだけではだめで,その薬が他との相対的な関係からどの位置にいるか,そのポジショニングが重要になる。それが分からなければAという薬とBという薬の使い分けはできない。
典型例はスルペラゾン(セフォペラゾン・スルバクタム)である。しばしば「胆汁移行性がよい」という理由で胆管炎に用いられるセフェム系抗菌薬がスルペラゾンだ。確かに,セフォペラゾンは胆汁に濃縮されやすい。しかしアンピシリンやトリメトプリム,メトロニダゾールやクリンダマイシンも胆汁移行性は十分にある。スルペラゾンが胆管炎に対して特別優れた抗菌薬ではないのだが,スルペラゾン「だけ」単独で勉強すると,そして製薬メーカーの説明会はたいていそういう内容なのだが,このような事実は学べないのである。
他者との相対的な違いを学ぶ学び方は,単独である事物について学ぶよりもより構造主義的で,より学習者の成熟を要する学びである。製薬メーカーの印象操作に踊らされ,臨床的に妥当ではない医薬品を選択する医師はとても多い。薬の学び方が相対的ではないからである。ディオバンのような臨床試験上の捏造が起きるのも,使用者たる医師や薬剤師が「相対的に医薬品を学ぶ習慣」を持っていないことが遠因である。
漫然とAという薬を使い,「お気に入り」にしてしまうのではなく,なぜBではなく,Cでもなく,Aなのかをきちんと整理して使えるようになって初めてAという薬は十全に理解されるのである。ライプニッツの論理学のように,なぜAなのかだけではなく,なぜBではないのか,まで突き詰めて考えなくてはならない。
もちろん,類似薬のhead to headの比較試験は少ない。AとBのガチンコ勝負は両者を作るメーカーにとっても危険なギャンブルだからである。従って本書もすべてを(いわゆる)evidence basedにすることは叶わない。しかしながら,プロフェッショナルが虚心坦懐に医薬品を吟味し,相対的に,臨床的に評価することはたとえガチンコのエビデンスが乏しくても可能であると思う。
本書は「あれ」のみを単独で学ぶのではなく,「あれ」と「これ」の違いを臨床的に吟味し,どのように使い分けるか(あるいは差別化するのか)を検討するものである。大事なことは「臨床的に意味のある違い」である。些細な構造式の違いや臨床的にはどうでもよい薬理学上の属性には本書は拘泥しない。あくまで現場で役に立つ差別化が本書の目的だ。本書を読んで,医薬品の学び方を学んでいただきたい。
2015年10月
岩田健太郎
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1. 先発医薬品と後発医薬品の比較
2. 風邪に対する総合感冒薬,解熱鎮痛薬,葛根湯,うがい薬の比較
3. タミフルとリレンザとイナビルとラピアクタの比較
4. 季節性アレルギー性鼻炎への抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬,鼻噴霧ステロイド薬の比較
5. 抗アレルギー薬の比較
6. アレグラとアレロックとクラリチンとジルテックとポララミンの比較
7. フロモックスとメイアクトとバナンとセフゾンとトミロンの比較
8. シプロキサンとクラビットとジェニナックとアベロックスの比較
9. マクロライド系抗菌薬,キノロン系抗菌薬の重篤な有害事象
10. バンコマイシンとテイコプラニンとダプトマイシンとリネゾリドとクリンダマイシンとST 合剤とその他の比較
11. 急性腰痛に対するアセトアミノフェン
12. カロナール(アセトアミノフェン),トラムセット(トラマドール/アセトアミノフェン),ロキソニン(ロキソプロフェン),ペンタジン/ソセゴン
13. アセトアミノフェンとNSAIDs とコルヒチンの比較
14. NSAIDs の消化器系および心血管系有害事象の比較
15. 片頭痛予防薬の比較
16. ムコダインとムコソルバンとビソルボンとスペリアの比較
17. 鎮咳剤の比較
18. 気管支喘息治療:吸入ステロイド薬,合剤吸入薬,テオフィリン,ロイコトリエン拮抗薬の比較
19. オルベスコとパルミコートとフルタイドとキュバールとアズマネックスの比較
20. COPD 治療:吸入抗コリン薬,吸入長時間作用性β2刺激薬,合剤吸入薬,テオフィリンの比較
21. スピリーバレスピマットとスピリーバカプセルの死亡リスクの比較
22. タケプロンとガスターとアルサルミンとサイテックとムコスタの比較
23. オピオイド導入後の便秘対策
24. マグラックスとラクツロースとプルゼニドとラキソベロンの比較
25. 整腸剤とヨーグルト
26. 止痢剤の比較
27. ACE 阻害薬とARB の血管浮腫リスクの比較
28. アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)とアンジオテンシン受容体拮抗約
29. スタチンと糖尿病発症リスクの比較
30. 糖尿病治療の経口薬の比較:ビグアナイド薬,スルホニル尿素薬,グリニド系薬,α-グルコシダーゼ阻害薬,DPP-4 阻害薬,チアゾリジン薬,SGLT2 阻害薬
31. 各種インスリン療法の比較
32. DPP-4 阻害薬の比較:ジャヌビア/グラクティブ,エクア,ネシーナ,トラゼンタ,テネリア,スイニー,オングリザ,ザファテック
33. メトグルコとアクトスの比較
34. 普通の経腸栄養剤と病態別経腸栄養剤と免疫賦活系経腸栄養剤の比較
35. ビスフォスフォネートとPTH 製剤とRANKL 製剤の比較
36. 禁煙補助薬の比較:ニコチンガム,ニコチンパッチ,バレニクリン
37. スローケーとグルコン酸K とK.C.L. エリキシルの比較
38. 終末期患者の不眠に対する睡眠薬の経静脈投与:ロヒプノールとドルミカムの比較
39. 三環係抗うつ薬と四環系抗うつ薬とSSRI とSNRI の比較
40. SSRI とSNRI とNaSSA の比較
41. ベンゾジアゼピン系抗不安薬の比較
42. 統合失調症治療における定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬
43. がん患者におけるせん妄治療:抗精神病薬の選択
44. がん疼痛のベースライン鎮痛に使用するオピオイドの比較:
オキシコドンとフェンタニル貼付剤とモルヒネ
45. がん疼痛のレスキュー薬として使用するオピオイドの比較:オキシコドンとモルヒネとフェンタニル口腔粘膜吸収薬
46. がん疼痛に対する経口の鎮痛補助薬の比較:リリカとトリプタオールとサインバルタとテグレトールとメキシチールと経口ケタミン
47. がん疼痛に対する非経口の鎮痛補助薬の比較:ケタミンとキシロカイン
48. 終末期患者の死前喘鳴(デスラットル)に対する抗コリン薬の比較:ハイスコとブスコパンとアトロピン
49. オピオイド導入時の嘔気対策
50. バセドウ病治療法の比較:抗甲状腺薬,無機ヨード療法,131I 内用療法,手術療法
51. メファキンとマラロンとビブラマイシンの比較
付記:利益相反表明
あとがき
索引
薬:商品名の索引
薬:一般名ほか総合索引
特記事項
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お客さまからの声
いつもと違う観点から薬について書かれていて、面白かったです。見開き1ページで完結しているので読みやすいです。ただ、もちろんすべての薬について書かれているわけではないので、自分が知りたい内容が書いているのか目次でチェックしておいた方がよいです。
これはベストセラーになっていたので購入しました。患者さんから質問されてとっさに答えられないことの答えが簡潔にまとめられてました、良書です。
ちょっと離れたところから眺めているというか、大きな枠で見ていて、すごくわかりやすい。薬剤師は製薬会社のバイアスに溺れがち。これを読んでしっかりした評価をしていきたい。
日常診療で使う薬についての考え方が整理された。
雑学的であるところと、しっかりと科学的な根拠に基づいているところと、とにかく面白い内容満載で読みやすいです。
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幅広い分野の薬がカバーされており、救急外来で重宝しています。