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股関節学

久保 俊一 (編著)

株式会社 金芳堂

1,265 頁  (2014年2月)

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リリース日: 2015年08月07日

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股関節学のバイブルとなる1冊!

根拠にもとづく記述を基本に,基礎から臨床まで股関節に関連する専門的な事柄を網羅しながら詳しく解説。
日常診療や臨床研究で役立つ分類、基準、指標、計測値に加え、日本で使用可能な人工股関節の一覧表と医師として知っておくべき医事法を掲載。
また、略語欄や索引も充実しており、電子版なら索引から該当ページへのリンク、参考文献からPubmedへのリンクも搭載しています。

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運動器のなかでも人体最大の荷重球関節である股関節は最も重要な役割をはたす器官の一つである.歩行という基本的な動作はもちろん,労働やスポーツにおける多彩な動きを可能としている.進化の中で形成されてきた股関節の形態や機能は精緻であり,疾患や障害が生じた場合,その克服には専門的な医療が必要となる.

本書では,根拠にもとづく記述を基本に,基礎から臨床まで股関節に関連する専門的な事柄を網羅しながら詳しく解説する企画を行った.基礎,診断,治療など7つの編を組み,Ⅷ編の知悉便覧では,日常診療や臨床研究で役立つ分類,基準,指標,計測値に加え,日本で使用可能な人工股関節の一覧表と医師として知っておくべき医事法を掲載した.本書がこれからの股関節学のバイブルとなるであろう.


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巻頭言

超高齢社会における社会的使命である健康寿命の延伸にとって,運動器を健全に維持することは重要な課題である.運動器のなかでも人体最大の荷重球関節である股関節は最も重要な役割をはたす器官の一つである.歩行という基本的な動作はもちろん,労働やスポーツにおける多彩な動きを可能としている.進化の中で形成されてきた股関節の形態や機能は精緻であり,疾患や障害が生じた場合,その克服には専門的な医療が必要となる.

専門的な医療の実践には学問的に高いレベルの知識や技能が必須であり,その道しるべとなる書籍は不可欠である.専門性を確立するための書籍には根拠のある記述,すなわち文献による裏付けが必要である.わが国における股関節学の学問的水準は,先人の努力により世界的にみても極めて高い.独創的な業績はもとより欧米の知識や技術も十分に咀嚼されており,股関節の専門的医療を包括的に著述できる素地が整っている.

一方,近年,専門医制度の導入が国家レベルで行われており,専門医の要件を具体化することが求められている.股関節の分野でも専門とする領域を明らかにしておくべき時期である.年齢的には成長段階の小児から骨の脆弱性が出現する老年期までが対象となる.基礎的要件としては,複雑な解剖の知識が基本であるが,血管系では特殊な経年的変化や走行などにも造詣を要する.骨,軟骨,関節の生理に加え,バイオメカニクスや材料学なども必要である.病態を深く理解することは,正しい診断と的確な治療に結びつく.股関節に関連する疾患では,定義が定まっていないものや充分に病態が解明されていない部分も多い.解決すべき課題を把握しておくことも大切な点である.診断では,診察技術に加え,近年の画像診断や遺伝子診断技術を含む血液・生化学的・微生物学的検査の進歩を理解しておくべきである.鑑別診断として,全身的炎症性疾患,骨系統疾患,腫瘍などの知識も欠かすことはできない.

治療学では,手術療法に目が向きがちであるが,保存療法をしっかりと身につけなければならない.近年開発されている新薬も含めた薬物療法や装具療法は重要である.また,理学療法や作業療法などのリハビリテーションに関連した知識と技能も求められる.手術療法に関しては,人工関節による手術の比重が高まってはいるが,関節を温存する手術法に関して充分な知識と技術の修得に努めなければならない.各種進入法の知識は基本となる.特殊な分野ではあるが,スポーツ損傷や医事法などにも正しい知識は必要である.

本書では,根拠にもとづく記述を基本に,基礎から臨床まで股関節に関連する専門的な事柄を網羅しながら詳しく解説する企画を行った.基礎科学,診断学,治療学,手術進入法,小児の股関節疾患,成人の股関節疾患,人工股関節・人工骨頭治療学の7 つの編を組んだ.Ⅷ編の知悉便覧では,日常診療や臨床研究で役立つ分類,基準,指標,計測値に加え,日本で使用可能な人工股関節の一覧表と医師として知っておくべき医事法を掲載した.また,使い勝手がよいように略語欄や索引も充実させた.

幅広い領域を対象としたため,用語の統一に時間を要した.整形外科学用語集(第7 版)を基本としたが,採用されていない用語も多く,検討すべきものが多数あった.それぞれの領域の専門家に相談しながら,原典を引き統一を図った.その概要を巻頭に「本書での記載について」として掲載した.

股関節は左右のある器官であり,複雑な解剖や手術進入に関しては,右のイメージ,左のイメージを持つことになる.また,開排位でX 像が正面から入射される場合,大腿骨の側面像は内側からみたイメージになるのに対し,立体画像や手術の場合は外側からイメージしていることが多い.本書では,シェーマや画像は症例を除き左側を原則とした.一側を原則としていると誤解が少なく理解しやすいと考えたからである.画像やシェーマには矢印や説明を入れ,わかりやすいようにした.症例には年齢と性も記載した.

原稿作成にあたっては,各分野で活躍しておられる先生方に用語の統一という点を含め本書の企画の理解を得ながら共同で執筆を行った.特に,人工関節の分野において共同で編集をした菅野伸彦先生には大きな貢献をいただいた.神野哲也先生と稲葉 裕先生には用語の統一などを中心に編集に多大な協力を得ることができた.作画とイラストレーション編集に関しては,卓越した才能をもつ徳永大作先生に大変お世話になった.出版社である金芳堂の市井輝和社長には絶大なる支援をもらった.市井氏がいなければ1,200 ページを超える本書の出版はなかったといえる.名前を挙げることはできなかった先生方を含め本書にご支援をいただいた方々に深く感謝を申し上げる.

「生命の躍動」"élan vital"はフランスの哲学者,Henri-Louis Bergson の名言である.医学において地道な進歩が大切であることは論を待たないが,未来に羽ばたく「躍動」も必要である.股関節学の躍動的な進歩のために,股関節分野の臨床,研究,教育に携わるすべての方々が本書を役立てていただけることを心から願っている.

2014年1月

編著者 久保 俊一


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Ⅰ編 基礎科学

Ⅱ編 診断学

Ⅲ編 治療学

IV編 手術進入法

Ⅴ編 小児の股関節疾患

Ⅵ編 成人の股関節疾患

Ⅶ編 人工股関節・人工骨頭治療学

Ⅷ編 知悉便覧

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