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治療に役立つ グラム染色

高橋 幹夫, 櫻井 滋 (著)

株式会社 メジカルビュー社

180 頁  (2017年5月)

Android 対応製品 iOS/iPhoneOS対応製品

eBook Price(ダウンロード販売): ¥4,104 (税込) 

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リリース日: 2018年06月22日

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感染症の病態把握に活きる!適切な抗菌薬使用の用心棒!

耐性菌を作らない! データに基づく適正な抗菌薬処方にグラ染が役に立つ!!簡便に行え、コストパフォーマンスもいいグラム染色検査(グラ染)を有効活用することが、抗菌薬の適正使用にどんなに役立つか解説されています。高齢化社会を迎え、増加する感染症患者に適切な治療を施すためにすべての医療者必携の一冊。

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菌を同定せずに広域スペクトル抗菌薬を投与し続けるエンピリック治療は耐性菌を作り、将来的な治療薬の選択肢を狭めるだけである。本書では、簡便に行え、コストパフォーマンスもいいグラム染色検査(グラ染)を有効活用することが,抗菌薬の適正使用にどんなに役立つか解説されている。

すでに抗菌薬を投与している時に、グラ染を利用していかにデスカレーションしていくのか、複数の菌に感染している患者をどうやってみつけるのか、治療はどうするのか。一筋縄ではいかない感染症の病態把握に対してグラム染色の使い方と、データに基づいた抗菌薬の選択の仕方がよくわかるようになっている。

高齢化社会を迎え、増加する感染症患者に適切な治療を施すためにすべての医療者必携の一冊。


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初期臨床研修指定施設である当院では,毎週火曜日の朝7時30分から8時までの30分間,研修医を対象とした感染症診療に関する勉強会を行うようになって,早くも9年目を迎えた。勉強会では,よりリアルに臨床例をとらえてもらう意図で,自施設で経験した症例を題材に症例検討の形式をとっている。また,可能な限りグラム染色所見をもとに患者の経過や背景を探り,診断や治療プロセスを体験してもらうように工夫している。

この勉強会を通じて,研修医たちは自ら採取した検体に細菌検査室でグラム染色を施し,顕微鏡観察を行うが,その習慣は長続きしないようにみえる。その大きな理由は,研修医が自ら菌を推定したり,炎症像を評価したりするという「喜び=達成感」を実感できずにいることが大きな要因と考えられる。結果に結びつかない「退屈な検査の時間」は無駄な時間ととらえているのかもしれない。

グラム染色所見を通して,患者や疾患の背景を自らの力で読み解き,診断や治療に結びつけることができるようにするにはどうすべきか,この要求に対応する参考書を探したものの,多くの手引書は典型的なグラム染色像とその解説に終始する検査の手引きであり,実臨床における,いわばノイズだらけの検体を読み解く際に役立つ情報は少ないように感じられた。そこで,自ら手引書を作ろうと思い立ったのである。

共著者である櫻井 滋先生は,若き日に沖縄県立中部病院(OCH)で研修医時代を過ごし,グラム染色を通じて"臨床力"を鍛えられた体験をもっており,私とともに地域の研究会を通じて感染症診療に関するレクチャーを掛け合いMANZAI風に面白おかしく行って好評を得てきた。

この「グラセンMANZAI」のキモは,感染症の実臨床にある数え切れない岐路の存在に気づいてもらうことにある。その岐路をどちらに向けて進むかで,予後や医療に費やす時間と費用が大きく変化する。それぞれの岐路において,古典的な技術であるグラム染色をどのように役立てるかを通じ,臨床推論や決断能力を養うために,「グラセンMANZAI」では,あえて単純化しながら解読してみせるのである。

グラム染色の一般的な役割とされる起炎菌の推定に止まらず,抗菌薬の変更,継続,中止決定プロセスにおける悩みや,判断の際の小さなコツなどは,後に臨床力の一部となる。結果判明に時間を要する細菌検査や病原体までは写らない画像診断,広域スペクトル抗菌薬への神頼みなど,若い医師が他人任せの診療プロセスから脱却し,自らの能力で診療を充実させることは,自身の喜びにもつながり,指導する側の上級医も大いに触発されている。若い医師や検査技師に実症例をとおしたライブ感,細菌学的正解を追うだけではない,「グラセンから患者を診る」体験していただければ,著者の一人として幸甚である。


2017年3月

高橋 幹夫


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グラム染色所見を読み解くためには

概論 臨床検体のグラム染色を行うにあたって

検体のサンプリングと肉眼的観察/塗抹標本の作成/染色の手順

グラム染色はク-ル-ア-サ(来る朝?)

【コラム】代表的な形態と表現

グラム陽性菌群 Gram Positives

グラム陽性菌の鑑別はグラ染の基礎

グラム陰性菌群 Gram Negatives

グラム陰性菌はCOPD急性増悪の起炎菌

グラム陰性腸内細菌は感染すると強毒に

【コラム】細菌検査室の教育的役割

基本的な検鏡手順を理解するための標準標本

基礎編 唾液のグラム染色所見(健常者)

【コラム】グラム染色所見のみかたのコツ

呼吸器感染症

概論 同一菌種の異なる特徴について

検体:喀痰/スムース(S)型とラフ(R)型を見極める

症例1 74歳,女性 広範な浸潤影と低酸素

上級者編 侵襲性肺炎球菌感染症

上級者編 血液寒天培地における発育阻止所見

【コラム】薬剤感受性検査結果の解釈

概論 神経筋疾患におけるグラム染色の用い方

検体:喀痰/慢性心不全患者のキノロン系に不応の発熱?

症例2 79歳,男性 嚥下障害患者の発熱

概論 慢性呼吸器疾患の急性増悪とグラム染色

検体:喀痰/COPDでは常にグラム陰性菌を狙うべきか?

症例3 73歳,男性 慢性肺疾患の急性増悪

概論 気道親和性の病原体について

検体:喀痰/気道親和性の起炎菌は肺炎像を見せにくい

症例4 83歳,女性 発熱のない両側肺炎?

上級者編 H.fluの重症例を評価する

上級者編 喀痰検体における炎症強度と病期判定

概論 薬剤抵抗性と多剤耐性菌について

検体:喀痰/シブトイ菌の正体はグラ染でつかめ!

症例5 72歳,女性 抗菌薬無効の緑膿菌?

概論 結核・抗酸菌感染症とグラム染色の役割

検体:喀痰/慢性心不全患者のキノロン系に不応の発熱?

症例6 83歳,女性 緩徐に進む呼吸器症状

上級者編 抗酸菌の深読みテクニック

概論 不明熱のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:喀痰/未診断感染症と不明熱とは本質的に異なる

症例7 78歳,女性 病巣不詳の感染症?

上級者編 Candida属のグラム染色所見

概論 日和見感染とグラム染色の用い方

検体:喀痰/混入菌を装う起炎菌を見逃すな!

症例8 84歳,男性 感染で心不全悪化?

尿路感染症および泌尿生殖器系感染症

概論 尿路感染症のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:尿/グラ染で治療効果をリアルタイムに追う

症例9 62歳,男性 脊髄損傷患者の発熱

上級者編 大腸菌による尿路感染

上級者編 血液培養検体における肺炎桿菌

上級者編 医療・介護関連肺炎と肺炎桿菌

概論 複雑性尿路感染症のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:尿/「抗菌薬は効いているか」を菌の変形から推定

症例10 71歳,男性 回腸導管と尿路感染

概論 性行為関連尿路感染症とグラム染色の用い方

検体:分泌物/死菌も想定し,PCR検査を常に追加する

症例11 28歳,男性 排尿痛と膿性分泌物

皮膚・創傷感染症

概論 皮膚感染症のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:水疱内容/皮膚バリアの下は本来,無菌のはず...

症例12 64歳,男性 皮膚の水疱は感染性?

上級者編 無菌組織内に常在菌はあり得ない

概論 手術部位感染症のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:分泌物/抗菌薬の変更時期はグラ染で読み解け!

症例13 55歳,女性 抗菌薬投与中の創感染

概論 創傷に伴う感染症の考え方とグラム染色の用い方

検体:分泌物/トキソイド投与後23日目の破傷風発症?

症例14 55歳,男性 電動ノコで右指を切断

概論 骨盤内感染症のとらえ方とグラム染色の用い方

検体:膿汁/骨盤内の感染症では嫌気性菌をマークせよ!

症例15 55歳,女性 ドレナージ後も発熱持続

概論 動物由来感染症とグラム染色の用い方

検体:膿/動物由来の感染症とグラム染色所見

症例16 77歳,男性 ネコ咬傷後の手背腫脹

腸管感染症

概論 腹部手術後の下痢症とグラム染色の用い方

検体:排泄物/小腸切除後に腸炎? 予防的抗菌薬との関連は...

症例17 82歳,女性 ヘルニア術後の下痢症

概論 抗菌薬関連下痢症とグラム染色の用い方

検体:排泄物/抗菌薬投与後の便検体,グラ染で単一菌は非常事態

症例18 76歳,女性 敗血症回復後の下痢

概論 市中腸管感染症の考え方とグラム染色の用い方

検体:排泄物/症状の軽い下痢症はただの風邪?

症例19 30歳,女性 発熱嘔吐のない下痢症

上級者編 細菌性腸炎の起炎菌を推定せずに抗菌薬を投与した場合に生じうる問題とは

概論 大酒飲みと肺炎

検体:血液/慢性心不全患者のキノロン系に不応の発熱?

症例20 70歳,男性 大酒家の熱とタール便

上級者編 HK半流動培地におけるListeria

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクは現在AndroidOSには未対応となっております。何卒ご了承下さいませ。

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