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FUSE資格者が教える電気メス~使いこなすための原理と意外と知らないリスク【使い方がわかる動画付】

  • ページ数 : 168頁
  • 書籍発行日 : 2022年4月
  • 電子版発売日 : 2022年4月21日
¥3,520(税込)
ポイント : 64 pt (2%)
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商品情報

内容

今さら聞けない疑問や悩みを解決する必読書です!

安全かつ効果的に電気メスを使いこなすために押さえておくべき原理や有害事象のメカニズムを,コンパクトかつ丁寧に解説。
原理が手術のクオリティにどう影響するのかを紐付けながら解説されているので,実践に活かしやすい。また電気メスが引き起こす有害事象のメカニズムについても詳解しており,トラブルシューティングとしても役立つ。巻末にはFUSE(米国消化器内視鏡外科学会公式プログラム)の協力による用語集も掲載。
外科医のみならず,看護師や臨床工学技士など手術に携わるすべてのスタッフに有用な一冊!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

序文


「電気メスを制するものは,手術を制する。ただし,重篤な合併症も引き起こす。」

電気メスが臨床導入され100年が経とうとしています。手術を取り巻く環境は日々変化していますが,「電気メス」は診療科を問わず,手術における必須デバイスであることに変わりはありません。

著者は,マギル大学(カナダ,モントリオール)低侵襲外科教室留学中にFundamental Use of Surgical Energy(FUSE)プログラムと出会い,それまで意識せずに使用していた電気メスの奥深さに衝撃を受けました。その後,FUSEを通じて手術用エネルギーデバイスの原理や危険性を学び,さらに深掘りした成果が本書となります。

本書では,小難しい電気の話は極力控え,電気メスの基本知識と実践的内容を解説しています。卒前・卒後教育において学ぶ機会の少ない「電気メス」の原理とリスクを中心にまとめました。特定の手術における使い方を説くものではありませんが,手術室の日常業務でお役立ていただくのはもちろんのこと,より良い手術を追求するヒントとなれば,著者としてこれ以上の喜びはありません。

これまで,著者は多くのご支援のもと国内外でFUSEプログラムを紹介する機会に恵まれてきました。現在は国内FUSE資格者の仲間と一緒に啓発活動を続けています。外科教育の発展のため,日本外科教育研究会を通じてFUSEの情報発信も行ってきました。これらの活動では,北海道大学消化器外科学教室Ⅱ教授 平野 聡先生,北海道大学クリニカルシミュレーションセンター 倉島 庸先生をはじめとした教室関係者の皆様,足立共済病院長 山本 学先生,国立病院機構相模原病院長 金田悟郎先生に格別なご支援ご高配をいただきました。数々のご縁やご支援に感謝するとともに,少しでも恩返しができるよう,活動を続けていきます。

本書の刊行にあたり,出会ってきた諸先生方,同僚,後輩,そして手術室医療従事者すべての方々に感謝申し上げます。これまでご支援いただいた皆様,そして家族への感謝に堪えません。特に遅筆な著者を見捨てることなく,企画から編集作業まで長い間ご尽力いただいた山田麻祐子氏,そしてメジカルビュー社の皆様に心からの感謝を捧げます。


:米国内視鏡外科学会(Society of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons:SAGES)により開発された,エネルギーデバイスの基礎から医療事故の起こるメカニズムまでを学ぶことができるプログラム。


2022年3月

SAGES(米国内視鏡外科学会)Ambassador
SAGES FUSE Champion
北海道大学病院 特任講師
渡邊祐介


本書の収益の一部を,SAGESのへの寄付および外科医療発展に資する活動に充てる。

目次

Chapter 1  電気メスを学ぶ前に

エネルギーデバイスとは

 電気メスの歴史

主なエネルギーデバイス

 米国で生まれたカリキュラム「Fundamental Use of Surgical Energy:FUSE」

今こそ,電気メスを極めよう!

Chapter 2  基本編:構造と原理を押さえて実践に活かす

 電気で何をしているのか

電気メスの基本構造

交流電流で細胞を熱する

 20世紀最大のイノベーション:感電させない高周波電気手術器

なぜ交流電流の力?

細胞内温度と組織効果

電気を流すためには電極が2つ必要

 電極の位置による組織効果の違い

細胞内温度をイメージする

 本体の役割

電気メス本体の主な機能

インピーダンスモニタリング機能

 切れ味の感覚とインピーダンスモニタリング機能

デューティサイクルってなんのこと?

 出力維持型と電圧維持型

 アクティブ電極の当て方

組織効果に影響を与える3大要素

 アクティブ電極の形状

電流密度って?

組織の電気抵抗(インピーダンス)

 インピーダンスを意識した使い方と注意点

 モードと出力設定

モード名と組織効果は必ずしも一致しない

電気メスのモード

切開モード(カットモード)

 アーク放電(火花放電)を促進するメディア

ブレンドモード(混合モード)

 キャラメル化

凝固モード(コアグモード)

スプレーモード(スプレー凝固モード)

ソフト凝固モード

 非接触通電 vs. 接触通電

ソフト凝固モードでの留意点

 ボール電極と生理食塩水の滴下効果

電圧レベルと組織効果

 対極板

対極板も電極である!

より安全な対極板:2面型対極板を用いた対極板接触監視モニタリング

 「エッジ効果」と「コーナー効果」,そして対極板にあるリングの役割

 容量結合型対極板:MEGA SOFTTM

 バイポーラについて

バイポーラは凝固が得意

バイパス効果とマッシュルーム効果

 ベッセルシーリングデバイスでのスチーム拡散が注目?

 アドバンスドバイポーラ

Chapter 3  実践編:能力を引き出すためのコツ

電気の流れは目に見えない

目に見えない組織効果をイメージする

電流密度を操る=電気メスの当て方

 アクティブ電極の形状はどのように影響するか

脈管シーリングは「切開モード or ソフト凝固」で!

内視鏡外科手術で失うもの

結紮した後は,剪刀で切る!

組織の電気抵抗(インピーダンス)を意識する

焦げは電気メスの大敵

対極板は太ももへ貼るのがベストなの?

 対極板が作動しない,意外な理由

電気メスを2台使用する場合の留意点

電気メスの目線からみた小児の特徴

小児の留意点

Chapter 4  POTENTIAL ADVERSE EVENTS:有害事象

電気メスによる有害事象

 対極板によるもの

対極板貼付部位の熱傷

 ソフト凝固の長時間通電による対極板貼付部の熱傷リスク

 分流によるもの

直接結合

 外科医・手術室スタッフの熱傷

 指輪がはずれないときはどうしたらいいの?

ステープラー切離断端には通電しない

 アドバンスドバイポーラの形状にも要注意

容量結合(容量カップリング)

 静電容量(capacitanceを理解する)

容量結合を引き起こすシチュエーション

手術鉗子からの漏電!

 手術鉗子の点検は目視で大丈夫?

 アクティブ電極関連

不注意な通電

直接熱伝導

デバイス先端の余熱による熱損傷

 電磁干渉

埋め込みデバイスへの影響

心臓植込み型電気的デバイスへの影響

 有害事象を起こさないBest Practice

接続端子を間違えると臓器損傷につながりかねない

 手術室火災

手術室火災とは?

手術室火災の3大要素

発火源で多いのは電気メス…意外な発火源も

燃料としては,アルコール含有消毒剤に注意

支燃性ガスとしての酸素

 気管切開に電気メスは使用しない!

手術室での対処

 話題のサージカルスモークについて

サージカルスモークの成分

サージカルスモークの粒子の大きさ

サージカルスモークの粒子ってどこまで飛ぶの?

 サージカルスモークの別名

サージカルスモークによる健康への影響

サージカルスモークから医療者を守る排煙装置

 Appendix  

エネルギーデバイス用語集

主な機種・モード一覧

索引


MEMO

ベッセルシーリングシステムの特徴

超音波凝固切開装置の特徴

単回使用のデバイスが主流

ヴェポライゼーション/デシケーション

直流と交流/電流,電圧,抵抗/電力と熱量

デューティサイクルと機種の特性

「エフェクト」って何?

電流密度/インピーダンス/通電時間

ブースト出力による組織効果の違い

ベッセルシーリングシステムのデューティサイクル

対極板を貼付する際の注意点

対極板による事故

対極板に求められる条件

高電圧での凝固が有効な場面もある

小児の解剖的・生理的特徴と考慮しなければならない事項

出力設定は必要最低限に合わせる

主な埋め込みデバイス

電気メスの使用を控えるべき手術

アクティブ電極先端をネラトンカテーテル等で覆うのは危険

手術室火災が起こった場合の対処

静電気を利用したサージカルスモークの対処

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書籍情報

  • ISBN:9784758304689
  • ページ数:168頁
  • 書籍発行日:2022年4月
  • 電子版発売日:2022年4月21日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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