ABC of 臨床推論

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2018年9月
  • 電子版発売日 : 2018年10月19日
¥3,520(税込)
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商品情報

内容

海外で研究が進む診断エラーの知見を盛り込み,臨床推論の基礎をコンパクトに解説。

認知バイアスへの対処,ヒューマンファクター,診断検査や臨床ツールの効果的な利用法など,広く臨床実践に活きる知識が身につきます。

序文

原書の序

における卓越さとは,単なる知識・スキル・行動のことではない.どのように考え,推論し,決断するかが,医師の最も重要なスキルであることに議論の余地はない.卒前教育・卒後研修において,医師としての実践に必要な知識や技術を教え,評価することは行われているが,臨床推論や意思決定の包括的トレーニングはほとんど行われていない.診断エラーは日常的によくみられ,患者に重大な害をもたらすことが研究によって示唆されており,重要である.典型的には,診断エラーには複数の原因が関与しているが,根本原因の3 分の2は人間の認知エラーであり,最も一般的には,利用可能なデータが正しく統合されなかったときに生じている.これらは不適切な知識によることもあるが,多くの場合,不適切な推論が原因である.

臨床推論にはさまざまな要素が含まれ,この本で取り扱っているように,エビデンスに基づく臨床スキル,診断検査の利用と解釈から,考えることを考えるという認知心理学やヒューマンファクターにまで至る.この本は,個々人の学習の導入として,また臨床推論のカリキュラムのための情報源としてもデザインされている.

臨床推論は医師に限定されるものではない.私たちは上級ナースプラクティショナーやそのほかの臨床家のことも念頭に置いてこの本を書き,可能な限り「医師」という言葉よりも「臨床家」という言葉を用いるようにした.

臨床推論は総合診療から外科,集中治療まですべての専門領域に関係している.臨床推論のある側面は新しくない一方で,認知心理学の進歩や患者安全の理解の深化というような,多くの臨床家にとって馴染みのない臨床推論の要素がある.この本のなかでは,臨床推論のさまざまな要素の概論を提示することだけしかできないので,各Chapterには参考文献とその他の情報源のリストを設けてある.また,推薦書籍・論文・ウェブサイトをこの本の最後に掲載したので,読者のみなさんは自分自身でより深く臨床推論について探求を続けることができるようになっている.

私たちは本当に楽しんでこの本を執筆し,編集した.皆さんにもこの本を読み,活用することを楽しんでほしいと願っている.


2016年1月

Nicola Cooper
John Frain

目次

●原書の序

●監訳のことば

1.臨床推論:その全体像

1)はじめに

2)臨床推論とは

3)なぜ臨床推論が重要なのか

4)病歴と診察

5)確率と診断的検査

6)臨床家もまた人である

7)臨床推論は患者にとって重要である

8)まとめ

2.エビデンスに基づいた病歴と身体診察

1)はじめに

2)エビデンスに基づいた病歴

3)自然経過と患者背景

4)エビデンスに基づいた身体診察

5)尤度比を使う

6)エビデンスに基づいた病歴と身体診察の限界

7)事例:安定型冠動脈疾患を診断する

8)臨床所見を組み合わせる

9)結論

3.診断検査の利用と解釈

1)はじめに

2)正常値

3)検査結果に影響する疾患以外の要因

4)検査特性

5)感度と特異度

6)集団における病気の有病率

7)閾値

8)まとめ

4.臨床推論のモデル

1)はじめに

2)演繹的推論(deductive reasoning)

3)仮説演繹法(hypothetico-deductive reasoning)

4)帰納的推論(inductive reasoning)

5)仮説的推論(abductive reasoning)

6)規則に基づく推論/分類による推論/決定論的推論(rule-based/categorical/deterministic reasoning)

7)確率的推論(probabilistic reasoning)

8)因果推論(causal reasoning)

9)診断〜仮説の生成と修正

10)Type 1およびType 2思考〜デュアルプロセスセオリー

11)診断プロセスのエラー

12)熟練者と初学者の推論

13)まとめ

5.認知バイアス

1)はじめに

2)症例で考える認知バイアス

3)よくみられる認知バイアス

4)バイアスはType1思考だけの問題なのか?

5)認知バイアスとエキスパートの直観

6)まとめ

6.ヒューマンファクター

1)はじめに

2)医療におけるエラー

3)人間のパフォーマンスの限界

4)チーム内でのコミュニケーション

5)医療に内在するヒューマンファクター

6)まとめ

7.メタ認知と認知バイアス除去

1)はじめに

2)「野蛮なる自動化」

3)認知バイアス除去

4)バイアス除去の全般的課題

5)まとめ

8.ガイドライン,スコア,意思決定支援ツールを利用する

1)はじめに

2)臨床ガイドライン

3)スコアと意思決定支援ツール

4)ガイドライン,スコア,意思決定支援ツール使用のピットフォール

5)診療に臨床ガイドラインを適用する;患者が意思決定を共有することを援助する

6)まとめ

9.臨床推論の教育

1)はじめに

2)らせん型カリキュラム(spiral curriculum)

3)臨床推論に関する教育理論

4)教育テクニック

5)臨床推論における省察

6)まとめ


●推薦書籍・論文・ウェブサイト

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書籍情報

  • ISBN:9784758118484
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2018年9月
  • 電子版発売日:2018年10月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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